忙しい時や失敗をして消極的になっている時など、「何も考えたくない」と感じてしまうことがあります。さらに何もしなかった自分を責め、一日の終わりに虚無感を抱くこともあるでしょう。
しかし「何も考えたくない」と感じ、やる気が出ない状態は、誰しもに起こりうるものなので、自分を責める必要はありません。
本記事では無気力状態になる原因や心理、心を落ち着かせる方法やリフレッシュ方法を紹介。おすすめスポットや、そもそも「何も考えたくない」とはどんな状態なのかもまとめました。
「何も考えたくない」という状態とは
「何も考えたくない」という状態とは、物事の判断や予想、決断など、自分の頭で考えることを拒否している状態のことなどを指します。
やるべき事柄があるにも関わらず「何も考えたくない」「何もしたくない」「ずっと寝ていたい」など、物事に集中できなかったり、何も手につかなかったりして、無気力感に襲われている状態のことです。
「何も考えたくない」と感じる原因・心理とは
「何も考えたくない」と感じる原因には、休憩が取れないほどの忙しさや目まぐるしい環境の変化、生活の乱れなどが考えられます。
また性格がまじめで繊細な人、人間関係に悩みがある人など、心理的な要素も一因に考えられます。
ここでは、「何も考えたくない」と感じる際に考えられる原因について紹介します。
家事や仕事に疲れた
毎日、残業や育児などで遅くまで働いて疲れが蓄積されており、十分な休みが取れていないと、無気力状態に陥りやすいでしょう。
また忙しいことで食生活が乱れてしまい必要な栄養をきちんと取れていない、睡眠時間が確保できていないなどの生活習慣の乱れから、体調を崩しているという可能性も考えられます。
「決断疲れ」を起こしている
決断疲れとは、日常生活で繰り返されるさまざまな「決断」に対してストレスを感じ、正確な決断ができなくなることです。
人間は「今日は何を着よう」「お昼ごはんは何にしようか」など、どのようなことでも常に選択し、決断しています。それが続くことで脳が疲労し、簡単な質問に対しても負担を感じてしまうのです。
人間関係のストレス
「何も考えたくない」と感じる原因として、人間関係のストレスも挙げられます。
いじめや上司からのパワハラ・セクハラ・モラハラなどに悩まされると、心身ともに疲れてしまうでしょう。
また、友人や恋人との関係がうまくいっていない時にもストレスはたまり、もう何も考えたくない、という心理に陥ることもあるでしょう。
周りと比較している
「何も考えたくない」と感じる場合、他人と自分を無意識のうちに比較してしまい、ストレスを抱えていることがあります。
「あの人は仕事が速い」「あの人ばかり仕事を任されている」など、他人の良いところや優れているところばかりが目につき、自分に劣等感を抱いて「自分はどうせダメだ」と思ってしまうと、「もう何もしたくない」「何も考えたくない」と感じてしまいます。
また「君は何をしてもビリだな」「兄弟は頭が良いのにお前は出来が悪い」などのように、過去に他人と比べられたことがトラウマになっているケースもあります。
環境に変化があった
大きなストレスを抱えるほど人間関係が悪化したり、他人と自分を比べて劣等感を抱いたりしているわけでもないのに「何も考えたくない」と感じることがあるでしょう。
休みも取れていて心身ともに問題がない場合、環境の変化が影響している可能性も考えられます。
引っ越しや部署移動、転勤や入学などのように緊張する場面が多かったり、今までと違った生活が始まったりすると、自分が感じている以上にストレスはたまっています。昇進や結婚など、うれしい場面においても、変化はストレスになり得ます。
将来に不安を感じている
将来に不安を抱えている場合も「何も考えたくない」と感じることがあります。
将来に希望を抱き目標が持つということができないため、やる気が出ず、無気力な状態に陥ってしまいます。
悩みの種は、営業成績や同期の出世、人事評価、親の介護、定年後の生活など、さまざまなことが挙げられるでしょう。
【何も考えたくない時の対処法】心を落ち着かせるには
ここからは、何も考えたくない時の対処法を紹介します。心のざわめきを落ち着かせるために、自分に合った方法を見つけましょう。
人と関わる回数・頻度を減らす
何も考えたくないほど疲れている時には、人と関わる回数・頻度を減らしてみるのはいかがでしょうか。
上司や同僚などの仕事に関わる人とはどうしても会わなければなりませんが、プライベートでの人間関係はコントロールが可能です。
あまり親しくない人とのランチや、初対面の人が多い飲み会など、気を遣う場所や楽しめないと感じるイベントにはなるべく参加しないようにして、気持ちを休めることがおすすめです。
やりたくないことはしないで、休息を取る
どうしてもやる気が出ないと感じる時は、有給休暇を取ったり長期休暇を取ったりして、自分自身をねぎらいましょう。
いつも我慢してひたすらに頑張っている人は、自分の体調や精神をついおろそかにしがちです。やりたくないことに対しては無理をし過ぎず、心の声に耳を傾けましょう。
優先順位をつける
日常の選択や決断が続いて脳が疲れてしまう「決断疲れ」を起こさないためには、物事に優先順位を付け、順位の高いものにのみ力を入れるといいでしょう。
