2023年8月末現在、現行の(Appleによるサポート対象の)iPhoneはすべて「Lightning」を入出力インターフェイスとして採用しています。パソコンと接続するときや充電するときには、片側がLightning端子のUSBケーブルを利用することになります。
だからiPhoneに直接USB-C機器を接続することはできませんが、「変換アダプタ」を用意すれば可能です。たとえば、Appleから発売されている「Lightning - USB 3カメラアダプタ」は、アダプタ部分にUSB-C機器を接続するだけで準備は完了です。
ただし、利用できる機器はiPhone/iOSがサポートする種類の機器に限定されます。市販のUSBメモリやUSBメモリカードリーダーは、通常USBマスストレージ規格に対応しているため、特別な作業なしで認識されますが、パソコンに接続するときドライバソフトウェアを必要とする機器(iOS標準の機能でサポートされない機器)は認識されません。
認識されたとしても、安定して動作するとはかぎりません。たとえば、USBメモリは内蔵回路が必要とする電流がさまざまで、一定レベルを超えると動作が不安定になります。電力消費量が大きい製品の場合には、電力不足とアラートが表示され、まったく動作しないこともあります。
将来、iPhoneにUSB-C端子が搭載されたとすれば事情は変わるはずですが、物理的に接続できさえすれば動作するわけではないこと(iOSのサポートが必要)、スマートフォンなだけに小出力で電力消費量の大きい機器が安定動作しないことは、今後も変わらないのではないでしょうか。