11日・12日放送の情報番組『ハートネットTV』(NHK Eテレ 毎週月~水曜20:00~)では、意識不明になった人々のその後を追う。
脳へのダメージによって意識が戻らない状態の遷延性意識障害。この障害によって意思疎通ができず、移動や食事、排泄なども自力ではできない人が、国内に5万人以上いるといわれている。
かつて「植物状態」と言われ、打つ手がないと考えられていたが、適切な関わりにより、一定数の人で意識を回復することがわかってきた。だが、医療にも福祉にも受け皿が乏しく、居場所を求める人が少なくない。
9月の『ハートネットTV』は、「意識不明」になった人やその家族を取り巻く状況ついて、2回にわたって特集。11日の第1回は、日本で初めて作られた遷延性意識障害の専門病院をはじめ、施設、在宅ケアなど各現場に密着。医療と福祉の谷間に落ち込み、漂流する家族の現状を報告する。
12日の第2回は、出産時の事故によって意識不明になった女性と、生まれてきた娘の33年間の軌跡をたどる。「意識がない」とされながら、母はどのようにしてわが子を認識するのか。一方、母から一度も自分の名前を呼ばれたことも抱きしめられたこともない娘が抱えてきた葛藤とは。ある家族の歩みを見つめる。
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