無視をされると、嫌な気持ちになったり落ち込んだりします。無視することは相手を傷付ける行為であることを、誰しもが理解しているでしょう。
しかし学校や職場などで無視をしてくる人は少なからず存在し、対処に困ることがあります。
そこで本記事では無視する人の特徴や心理、無視されたときの対応策ややってはいけないこと、わざと無視する人の末路などを紹介します。
「無視」の意味とは
「無視」とは、そこに存在しているものを、存在しないかのようにみなすことを意味する言葉です。具体的には、投げ掛けられた言葉やリアクションに反応しない、返事をしないことなどが当てはまります。
このような態度をとられると、誰しも不安になったり、悲しくなったりするでしょう。
また、攻撃されているようにも感じられるため、無視をする人に対して怖くなったりおびえたりしてしまうこともあります。
さらに、無視は失礼にあたるため、されると不快な思いをします。
このように無視をすることは、相手にネガティブな印象を与えます。
無視する人の特徴
ここでは、無視をする人によく見られる特徴について解説します。
怒りっぽくすぐ不機嫌になる
無視をする人によくある特徴として、怒りっぽいことが挙げられます。感情のコントロールが苦手で、怒りの噴出を抑えられないタイプです。
ちょっとしたことですぐ怒り、それが態度に出るため、周りの人はおびえたり、気を遣ったりする羽目になります。
ある程度の距離をとって接することがおすすめです。
わがまま
無視をする人の多くはわがままであり、何事も自分の思い通りにならないと気が済まない性質があります。
相手の都合や気持ちよりも自分の感情を優先するため、関わり合いになると厄介なことに巻き込まれる可能性が高いでしょう。
幼稚・かまってちゃん
「かまってほしい」という意識が強い点も、無視をする人によくある特徴として挙げられます。感情をうまく伝えられない割に、自分が主役でないと気が済まない、幼いタイプです。
このようなタイプは、多くの場合、相手の気を引くために無視をします。
無視をされた人は「なぜ無視をされるのだろう?」「何か悪いことをしてしまったのだろうか?」と悩み、無視をする人に何度も話しかけたり謝ったりと、さまざまに働きかけるでしょう。このように、相手が自分のことを気にかけたり、機嫌をとりにきたりすることを待っているのです。
無視する人の心理
無視をする人は、相手を嫌な気持ちにさせることが分かっているはずなのに、なぜ無視をするのでしょう。
ここでは、無視をしているとき、人はどのような心理状態にあるのかを、いくつかのパターンに分けて解説します。
相手のことが気に入らない・嫌い
相手を嫌っていて、話したくないというパターンが考えられます。
誰しも「どうしても合わない人」というのは存在します。そして幼少期など、精神的に未発達な段階では、自分の感情を相手にそのままぶつけてしまうこともあるでしょう。
しかし多くの場合、成長するにつれて気持ちに折り合いをつけ、嫌いな人とも上手に付き合わないといけないということを覚えます。
ところが大人になってからも自分の気持ちをそのままさらけ出し、気に入らない相手を無視するタイプがいます。嫌いな人と関わりたくないと思い、その態度が露骨に出ているのです。
嫉妬心がある・見下している
相手の境遇や人柄などに嫉妬しているパターンもあります。嫉妬心のために相手のことが気に食わず、ぶしつけな態度になっているのです。
逆に、相手よりも自分の方が優れていると思っている可能性もあるでしょう。相手を軽んじているため、おろそかな対応になります。
いずれにしても、このような心理状態に陥る人は、相手のことを自分より上か下かだけで判断するため、健全な人付き合いは難しいでしょう。
傷付きたくない、自分を守っている
過去に相手から傷付けられた経験があったり、他の人が傷付けられているのを知っていたりして、自衛のために無視している、ということもあるでしょう。
「触らぬ神に祟りなし」と思っているのです。
それでも大人であれば、必要最低限の会話や挨拶程度はするものですが、そこまでの余裕すらないのかもしれません。
自分の気持ちを察してほしいと思っている
怒っていることや悲しんでいることを察してほしい、というパターンも考えられます。無言でいることで不機嫌さをアピールし、「どうしたの?」「何かあった?」などと周囲にかまってほしいと思っているのです。
