NTTドコモの新料金プラン「irumo」「eximo」が7月1日から提供開始された。これまでの「ギガホ」「ギガライト」と比べると、特にirumoの最も安い料金プランは1,000円を切る価格から利用できる点は、毎月の通信料金を見直したいと考えるユーザーには魅力的に見えているだろう。

しかしながら、安いプランに変更して本当にお得になるのか、自分の使い方に合ったプランなのかどうかはなかなか判断しづらい。そこで今回は、従来の「ギガホ」「ギガライト」を使っているユーザーが「irumo」「eximo」に変更すべきかどうかを解説していく。

  • ドコモの新料金プラン「irumo」「eximo」は、従来の「ギガホ」「ギガライト」ユーザーにとっても移行すべき内容なのだろうか?

    ドコモの新料金プラン「irumo」「eximo」は、従来の「ギガホ」「ギガライト」ユーザーにとっても移行すべき内容なのだろうか?

「irumo」「eximo」の仕様をおさらい

まずは「irumo」「eximo」がどんな料金プランかをおさらいしていこう。

irumoはNTTドコモの料金プランの中ではエコノミープランにカテゴライズされ、多数存在する同社のプランの中では低価格が売りの料金プランだ。

最安プランなら、月間に利用できるデータ量が0.5GB、通信速度も下り最大3Mbpsと低速ながら550円(税込)から利用できる。

もっとも、普通に使うのであれば0.5GBというデータ量は心許ない。その場合には3GB以上のプランを選ぶ必要があるのだが、それでも各種セット割引などを適用すれば3GBで880円と、これもかなり安い料金といえるだろう。

「irumo」料金表

利用可能データ量 0.5GB 3GB 6GB 9GB
月額料金 550円 2,167円 2,827円 3,377円
dカードお支払割 ▲187円
ドコモ光/home 5Gセット割 ▲1,100円
割引後最安月額料金 550円 880円 1,540円 2,090円
通信速度 最大3Mbps
(4G通信のみ)
端末・エリアによる
(5G/4G)
データ量超過後の速度 最大128kbps 最大300kbps

eximoはNTTドコモの料金プランの中ではプレミアプランにカテゴライズされる。月間データ通信量は無制限で、音楽ストリーミングサービスや動画配信サービスを外出先でも多く利用する人などヘビーユーザー向けの料金プランだ。

また、料金は段階制が採用されていて、1カ月に使うデータ量が1GB未満または3GB未満であれば低い料金に抑えることもできる。

日常的にヘビーに使わないユーザーであっても、旅行や出張など長期の外出が発生するときだけデータ量を心配したくないといったニーズにも応えられる料金プランといえるだろう。

「eximo」料金表

利用データ量 1GB未満 3GB未満 3GB~無制限
月額料金 4,565円 5,665円 7,315円
dカードお支払割 ▲187円
ドコモ光/home 5Gセット割 ▲1,100円
みんなドコモ割 最大▲1,100円
2回線:▲550円/3回線以上:▲1,100円
割引後最安月額料金 2,178円 3,278円 4,928円

上記を踏まえて、ここからは本題である「新料金プランに変更すべき人たち」について解説していこう。

「irumo」に変えた方が良い人

まずは安さが光る「irumo」に変更すべき人たちだ。これは「ギガライト」を使っている人たちが全員当てはまる。

ギガライトは利用したデータ量に応じ段階的に料金があがっていく仕組みになっていて、最も安いのは利用したデータ量が「1GB未満」の場合だ。このときの利用料は割引のない状態で3,465円、割引を適用しても2,178円となる。

  • 従来の「ギガライト」の料金

    従来の「ギガライト」の料金

irumoの利用料は割引のない状態で3GBでも2,167円、9GBでも3,377円なので、ギガライトで1GBも使わなかった月に支払う料金でデータ量を3倍以上に増やすことができる。

また、データ量を使わない理由が「家のWi-Fiに繋いで使うことが多いから」なのであれば、すでにドコモ光を使っているという人も多いだろう。

ドコモ光を利用していればirumoは1,100円の割引が適用されるため、3GBプランの利用料は毎月1,000円程度まで下がる。つまり、ギガライトで1GBも使わないユーザーは「半額でデータ量が3倍」にもなるし、ギガライトで3GB利用した場合の料金と比べても半額以下まで通信料を抑えられる。

  • irumoは安価なプランだが、ドコモ光セット割/home 5Gセット割やdカードお支払割もしっかり受けられる

    irumoは安価なプランだが、ドコモ光セット割/home 5Gセット割やdカードお支払割もしっかり受けられる

ただし、irumoにもデメリットはある。eximoやahamo、従来のプランと比べ、混雑時は通信制御が優先的に入り、通信速度が遅くなりやすい。メールやLINEなどテキスト中心のやりとりであれば気になることは少ないはずだが、繋がりづらさを感じやすくなる可能性があることだけは頭に入れておこう。

「eximo」に変えた方が良い人

続いて、プレミアプラン「eximo」に変更すべき人たちだ。

eximoの料金だが、実は「5Gギガホ プレミア」や「ギガホ プレミア」と変わらない。そのため、現在5Gギガホ プレミアなどを利用している人は特に何も気にせず変更してしまってもいいだろう。

このタイミングでしっかりと料金プランを見直すなら、あらためて「実際に1カ月あたりどのくらい通信しているか」を確認し、データ量によってはirumoやオンライン専用プランのahamoへの移行も視野に入れると良い。

10GBにも満たない通信量であればeximoよりもirumo、20GB未満であればahamoへ変更した方が毎月の通信料をグッと抑えることができる。毎月コンスタントに20GB以上利用していたり、月によって使うデータ量がまばらな場合はeximoが適している。

  • eximoの料金変動イメージ。従来のギガホ系プランと大きく変わらないと考えて良い

    eximoの料金変動イメージ。従来のギガホ系プランと大きく変わらないと考えて良い

料金見直しのカギは「irumo」

今回の新料金プランのうち、従来プランから大きく価格や内容が改められたのはirumoだ。

irumoはこれまでドコモの料金プランに欠けていた「あまり使わない人」にちょうどいい料金・データ容量のプランが充実している。ギガライトを使っていた人や、無制限プランまでは求めないけれどギガライトの上限7GBでは足りないと感じていた人でも、使い方に合ったデータ量・料金のプランを選びやすい。

まずは1カ月に使っているデータ量を確認し、そこからirumoの各プラン内で通信量をまかなうことができるかを確認しよう。それで足りないとなればahamoやeximoといった、よりヘビーな使い方に向いたプランを選ぶようにすれば自ずと自分に最適なプランを選ぶことができる。新料金プランをきっかけとしたスマホ代の見直しのカギは「irumo」にあるといえるだろう。