南海電気鉄道は6日、「係員付き自動運転(GOA2.5)実現」に向けて準備を進めてきた和歌山港線での自動運転走行試験について、8月29日の夜間から開始したと発表した。
同社は生産年齢人口減少による労働力不足の社会課題解決等をめざし、京三製作所とともに2022年7月から自動運転実証試験の準備を行ってきた。8月29日の夜間、自動運転モードでの走行試験を開始するための安全性が確認され、9月4日から自動運転走行試験を開始している。試験の終了時期については未定とのこと。
今回の試験は、自動運転システムの安全性・安定性、自動運転時に係員が行う作業における課題の抽出を目的としている。和歌山港線(和歌山市~和歌山港間2.8km)で8300系を走行試験車両として使用し、運転士が乗務した状態で自動運転走行試験を実施する。なお、一般の乗客が乗車する列車で走行試験は行わない。
この試験で、南海電鉄が使用している「自動列車停止装置(ATS-PN)」と、京三製作所と共同開発した「高機能型の自動列車運転装置(高機能ATO)」を組み合わせた自動運転システムの安全性と、運転士による運転時と同等の目標速度への加速・減速、停止精度等の確認を行う。
試験終了後は、試験結果を踏まえ、有識者で構成する「GoA2.5自動運転検討委員会」で安全性評価を得た後、導入を目標とする線区(高師浜線、和歌山港線)での自動運転実現に向けた検討を行う予定となっている。