東京下町を代表する観光地「浅草」。そんな江戸情緒と下町文化が色濃く漂う街に、今年7月にオープンしたホテルが「OMO3浅草(おも) by 星野リゾート」(以下、OMO3浅草)。実はここ"粋な浅草"を存分に味わえるちょっと変わったホテルなんだとか。そのウワサを聞きつけ、実際にホテルに泊まってきたので、その様子を紹介していこう。
■「粋だねぇ、浅草上手」がコンセプト
「OMO3浅草」のコンセプトは「粋だねぇ、浅草上手」。同ホテルでは、浅草を歩きつくしたスタッフが、上手に街を満喫できるような体験を提案してくれる。
場所は「浅草駅」から徒歩約4分、「浅草寺」から徒歩約1分、観音裏の「奥浅草」という便利な場所に位置するのだが、訪れてみるとホテル周辺は思ったよりも落ち着いた雰囲気。
早速、1階にあるロビーへ足を踏み入れると、"職人のまち"浅草をイメージしたインテリアや家具が訪れるゲストをお出迎え。
その後、ロビーを抜け、まず向かったのは13階の「OMOベース」。ここはなんと、西側から浅草寺、東側から東京スカイツリーと、東京のシンボルともいえる名所を望める。筆者も東京スカイツリーが見える下町に暮らしているのだが、普段見ている景色とは異なる迫力に、つい「おぉ~」と感嘆の声が漏れるほどだった。
景色だけでなく「OMOベース」には、キャッシュレスで24時間手軽に食事が購入できる「OMO Food & Drink Station」がある。常時80種類以上の商品がずらりと並ぶのだが、一部は浅草近辺にあるお店のフードやドリンクが用意されている。
お店の営業時間外でも地元の味が堪能できるのは、旅人にとって嬉しいポイント。ちなみに食事はOMOベースでもできるが、フードなどを持ち帰って部屋でゆっくり味わうこともできるので、シチュエーションにあわせてセレクトしてほしい。
■下町風情漂う客室
滞在ニーズにあわせて選べる客室は、全8タイプ98室が用意されている。その中でも特徴的な部屋を紹介していこう。
浅草の娯楽のシンボル「寄席」から着想を得たコンセプトルーム「寄席(よせ)ツインルーム」は、ベッドボードや赤い絨毯(じゅうたん)、高座のような紫の座布団をしつらえている。街の特徴が色濃く反映された情緒あふれる部屋に、ワクワクする人も少なくないはず。
続いての「デラックスツインルーム」は、33.4平方メートルとゆったりと過ごせるバスタブ付きの客室だ。室内の窓からは浅草寺の境内が眺められる贅沢な空間に仕立てられている。
また全客室、靴を脱ぐので自宅のようにくつろげるのが魅力。街を散策して疲れたあとも、部屋でリラックスした時間を過ごせるだろう。
■浅草グルメを学ぶ!
粋な浅草は、ここからが本番! 部屋に荷物を置いて、最初に向かった先は「OMOベース」。あれ? さっき行ったからもういいでしょ、と思ったそこのあなた。違うのだ。
街歩きの面白さを知るなら、毎日16時と16時半から開催される「江戸屋台ミーティング」(無料)に参加してみてほしい。
ここで聞けるのは、浅草グルメについて。現在でもおなじみのそば、天ぷら、うなぎ、すしについて、クイズや店舗紹介を交えながらOMOレンジャーならではの切り口で紹介をしてくれる。
OMOレンジャーによれば江戸時代、徳川家康の命により土地の開拓、城の建設などがはじまり、地方から男性を筆頭とした多くの人が江戸に集結。その結果、江戸には当時約100万人もの人が住んでおり、世界最大級の都市だったという。
そんな江戸にやってきた男性たち、実は自炊をあまりしなかったため、外食に頼りっきり。そのおかげ(?)で、江戸では外食文化が栄えていったのだとか。ちなみに、その江戸で初めてできた外食店の場所は、浅草だったというから面白い!
さらに、高級品「うなぎ」は、江戸時代"庶民の食べ物"として人気だったこと、現在親しまれているうなぎの甘口の濃いタレは、力仕事をする人々にあわせて生まれた"江戸の味"だったなど、興味深い内容でゲストを楽しませてくれる。