皆さんは、仕事で使う英語は難しいものでないといけないと思っていませんか? 最近、英語に触れる機会が増え、突然の来客や電話で英語が求められたという方も多いのではないでしょうか。
そんなとき、難しい英語が必要と思っていると、とっさに言葉が出てきません。
すぐに英語を話したいけれど、英語が出てこない。
そんなとき、いい方法があります。
それは、決まったフレーズにあてはめること。
それだけで、簡単な英語でもスムーズにやりとりできます。
実はネイティブも、ビジネスの場でそんなに難しい言葉を使っていないのです。
実際にどんなフレーズが使えるのか。
さっそく、みていきましょう。
初対面での「あいさつ」で好感触のひとこと
まずは、名刺交換や受付などで使えるフレーズをご紹介します。
いちばん初めの会話では、こちらのフレーズが定番ですね。
Nice to meet you.
(はじめまして。)
「Nice to...」は、It’s nice to... を略したもので、「~でうれしいです」という意味。初対面の人へのあいさつの鉄板です。
これに対する返事は、「Nice to meet you, too.」などと返します。
ここから発展して、"メールなどのやりとりをしていた相手にようやく会えた!"というときには、こう表現するとより気持ちが伝わります。
Nice to talk to you.
(直接お話しできてうれしいです。)
あいさつの際、相手の調子をたずねるときは、このフレーズ。
How are you doing today?
(いかがお過ごしですか?)
How are you doing? だけでも、「こんにちは」という意味で久々に会った友達や初対面の人に使える表現ですが、ビジネスの場面では、最後に today をつけるとより丁寧になっておすすめです。
返事は、I'm doing good.(調子はいいです)や I'm good. (いい感じです)などで返します。
初対面の相手との会話が終わり、別れるときには、こちらのひとことを。
It was nice meeting you.
(お会いできてよかったです。)
さらにうれしさを表現するのに、「I'm glad to...」と喜びを伝えるフレーズを使った表現もおすすめです。
I'm glad to see you.
(お会いできてうれしかったです。)
とっさの「電話」で相手の名前を聞き直したいときは?
つづいて、電話での場面です。
電話では相手の顔が見えないので、なかなか伝えるのに苦労しますよね。突然知らない相手からかかってくることもあるかもしれません。
そんなとき、便利なフレーズがあります。
誰かわからない相手に失礼なく名前を聞くには、この表現で。
Can I ask your name?
(お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?)
また、相手の名前がよく聞き取れなかったときには、このように質問するとスムーズです。
Excuse me, but how do you spell that?
(失礼ですが、スペルはどのように?)
次に、電話がかかってきて、本人が不在のときには、このフレーズ。
I'm afraid he's not here.
(彼はあいにく出かけております。)
相手からの伝言をあずかるときは、この表現がおすすめです。
May I take a message?
(ご伝言をあずかりましょうか?)
お願いごとをするときは、たいてい 「Can I...?」を使って問題ないのですが、初対面の相手やお客様など、丁寧に表現したいときは、「May I...?」を使うのがおすすめです。
日本語でいうと「~させていただいてもよろしいでしょうか?」のように、へりくだったニュアンスになります。
こちらからかけ直す場合には、
Should I call you back later?
(あとでかけ直しましょうか?)
相手にかけ直してほしいときには、
Could you give me a call later?
(あとでかけ直してもらえますか?)
という表現が便利です。
「会議」でスムーズに議論を深めるフレーズ
次に、会議の場で便利なひとことをご紹介します。
なにか議題などを提案したいときは、「Let's talk about...」のフレーズが便利。
about のあとには、話し合いたい事柄を具体的に続けて使います。
Let’s talk about our plan.
(これからの計画について話そう。)
plan(計画)の他にもreport(レポート)や proposal(企画書)など、使いたいシーンによってあてはめて活用してみてください。
自分の意見を聞いてもらいたいときには、
Could you please listen to me?
(ちょっと聞いていただけますか?)
