サムスンの「Galaxy Z Flip5」やモトローラの「razr 40 ultra」など日本でも縦に折りたたむことのできるフリップ式のスマートフォンが増えています。ドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2023でも新しいフリップスマートフォンが展示されていました。日本でも発売が期待されます。
展示されていたのは中堅メーカーUlefoneが発売予定のモデルです。Ulefoneはタフ仕様のアウトドア向けスマートフォンを得意とするメーカーですが、ファッションアイテムとしても使えそうなフリップスマートフォンを発売しようとしているのです。なお、この展示機はモックアップで、実際には動作しません。しかしながら、ブースの担当スタッフによると現在開発中の製品であり、来年には発売予定とのことです。
本体表面はグリーンのレザー風の仕上げで、持ってみると革のような柔らかな肌触りが心地よく高級感も味わえました。メーカー名のUlefoneの名前もしっかりプレスされていることから、開発はかなり先まで進んでいそうです。フレーム部分のゴールド系の色合いも派手さを抑えており、化粧品のコンパクトのようにも見えるデザインは女性にも向いています。他のカラバリがあればそちらも見てみたいものです。
なおスペックや価格は現時点では未定とのこと。Ulefoneは比較的低価格なスマートフォンも出しているため、このモデルも既存のフリップスマートフォンよりも安い価格になることが期待されます。ミドルレンジクラスのチップセットを搭載して10万円以下の価格で出せば人気製品になりそうですね。フリップスマートフォンの入門機として販売するのも良さそうです。
一切不明な本体スペックの中でカメラ性能にはヒントがありました。ヒンジ部分を見ると「108MP」の文字が見えることから、メインカメラは1億800万画素を搭載するようです。AIの文字も見えることからチップセットの性能もある程度以上のものが採用されるのでしょう。フリップスマートフォンでここまで高画質なカメラを搭載するモデルはないので、実用性もしっかり備えたモデルになりそうです。
カメラの横にある丸型ディスプレイは、スマートウォッチのように壁紙を変えて楽しむことができるようになるでしょう。またメインカメラを使って自撮りするときのライブプレビュー表示ができれば便利ですね。画面サイズは小さいものの、本体を閉じたままある程度の操作ができるようなユーザーインターフェース設計になるはずです。タッチパネルで通話を受けたり音楽再生コントロールも出来るようにしてほしいものです。
モックアップの出来はしっかりしており、本体サイズや質感はほぼ製品版と同じレベルになっていると考えられます。重さは200gを切っているようで、片手でも楽に持つことができました。本体質量が軽ければチェーンなどをつけたファッション性の高いケースを装着して「見せるスマホ」として持ち運ぶのも楽しそう。Ulefoneには本体発売と同時に様々なデザインのケースもぜひ投入してほしいものです。
ちなみに、Ulefoneのメインラインのモデルはタフ仕様を極限まで強化した製品が多く、ビジネスや現場作業用のスマートフォンとして十分実用的です。氷に浸けても動作する耐寒性や砂地に埋めても大丈夫など、ニッチな用途向けですがUlefoneは長年この手の製品の開発を続けています。それらの製品に対して今回展示したフリップスマートフォンは、新たなユーザー層を開拓する狙いもあって開発を進めているのでしょう。
Ulefoneは日本ではAmazon.co.jpで製品を販売しています。このフリップスマートフォンも正式にリリースされたら日本で購入できるようになるのでしょう。大手メーカーしか手掛けていなかった最新の折りたたみディスプレイ搭載スマートフォンが手軽な価格で買えるようになったらいいですね。