フランス政府の「いじめ」対策が話題になっている。今年9月の新学期から、学校における「いじめ加害者」を別の学校に転校させられる措置を可能にしたのだとか。欧州のニュースメディア・euronewsなどが報じてている。ネットでは「日本でもぜひ!」「抑止にもなりそう」などと注目を集めている。
日本でも同じ状況が見られるが、フランスではこれまで、いじめの「被害者」が別の学校に転校させられるケースが一般的だったそう。これに対し、学校でのいじめを防ぐ団体は「いじめを受けた生徒を別の学校に転校させることは、子供だけでなく両親にとっても追加の苦痛である」と主張していた。こうした状況の中、フランスの国民教育相であるガブリエル・アタル氏による新法が通ったことで、いじめを行った「加害者」を別の学校に転校させられるようになったそうだ。ネット上でのいじめ加害者にも同様の措置を取ることができるとのこと。
この新法では、生徒の故意かつ繰り返される行動が、ほかの生徒の安全または健康に特定のリスクをもたらす場合に、まず学校長は該当する生徒の保護者と連携し、その行動を停止させるための教育的措置を講じる。それでも、生徒の行動が改善されない場合、学校長はその生徒を退学させ、同じ自治体内の別の学校へ入学させるよう市長に依頼することができるという。また、その自治体に公立学校が1つしかない場合には、別の自治体の学校に入学させるために、別の自治体の市長の承認を得ることで転校させるそうだ。ちなみに、いじめ加害者へは、転校先の学校で、充実した教育的なフォローアップを実施するのだとか。
今回の新法の背景として、今年1月と5月に、フランスの学生がいじめをきっかけに自殺してしまったという事件がある。この事件をきっかけに、フランスでは学校でのいじめ問題を国家としての優先事項としており、アタル氏は「容赦のない対応」を約束していた。既に今年3月には、学校でのいじめをきっかけに被害者が自殺や自殺未遂をした場合には、最高で懲役10年、罰金15万ユーロ(約約2,400万円)が科されるという法改正も行われていた。
ネット上では「日本でもぜひやってほしい!けど、先生とか学校たいへんそうですね...」「抑止にもなりそう。どの角度から見ても良さそうな気がする」「転校先での取り扱いも気になるな🤔」「素晴らしいですね!」「これが正解だわ」「被害者が泣きをみるのではなく、加害者が大変な思いをすればよい。フランスは考え方が的を射ているというか、何かとよい制度を率先して取り入れていきますよね」などの声が寄せられた。