ソニーは、ドローン搭載向けの業務用カメラ「ILX-LR1」を12月に発売する。高画素フルサイズイメージセンサーと新しい画像処理エンジンによって解像性能を高め、レンズ交換対応に対応する点も特徴。価格はオープンプライスで、市場想定価格は46万2,000円前後。

  • ILX-LR1

  • ドローンと組み合わせて業務活用するイメージ

ソニーのデジタルカメラ・αシリーズの業務向け新製品。別途用意したドローンに載せて飛ばし、点検や測量、マッピングなどで活用できるほか、設置型の点検調査や、フォトグラメトリー分野などにおいても撮影ワークフローの効率化を実現できるという。米ラスベガスで現地時間9月5日から開催される、商用ドローン展「Commercial UAV Expo」で展示する予定だ。

ILX-LR1は、αシリーズならではの高画質と小型・軽量設計に加え、独自アプリを開発するためのソフトウェア開発キット「Camera Remote SDK」にも対応。リモート制御や自由度の高い設置性により、産業分野での活用に必要なさまざまな機能を備えられるとする。

  • ILX-LR1を、別途用意したドローンに搭載したところ

有効約6,100万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーと、最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を組み合わせ、高い解像性能と豊かな階調性能を追求。高高度や遠距離からでも精細な撮影が行え、ひび割れや細かな傷などを詳しく点検できるほか、マッピング撮影に適する3コマ/秒の低速・定速連写機能も装備する。レンズマウントにはEマウントを採用。環境や用途に応じて、70本以上のEマウントレンズ群から必要なレンズを選んで装着できる。

本体サイズと重さは約100×42.5×74mm(幅×奥行き×高さ)/約243g。ドローンに搭載できるよう、一般的なデジタルカメラで備えている背面モニターやビューファインダー、バッテリーなどを省いた小型軽量設計とした。電源もドローンのバッテリーから給電できる(DCダイレクト駆動 DC 10-18V IN対応)。端子や操作部のインターフェースと配線はボディ背面に集約。6面に固定用ネジ穴、底面に三脚ネジ穴をそれぞれ配した。

  • 背面

  • 底面

Camera Remote SDKを用いることで、たとえば3Dモデル作成やマッピング作業のために、任意のIDを撮影画像に付与する「イメージID」をSDKからカメラに送り、静止画とGPS位置情報を紐づけるといったことが可能になる。

また、同SDKの新バージョン(Version 1.11)にも2023年11月から対応予定で、フォーカス絶対値指定(Focus Position Setting)に新対応。マニュアルフォーカス時に、現在のフォーカス位置の取得と任意の位置へのフォーカス送りが可能となり、再現性が高く安定した撮影が行えるようになるという。