共同船舶は、2023年8月30日から9月3日にかけて、「豊洲市場ニタリクジラ生肉上場プロジェクト」を実施する。今回、同プロジェクトの一環として9月1日に東京・銀座の松屋銀座「山助」で行われたクジラ生肉捌きショーの様子をレポートする。
共同船舶は、世界で唯一母線式捕鯨を行う企業だ。今回、日本国内での商業捕鯨再開後における鯨肉の評価向上を狙いとして、本プロジェクトは企画されたという。
今回、8月23日から26日の間に岩手県沖と青森県沖で捕獲したニタリクジラから、特に肉質が良く脂乗りも良い7頭の生肉を採取、共同船舶の母船・日新丸からキャッチャーボート・勇新丸が受け取り、8月30日に東京・豊洲埠頭に着岸、荷揚げしたのち9月1日に豊洲市場に2tが上場された。
このニタリクジラの生肉の一部は、鮮魚専門店・山助の銀座店(松屋銀座地下2階)、浅草店(松屋浅草地下1階)にて9月1日より販売会が行われる。9月1日には松屋銀座のライブキッチンで、50kgもの特級・一級の赤肉生肉を捌く「クジラ生肉捌きショー」も実施、多くの客が商品を手に取っていた。なお販売は2日までを予定しているが、なくなり次第終了。
ニタリクジラの生肉のうち、赤身にサシが入った最高級の「尾の身」をはじめ刺身や寿司として提供。クジラの肉は低カロリー・高タンパク・低脂質で、バレニンという抗疲労物質や、抗酸化力の高いオメガ3脂肪酸が含まれる。
また、一度も冷凍せずに氷蔵で熟成させながら運搬しているため、解凍で細胞が損傷することがなく、旨味成分が流出しない。そのためもっちりとした食感やクジラ肉本来の旨味成分が楽しめるという。生肉の流通は年間生産量の1%にも満たない希少なものだ。
共同船舶の所英樹代表取締役社長は今回のプロジェクトに向けて「生の美味しいクジラを味わってほしいですね。クジラの実力を知ってもらいたいですし、クジラを食べて健康になってほしいです」とコメントを寄せた。