保険に加入することで、将来起こるかもしれない様々なリスクに備えることができます。生命保険や医療保険、火災保険や自動車保険は、皆さんご存じの保険ですが、ここでは「こんな保険があるんだ!」といった一風変わった保険をご紹介します。
中には「こういう補償がほしかった」というものがあるかもしれません。生活の中で発生するリスクは多岐にわたります。保険によって備えることができると知ることで、様々なことにチャレンジできるかもしれませんよ。
■日本にある変わった保険8選
一般的でない、細かなニーズに対応した保険を8つご紹介します。その人のライフスタイルやライフステージによって、使える保険があるかもしれません。ここでチェックしてみましょう。なお、保険会社によって補償内容は異なりますので、気になった方は各社のサイトでチェックしてみてくださいね。
1. お天気保険
旅行中、雨が降って予定どおりに楽しめなかったという経験はありませんか? お天気保険は雨が降った場合に、一定の条件に当てはまると旅行代金の一部、または全額が戻ってくる保険です。一般的に、3時間、6時間、10時間のプランがあり、あらかじめプランを選び、その時間の降水を連続して記録した場合に旅行代金が還元されます。判定は気象庁アメダスによって行われます。
保険料は保険会社やプランによって異なりますが、旅行代金の一部返金の場合は、500円から1500円、全額返金の場合は旅行代金の5%や10%となっている場合が多いようです。
梅雨時期の旅行など、天気が心配な場合に「お天気保険」を検討してみるといいでしょう。旅行代金が還元されれば、再度旅行を計画できますね。
2. 熱中症保険
今年の夏は記録的な暑さとなり、熱中症で病院に運ばれるケースが全国で相次ぎました。屋外での仕事やスポーツをしている人、熱中症になりやすい高齢者など、熱中症のリスクが高い人のために、熱中症に特化した保険が登場しています。
PayPayアプリ内の「PayPayほけん」専用商品である「熱中症お見舞い金保険」は、1日100円の保険料から申し込むことができ、熱中症診断による点滴治療や入院をしたときに保険金が支払われます。PayPayアプリから簡単に申し込みができ、必要な期間だけ保障を付けることができます。
厚生労働省が管轄するレセプトに記載されているデータによると、医療機関を受診した熱中症患者数は毎年約30万人で推移しており、特に暑い夏となった2018年は60万人近くにのぼりました。熱中症に対する社会的関心も高まっており、熱中症に特化した保険は今後さらに注目されるでしょう。
3. 旅行キャンセル保険
旅行キャンセル保険とは、病気やケガなど、突然のキャンセルによって、キャンセル料を支払うことになったときに、その費用を補償してくれる保険です。補償されるキャンセル理由は保険会社によって違いがありますが、本人が入院・通院をした、家族が入院・通院をした、親族が死亡した、旅行当日の交通機関の遅延、火災や自然災害による家屋の損害などが補償の対象となります。
申込期限は、旅行出発日の7日前や4日前など期限が決められており、直前に加入することはできません。保険料は保険会社によって異なりますが、おおむね旅行代金の3%程度が目安となるようです。
旅行中のトラブルに備える旅行保険は一般的になっていますが、突然のキャンセルによって失う旅行費用のための保険があることも知っておくといいでしょう。
4. チケット費用保険(チケットガード)
イベントのチケットを購入したものの、何らかの事由で、イベントに参加できなくなり、チケットを無駄にした経験がある人は多いのではないでしょうか。チケット費用保険(チケットガード)に加入すれば、チケット代金が保険金として返ってきます。
保険金の支払い対象となる事由は、本人が入院・通院をした、家族が入院・通院をした、親族が死亡した、旅行当日の交通機関の遅延、急な出張が入った、火災や自然災害による家屋の損害などの他に、同行する人がこれらの事由で行けなくなったことで、自分も行かなかった場合も補償されます。
