大王製紙のエリエールはこのほど、「防災意識調査」の結果を発表した。同調査は2023年5月、クラブエリエール会員604名を対象に実施された。
災害発生時にそのまま自宅で生活を送る「在宅避難」
「在宅避難」とは、災害発生時にそのまま自宅で生活を送ること。避難所不足問題、高層マンションの増加から、この在宅避難は最近見直されている。NPO法人プラス・アーツの東京事務所長・小倉丈佳氏は「避難所ではストレスを感じるケースが多いが、在宅避難は住み慣れた自宅で生活できるため、心と体の健康に良い」とコメント。しかしあらかじめ備蓄をしていないと、生活が苦しくなるという。
「在宅避難」という言葉を知っているか尋ねたところ、74.7%が「知っている」と答えた。そのうち90.5%は、災害時には在宅避難を検討していると答えている。これは全体の約7割(67.5%)にあたり、在宅避難という方法に注目が集まっていることがわかった。
「ローリングストック法」備蓄している日用品は?
日用品や食品を少し多めに買い置きし、古いもの(消費期限・賞味期限が近いもの)から日常的に消費して、減った分を買い足して補充する「ローリングストック法」を知っているか尋ねると、82.5%が「知っている」と答えた。その中の68.9%は、日常生活においてローリングストック法を実践していると回答している。これは全体の56.8%の割合で、約6割が常日頃から準備をする意識があることがわかった。
普段から備蓄している日用品について尋ねると、84.1%が「トイレットペーパー」、82.8%が「ティシュー」と答えた。57.1%は「ウェットティッシュ」も備蓄していると回答している。
何日分の備蓄をしているか聞いたところ、「2~6日分」(42.5%)が最も多く、「1週間分」(26.7%)が続いた。「2~3週間分」「1カ月分」を合わせると、半数が「1週間分以上」の備蓄をしていることもわかった。在宅避難を検討している人の備蓄量も全体と同じような傾向となっている。
小倉氏は、手軽にできる備蓄術として「ローリングストック法」をすすめている。備蓄する非常食や防災グッズは専用品ではなくてもよいとのこと。備蓄品を1カ所にまとめておくと、地震でドアがゆがんだり、棚が倒れたりして取り出せなくなることがあるため、こまめに分散して保管するとよいという。国は「1週間分の備蓄」を推奨しているが、災害時にエレベーターが使えないマンションの高層階などは、自宅の状況に合わせ、余分に備蓄しておくと安心とのこと。
また、災害時は「水をいかに使わないか」を考えることも重要なのだそう。ティシュー、ウエットティシュー、からだふきなどの"紙モノ"日用品は、災害時の掃除、洗顔、食器洗い、お風呂など水を使わなければならない場面で役立つという。紙モノは日常生活においてもあると役立つことが多いため、こちらも日常的に使いながら備えるローリングストック法をすすめている。