と言って発言するのがおすすめです。
これは、「~してもらえますか?」という意味の「Could you ...?」というフレーズに、please をつけることでさらに丁寧になったニュアンスです。
誰かの意見に賛成したいときに便利なのが、「I agree with...」。 agree は「賛成する」という意味なので、「I agree with +(人)」で、「~に賛成です」というフレーズになります。
with のあとには人だけでなく、対象となる事柄をあてはめても使うこともできます。
I agree with the plan.
(その計画に賛成です。)
I agree with your opinion.
(あなたの意見に賛成です。)
より強調して「大賛成!」と言いたいときは、以下のように表現しましょう。
I agree with you completely.
I totally agree with you.
I agree with you one hundred percent.
※上記3つとも(あなたに大賛成です!)
さらに、相手に意見を求めたいときはこのフレーズが便利です。
How about you?
(あなたはどう思いますか?)
「~するのはどう?」と行動を示すなら、 How about ...ing? と後ろに動詞を続けます。
また、質問や議題がすべて終わったときには「That's all...」のフレーズが便利です。
That's all for now.
(今のところこれで全部です。)
相手の注意をうながしたいときには、この表現。
Could you please listen to me?
(ちょっと聞いていただけますか?)
ただし、こちらは「please」の部分を強調して言ってしまうと「頼むから」という感じでやや強い言い方になってしまうので、注意しましょう。
また、会議時間の確認に役立つのがこちらのフレーズ。
Do you know when the meeting will start?
(会議って何時スタートだったっけ?)
「~をご存知ですか?」という意味の「Do you...?」のあとに、「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の5W1Hを組み合わせることで、会話の幅がぐっと広げることができます。
英語でも気持ちのいい「接客」を
最後に、接客です。
お客さんへの最初の声掛けで鉄板なのが、こちら。
What can I do for you?
(いらっしゃいませ。)
これは直訳すると「何かあなたのためにできることはありますか?」ですが、「いらっしゃいませ」「何にいたしましょう?」のように会社の受付やお店で使われるフレーズです。
What can I do? だけでも「手伝おうか?」と言いたいとき使えます。
また、What can I do to...? とすることで、「~するために私にできることはあるかな?」という意味になります。
また、美容院などで相手の希望をたずねたい場合、こんな風に活用することができます。
What can I do for you today?
(今日はどうしましょうか?)
また、相手に対してお礼を言いたいときには、「Thanks for...」というフレーズが便利です。
Thanks for understanding.
(ご理解いただきありがとうございます。)
これは、相手が理解を示してくれたときに、そのことへの感謝の気持ちを表すためによく使われる表現です。
「私に~させて」という意味の「Let me...」というフレーズを使って、相手に許可を求める表現もできます。
Let me check.
(ちょっと確認させてください。)
Let me think about it.
(もうちょっと考えさせてください。)
お客様に謝罪しなければならないときは、「I apologize...」という言い方が使えます。
I apologize for any inconvenience.
(ご迷惑をおかけして申し訳ございません。)
これは「I'm sorry...」よりもフォーマルで、取引先などに謝罪するときによく使われる表現です。
相手が困っているときに手伝いを申し出るときには、「I can...」のフレーズが便利。
I can handle it.
(私に任せてください。)
「handle」は「扱う」という意味で、頼もしいひとことになります。
I can manage. も「なんとかできますよ」という意味でよく使われる表現です。
このように、ビジネスの場であっても、簡単な英語で、失礼なく気持ちを伝えることはできます。
本書ではこのほかにも、覚えておいて損はないフレーズをたくさんご紹介しています。とっさの場面でも万能フレーズを覚えておけば安心です。ぜひ、ご活用ください。
執筆者プロフィール:デイビッド・セイン
AtoZ English代表。「英語は楽しく!」をモットーに、約40年日本で英語を教えている。テレビや新聞などメディア出演多数。『10年ぶりの英語なのに話せた! あてはめて使うだけ英語の超万能フレーズ78』(アスコム)をはじめ累計400万部を刊行してきたベストセラー著者。