このような心理状態にある人は、孤独を感じている可能性があるでしょう。人付き合いが苦手で、注意を引くために無視をします。
無視をされたときは「この人は寂しくてかわいそうな人なんだな」と捉えることで、気持ちの余裕が生まれるでしょう。
体調が悪い
体調が悪いというパターンも考えられます。意図的に無視をしているのではなく、実際に返事ができない、しづらい状態にあるケースです。
体調が悪いかどうかは、自分以外の人への対応や、表情を見ることで分かります。無視をされても額に脂汗がにじんでいたり、苦しそうに顔をしかめていたりする瞬間があれば、声を掛けた方がいいでしょう。
また、そこまでの不調でなくても、愛想よく振る舞う余裕がないことも考えられます。無視をされたことにとらわれず、様子を見守るつもりで受け流しましょう。
心に余裕がない
自分のことで精いっぱいなときは相手に気を遣う余裕がなく、つい無視をしてしまうことがあります。プライベートや仕事でトラブルがあり、そのことで頭が一杯になっている場合もあるでしょう。
このようなときは特定の相手を無視するのではなく、誰に対しても対応がおろそかになってしまいます。本人は余裕がないだけで、無視をしている自覚がない可能性もあるでしょう。
無視をされやすい人の特徴とは
残念ながら、無視をする人のターゲットになりやすい人は存在します。ここでは、無視をされやすい人の特徴についてポイントを挙げて解説します。
その場の空気が読めない
その場の空気が読めない人は、無視の対象になりやすいことがあります。
このタイプは受け流すべきところでこだわったり、冗談でも言ってはいけないようなことを言ったりして、周囲の反感を買います。
また、自分の発言が場にそぐわないことに気が付いていないことも多いでしょう。
知らず知らずのうちに相手を傷付けていたり、コミュニケーションを取りづらかったりするために人が離れていきやすく、結果として、無視をされることが多くなります。
上から目線で周りを否定する
上から目線で周囲の人間を否定するタイプも、無視の対象になりやすいです。
このようなタイプは自分の能力を過大評価している傾向にあり、高圧的な態度で接することが癖になっています。他者を寄せ付けず、また、自分から他者になじもうとすることもありません。
人の批判ばかりしている人は、友人関係を構築することが難しいばかりか、周囲からも嫌われやすくなります。結果として、無視されることにつながる可能性が高いでしょう。
ネガティブな話・考えばかりで疲れる
ネガティブな話や考えばかりの人も、無視されやすいタイプです。
どのような話題を振っても、返ってくる言葉や反応が逐一ネガティブでは、話している相手は楽しくありません。「一緒に話していると疲れる」「これ以上話したくない」という気持ちになるでしょう。
健全なコミュニケーションは、互いの気持ちを明るくしてくれるものです。たとえ自分が落ち込んでいるときでも、相手の気持ちを思いやったリアクションが大切でしょう。
無視をされたときのNG行動
いくら気を付けていても、ふとしたきっかけで無視をされてしまうことがあります。そのようなときは、どのような対応をとるのがいいのでしょうか。
ここでは、実際に無視をされたときのNG行動について解説します。
自分ばかりを責める
無視をされると、自分が何か間違ったこと、嫌われることをしてしまったのだろうかと悩み、自らを責めてしまう人がいます。
しかし、はっきりと言われていないのであれば、自分とは関係のないことが原因の可能性もあります。
例えば相手の機嫌が悪く、あなただけでなく全ての人に対して対応がいい加減になっている、ということも考えられるでしょう。あなたは何も悪くなく、単に相手が勝手に嫉妬しているだけの可能性もあります。
深く考えすぎると、気持ちが沈む一方です。本人に直接掛け合えないときは周囲に相談し、客観的な意見を聞くことがおすすめです。
あおる・無視し返す
無視をしてきた相手に対して、怒りを感じることがあるでしょう。
しかし、仕返しのつもりで相手の神経を逆なでするようなあおり方をしても、状況は改善されません。例えば、無視をされているにも関わらずしつこく声を掛けたり、ボディータッチを繰り返したりする行為です。
