今年は米Googleの「Chrome」ブラウザのパブリックリリース開始から15周年の節目の年だ(2008年9月2日べータ版公開、2008年12月11日安定版公開)。同社は9月7日(現地時間)、アニバーサリーを記念してChromeとChromeウェブストアのデザインを同社のデザイン言語「Material You」に基づいて刷新することを発表した。数週間中に提供を開始する予定。

新デザインのChromeは全体的に丸みを帯びており、見やすさに焦点を当ててアイコンが刷新された。また、タブやツールバーをより引き立てる新しいカラーパレットが用意され、テーマの変更、カラーの選択、ライトモードやダークモードの切り替え(またはOSの設定と連動する切り替え)をスムーズに行える。これらの新しいテーマと明確なカラーを活用することで、仕事用と個人アカウントといった複数のプロフィールの使い分けが容易になる。

右上の3点ボタンから開くメニューも、ユーザーが機能を見分けやすいようにアイコンを付けて表現し、さらにChrome拡張機能やGoogle翻訳、パスワードマネージャーといった機能にアクセスしやすいようにデザインを改良した。

ウェブストアは、Material Youスタイルに基づいたモダンなインターフェイスに変わり、おすすめのパーソナライズが向上し、「AIを活用した拡張機能」や「エディターのおすすめ拡張機能(Chromeエディタの厳選コレクション)」など新しい拡張機能カテゴリーが追加される。

これらのほか、Chrome 117からSafety Checkが拡張機能にも拡大される。開発者が非公開にした拡張機能、Chromeウェブストアのポリシーに違反して除外された拡張機能、マルウエアに分類されたアイテムの3つを対象に、それらをユーザーがインストールしようとするとプロアクティブに警告を表示する。

また、セーフブラウジング技術を強化する。Chromeはローカルに保存した既知の悪質サイトのリストを30〜60分ごとに更新してきたが、現在フィッシングドメインの60%は存在期間が10分未満になっており、従来の更新サイクルではブロックしきれなくなっている。対策としてGoogleは同社のデータをリアルタイムで参照して検出をより効果的に行うようにする。この変更によって、マルウェアやフィッシングからの保護が25%向上すると予想している。セーフブラウジングのアップデートは数週間以内に展開する予定。