例えば、仕事や進路にかかわる決断や人間関係の決断は、優先順位が高く大切なことです。一方で、休みの日の食事時間やコンビニまでの服装、何のテレビを見るかなどの優先順位はさほど高くありません。
日常生活におけるルーティンについてはあらかじめパターンを決めておくと、その都度決断しなくて済むため、脳の疲労を防げるでしょう。
【何も考えたくない時の対処法】リフレッシュするには
「何も考えたくない」と感じる時には、心身共にリフレッシュすることが大切です。ここではリフレッシュの方法を紹介します。
なお「何も考えたくない」と感じる原因が病気だと思われる時は、早めの受診をおすすめします。
寝る
「何も考えたくない」と感じた時には、無理をせずに睡眠をとりましょう。
睡眠時間が十分でないと体や頭の疲れが取れず、それが気力不足につながっている可能性があります。
ただし、休日に寝だめをすることはおすすめしません。平日と休日の起床時間に大きな差があると、体内時計のリズムが崩れてしまうといわれているためです。
生活習慣を整える
「何も考えたくない」と感じるほど忙しい時こそ、意識的に生活習慣を整えましょう。
生活習慣とは食事や運動、睡眠など、日々の生活における習慣のこと。栄養バランスのとれた食事を取ったり、早寝早起きを意識したりなど、簡単な心掛けで改善できます。
特に、起床後すぐに朝日を浴びることがおすすめです。朝日を浴びることで幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが分泌され、体内時計も整うとされています。
適度な運動をする
適度な運動には、心身をリフレッシュさせる効果が期待できます。
例えばストレッチなどの軽い運動で構いません。むしろ疲れが残るような過度な運動ではなく、あなたにとって適度な運動を日常に取り入れてみてください。
屋外に出るウォーキングやジョギングであれば開放感があり、自然に触れることでさらにリフレッシュできるでしょう。
何もしない
「何も考えたくない」と感じる時には頭を空っぽにし、何も思い浮かべない時間を意識的に作りましょう。
「考えたくない」と感じていることを受け入れ、日々の生活から少し離れてみましょう。
好きなことをする
無気力状態に陥った時、ぼんやりしていると嫌なことを考え込んでしまい、気分が落ち込んでしまうこともあります。
気分転換やストレス緩和のため、好きなことをしたり楽しいことを考えたりしましょう。
例えば、料理をしたりハンドメイドでアクセサリーを作ったり、没頭できる作業をすることも、何も考えたくない時の対処法です。
手軽にできる作業は長続きするためおすすめです。
心を許せる人と話す
一人で過ごしていると深く悩んでしまったり気分が落ち込んだりする場合は、誰かと会うことで気分をリフレッシュできるでしょう。
この時、気を遣わなくていい、心を許せる友人や恋人、家族を選ぶことがポイントです。
人に話をすることで頭の整理ができ、話を聞いてもらえることでモヤモヤの解消につながるでしょう。
何も考えたくない時におすすめの場所
「何も考えたくない」と感じている時は、友人や家族など親しい人にすら会いたいと思えず、一人になりたいと感じることもあります。
しかし、どこに行けばよいのか分からずに悩んでしまう方もいるのではないでしょうか。ここでは、何も考えたくない時におすすめの場所を紹介します。
自然の多い場所
「何も考えたくない」と感じる時には、山や海、川などの場所に行き、自然に触れましょう。
きれいな景色や自然の多い場所に行くと心がリフレッシュし、つらい気持ちを紛らわせられるでしょう。特別に遠出をしなくても、近所の公園で構いません。
特に森林浴がおすすめで、リラックス効果や、ストレスホルモンが減少するなどの効果が期待できるといわれています。鳥のさえずりや水の流れる音もストレス緩和に役立つそうです。
静かな場所
何も考えたくない時には、図書館やお寺・神社などの静かな場所に行くのもいいでしょう。
自宅は落ち着ける場所の一つですが、家族で住んでいたりシェアハウスだったりすると、他者の生活音や話し声が気になって、気持ちが休まらない場合もあります。
喫茶店もおすすめです。静かな雰囲気だけでなく、おいしいコーヒーやココア、紅茶などが楽しめるので、ほっと一息つけるでしょう。
一人になれる場所
忙しくて休息がとれていない時は「何も考えたくない」と感じやすく、一人になりたくなる人が多いでしょう。
そのような場合は休みを取り、自分だけの時間を楽しみましょう。
例えば一人カラオケに行って、誰にも気を遣うことなく好きな歌を思い切り歌ったり、インターネットカフェの個室で読書やゲームをしたり、温泉で疲れを癒やしたりすることがおすすめです。
ただし、一人になってぼんやり過ごすと、考えなくてもいいことまで考え込んでしまうことがあります。嫌なことが頭に浮かんでくるようなら、作業に没頭したり、景色に集中したりするようにしましょう。
何も考えたくないことは甘えではない
「何も考えたくない」と感じる心理は、体調面が影響している他、ストレスも大きな要因の一つです。
また不安を感じ過ぎたり悩み過ぎたりすると、心が疲れてしまい、病気にまで進む可能性もあります。
無気力感に襲われた時は無理をせずに休息をとり、好きなことをしたりリラックスできる場所に行ったり、睡眠をとったりして、気力を回復させましょう。
そして少しでも違和感を抱いたら、早め早めに医療機関を受診しましょう。