自転車の安全利用促進委員会は9月7日、「2022年の全国都道府県別、中学生・高校生の通学時における自転車事故発生件数」を発表した。同調査は、交通事故総合分析センター(ITARDA)から提供を受けた2022年1月~12月の事故データを、調査・分析したもの。
通学時の自転車事故が最も多い都道府県は中学生・高校生ともに「群馬県」
2022年通学時の事故件数は、前年に比べて中学生はやや増加・高校生は減少しているが、外出制限等により、最も落ち込んでいた2020年と比べると2021年以降、増加傾向にある。全国の1万人あたりの事故件数は、中学生が2020年が4.19件のところ、2022年は4.90件、高校生は2020年が19.50件のところ、2022年は22.38件だった。
都道府県別で見ると、中学生の1万人当たりの通学時自転車事故件数ワースト1位は「群馬県」、2位は「香川県」、3位は「佐賀県」。高校生のワースト1位は「群馬県」で、2位は「静岡県」、3位は「徳島県」だった。前年に比べて1万人当たりの自転車事故件数で、9年連続ワースト1位の「群馬県」の場合、自転車事故件数は、中学生・高校生ともに減少している。
「中高生が加害者の自転車事故」が多い都道府県は?
通学時の中高生が加害者になった場合の自転車事故について調べたところ、通学時において全体の約2割(中学生20.1%、高校生19.7%)が、自転車側(=学生)の加害事故であることがわかった。通学時は事故に遭う危険性だけでなく、事故を起こし死傷者を発生させてしまう危険性にも注意する必要がある。
都道府県別では、東京都(中学生56.4%、高校生49.1%)や、栃木県(中学生50.0%、高校生37.6%)は、中学生、高校生ともに加害者割合が高かった。
通学時の自転車事故の相手方について調べると、中学生・高校生とも8割が自動車だった。
ヘルメット着用率、中学生は67.6%、高校生は7.8%
2023年4月よりヘルメット着用の努力義務化がはじまったが、着用率は全国的に年齢的にも徹底しやすい中学生は67.6%と高いものの、高校生は7.8%と9割以上が未着用だった。高校生はトップの愛媛県が唯一9割を上回っているものの、次の大分県が7割台、その次が群馬県の4割弱となっている。
自転車事故が実際に発生している場所について調べると、中学生・高校生とも7割以上が「交差点」だった。次いで「歩道」「車道」となっている。事故の自転車側の人的要因(ミス)では、発見の遅れ(認知ミス)が半数以上、双方が直角に交錯することが多い交差点は事故比率が高くなることに繋がっている(中学生70.7%高校生71.2%)。