また無視をされたからといって、自分も同じように無視をし返すこともおすすめしません。関係が余計にこじれてしまいます。
時間や距離を置きながら、冷静にやり過ごすことを心掛けましょう。
無視をされたときの対応・対処法
無視をされてしまったときにどうすればいいか、その対応策について解説します。
原因を考える
無視をされたときのポイントは、その原因をよく考えることです。自覚がないだけで、自分の言動が引き金になっているということも考えられます。
例えば相手の様子が以前と違うときは、2人の間で起きた何らかの出来事がきっかけになっている場合が多いでしょう。
思い当たる原因が浮かび、謝罪や話し合いの必要があると感じた際は、思い切って場を設けることがおすすめです。
相手の言い分を聞き、また自分の気持ちを理解してもらうことで、わだかまりを解消できる可能性が高まります。
一定期間、距離を置く
無視をされたら、取りあえず距離を置くこともポイントの一つです。いくら考えても原因に心当たりがないときは、相手から離れることで互いのストレスを減らしましょう。
職場内で起こったケースでは、会話は事務的なやり取りだけにして、その他の場面ではできる限り接点を持たないようにします。大人げなく無視をするような人と、無理をして一緒にいる必要はありません。
また、時間が解決してくれることもあるでしょう。
「気にしていない」という雰囲気で大人の対応をする
無視をされていることに対して、「気にしていない」という姿勢を見せることもポイントに挙げられます。こちらからリアクションをとることで、相手をさらに刺激してしまう可能性があるためです。
自分の感情を出さず、普段と同じような対応を心掛けましょう。現状を維持することで、トラブルを大きくせずに済みます。
また過剰に反応しないことで、相手が冷静さを取り戻す可能性もあります。落ち着いて話ができるようになれば、解決する手だてが見えてくることもあるでしょう。
職場の人間関係の場合は、周囲や上司に相談する
無視されるのが職場で起こっていることなのであれば、周囲や上司に相談することがポイントです。
特に、無視されている期間が長い場合や、自分だけ対応があからさまに違う場合は、周囲に助けを求めた方がいいでしょう。
仕事がやりづらいだけでなく、気持ちの折り合いをつけることが難しくなってくると、精神的なダメージが大きくなります。
相談する際は、
- 自分に原因となる心当たりがないこと
- 仕事に支障をきたしていること
など、事実のみを伝えます。
できるだけ感情を抑えて、客観的な判断を仰ぐといいでしょう。
恋愛の場合、相手にその気が無い場合はあきらめる
恋愛感情のある相手に無視されているケースでは、自分の気持ちに区切りをつけることがポイントです。
例えば、片思いをしている相手に無視をされている場合、相手はあなたのアピールを疎ましく感じている可能性が高いでしょう。そのようなときにしつこく接すると、ストーカー行為として受け取られる危険もあります。
ある程度の時間を置いてみて、それでも相手から何の反応もないときは、きっぱりと諦めるのがおすすめです。
わざと無視する人の末路とは
無視をする人は稚拙に見えるため、人間関係において悲惨な末路を迎えるでしょう。
周囲の人から、「あの人は感情をコントロールできないんだな」「何かあると大人げない対応をする人なんだな」と思われてしまいます。
思わしくない評価が定着すると周りから孤立し、信頼が失われるでしょう。健全な人間関係を築くためにも、無視は好ましくない行為であると言えます。
嫌いな人や苦手な人と積極的に関わりを持つ必要はないですが、どうしても関わらなければならない人の場合は、仕事や日常生活に支障が出ないよう、必要最低限のやりとりはした方がいいでしょう。
無視をされたときは、一人で抱え込まず周囲に相談しよう
無視をする人の特徴として、怒りっぽくわがままな性質などが挙げられます。
一方で、空気を読めない、上から目線など、無視をされやすい人の特徴も存在します。無視をされてしまったときは、原因を探るために自分の言動を顧みてみましょう。
思い当たることがなければ、無視をする相手と適度な距離を保ち、悩み過ぎないようにすることがおすすめです。
自分を責めることは避け、周囲に相談して客観的なアドバイスをもらうことも大切です。
トラブルを早い段階で沈静化させるために、冷静に対処しましょう。