保険料の目安は、チケット代金が5000円で560円、1万円で870円、2万円で1480円(チケットぴあ「チケットガード」の場合)となり、チケット代金全額が補償されます。
5. ブライダル保険(結婚式総合保険)
ブライダル保険とは、突然のアクシデントによって、結婚式を中止にした場合に、キャンセル費用の補償を受けられる保険です。結婚式の費用は数百万になることもあり、直前のキャンセルでは、全額キャンセル料を請求される場合もあります。ブライダル保険に加入しておけば、このような事態の経済的損失を防ぐことができます。
例えば、身内に不幸が起こる、地震や台風などの災害にあう、結婚式をあげる当人がインフルエンザにかかる、切迫流産になるなど、急なアクシデントによって結婚式をキャンセルせざるを得なくなった場合に、保険料に応じた補償限度額までの結婚式中止費用の補償を受けられます。
保険料は保険会社によって異なりますが、ゼクシィ保険ショップ「結婚式総合保険」の例では、補償限度額850万円で保険料5.6万円、500万円で3.6万円、150万円で1.6万円となっています(原因が新型コロナウイルスの場合は補償限度額が下がります)。
ブライダル保険(結婚式総合保険)は、キャンセル補償だけでなく、挙式当日の補償(式場の設備や備品を破損した、貸衣装を破損したなど)にも対応しています。
何事もなく当日を迎えられるのが一番ですが、結婚式費用が高額になる場合は、ブライダル保険に入っていると万が一の事態が起きたときに安心です。
6. 通勤通学トラブル保険
通勤通学トラブル保険とは、通勤通学中の暴力被害、ひったくり、痴漢被害・えん罪など、予期せぬトラブルに見舞われたときに、弁護士に連絡が取れ、場合によっては、弁護士が現場に駆け付けるサービスが付加されている保険です。事件発生直後の対応がその後を大きく左右することがあるため、弁護士にすぐに助けを求められることは安心につながります。
ジャパン少額短期保険「セゾンの通勤通学トラブル保険」では、弁護士費用や法律相談費用を保険金として受け取れます。保険期間は1年間となり、保険料は、月額450円、年額では4850円とリーズナブルです。
契約の年齢制限はないので、子どもの通学時の"お守り"としても利用できます。
7. 自動車部品保険
愛車を長く乗り継ぎたいと思った場合、自動車保険の車両保険に入っているから大丈夫と思いがちです。しかし車両保険は事故による損害を補償するものなので、事故以外の故障では補償されません。
昨今の車はパワーウィンドウやエアコンなど電装品が多く搭載されており、長く使えば使うほど故障のリスクも高くなっていきます。こうした通常の使用で起こる故障を補償してくれるのが「自動車部品保険」です。
トライアングル少額短期保険の「パーツケア」は、保険期間内であれば修理回数にかかわらず、年間最高200万円まで補償されます。保険料は、補償範囲によるプラン、自動車の排気量、年式、走行距離によって異なります。
車は長く乗っていればどうしても故障が多くなります。故障による修理費用が心配であれば、自動車部品保険を検討してみるといいでしょう。
8. レスキュー費用保険
レスキュー費用保険とは、国内での野外活動中に遭難した際、捜索や救助にかかった費用を補償してくれる保険です。滑落などの事故にあった場合だけでなく、道に迷った、持病が悪化した、不注意で遭難したなど、遭難した理由は問われません。また、登山だけでなく、スキーや渓流釣りなど、海での活動を除いた野外活動中の遭難が補償されます。
ABC少額短期保険株式会社の給付実績(2009年7月~2023年7月)をみると、救助隊の人件費で平均17万8857円、ヘリコプター運航費用で平均72万3174円、その他対物費用で平均9万399円の費用がかかっています。
保険料は、保険期間1年で4000円(ABC少額短期保険「レスキュー費用保険」の場合)となっています。野外活動をする機会が多い人は、レスキュー費用保険に入っていると安心です。
8つの保険まとめ