菅公学生服(カンコー学生服)は、毎月最終火曜日に結果を発信している調査レポート「カンコーホームルーム 」Vol.211にて、「男子生徒のスカート着用状況)」の調査データを公開した。
近年、多様性やLGBTQ※の観点から、性別に関係なく着ることができるジェンダーレス制服として、今までスカートのみだった女子生徒の制服に「スラックス」を導入する学校が増えている。
では、男子生徒の制服に「スカート」着用を許可している学校はどれくらいあるのだろうか? 今回は、全国の中学・高校の教員を対象に、女子生徒のスラックス制服の採用状況、男子生徒のスカート制服の着用許可の状況と着用の有無について調査した。
同調査は2023年6月、全国の中学・高校の教員1,400人(中学校588人/高校812人)を対象に、インターネットリサーチにて実施。調査委託先は、楽天インサイト。
中学・高校において、女子生徒用のスラックス制服の採用状況は、「採用している」(70.9%)、「採用していない」(27.6%)という結果となった。現在、約7割の学校が女子生徒用にスラックス制服を採用していると回答している。
男子生徒のスカート制服の着用の許可については、「許可している」(27.1%)、「許可していない」(71.2%)という結果に。男子生徒に対して、スカート制服の着用を許可している中学・高校は3割に満たない状況だった。
男子生徒のスカート制服の着用を許可している中学・高校で、スカート制服を着用している男子生徒の有無は、「いる」(11.8%)、「いない」(88.2%)に。学校が許可をしていても男子生徒のスカート制服の着用率は1割程度だった。
文部科学省からの「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」の通知以降、学校では生徒が自認する性別の制服着用を認める動きや、ジェンダーレス制服の採用が急速に広がっている。
そのような時代を背景に、女子生徒用に「スラックス」を採用するだけでなく、男子生徒用に「スカート」の着用を許可する学校も出てきている。
今回、全国の中学・高校の教員1,400人を対象に自身の勤務する学校において、女子生徒のスラックス制服の採用状況を調べたところ、「採用している」(70.9%)という結果で、約7割の学校で女子生徒にスラックス制服を採用していると回答していた。
一方、男子生徒のスカート制服の着用許可については、「許可している」(27.1%)という結果で、男子生徒のスカート制服の着用を許可しているという中学・高校は3割に満たない状況だった。
スカート制服の着用を許可している学校での男子生徒のスカート制服の着用状況は、スカート制服を着用している男子生徒が「いる」(11.88%)、「いない」(88.2%)という結果で、学校が許可をしていても男子生徒のスカート制服の着用は1割程度に留まった。
女子生徒は「スカート」と「スラックス」の両方を選択できる環境になりつつあるが、男子生徒が「スラックス」と「スカート」の両方を選択できるという環境であっても着用している生徒は少ない。
ファッション業界では、「ジェンダーレス」という性別に関係なく着ることのできるファッションが台頭し、男子でもファッションとしてスカートやキュロットスカートのスタイルが登場している。
しかし、学校においては男子生徒がスカート制服を穿くことは容易ではないようだ。今回の調査を受けて同社では、「生徒が自分らしく学校生活を送ることのできる環境づくりが求められています」と結んでいる。
※「LGBTQ」:レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クエスチョニング(Q)の性的少数派の中で代表的な5つの頭文字を取った総称。