今回は、「食い気味」の意味や使い方・例文、「前のめり」との違い、類語・言い換え表現などを解説します。また、食い気味な人の心理も紹介。食い気味な人は「うざい」と思われがちなので、自分に当てはまらないかチェックしてくださいね。
「食い気味」の意味とは? 「前のめり」との違いって?
ここでは、「食い気味」の意味や「前のめり」との違いを解説します。
「食い気味」の意味
「食い気味」とは「相手が話し切っていないのに、話し始めること」「人が話している最中に自分の話を割り込ませること」といった意味で使用されます。
大袈裟な相槌・相手の質問に対する早すぎる返事も「食い気味」な印象を与える場合があります。
「食い気味」と「前のめり」の違い
「食い気味」の類語の一つとして、「前のめり」が挙げられます。
「前のめり」は本来「前に傾くこと」という意味で、そこから「前向き・積極的な様子」という意味でも使用されています。
興味のある話に対して、聞き入って相手の方へ姿勢が傾いてしまうことから、相手の話に興味を持って聞き入っている状態を「前のめり」と表現することが多いです。
「前のめり」には相手の話に被せたり、割り込んだりするニュアンスは含まれないため、「食い気味」よりもポジティブな意味ととらえてよいでしょう。
以下は、『広辞苑 第七版』による「前のめり」の意味です。
まえ‐のめり 【前のめり】 マヘ‥
[広辞苑 第七版]
前方に倒れるように傾くこと。
食い気味に話す人はどんな心理?
食い気味に話す人は、「うざったい」「話したがり」「会話を楽しめない」など、ネガティブな印象を抱かれやすいものです。
一体、なぜ食い気味になってしまうのでしょう。その心理について解説します。
相手の話にのめり込んでいる
相手の話が興味深いものであればあるほど、いつもより前のめりになってしまうことは自然の心理です。興味津々な様子で聞いてもらえると相手も話しやすくなり、場が盛り上がることもあります。
このような人は、矢継ぎ早に質問をしたり相手の話に被せてオーバーリアクションをしたりする傾向にあります。相手はペースを乱され、話しにくくなってしまうのです。
好きなジャンルの話題や共感できる内容などの場合は、自分も話をしたくてウズウズし、相手の話に割って入ってしまうことも珍しくありません。
話の結論が分かっているアピール
結論が見えた途端、「話を分かっているということをアピールしたい」という心理が働き、食い気味になる人もいます。
大抵の人は、結論が分かっても相手の話を最後まで聞くでしょう。しかし、食い気味な人は相手の話をすっかり理解した気になり、大袈裟な相槌を打ったり「それは〇〇だよね」と結論づけたりして、「自分はその話を分かっている」というアピールをしたいがために相手の話の骨を折ってしまうのです。
話の中心にいたい
常に人の輪の中心にいたいと思っている人も、食い気味な傾向があります。
注目されたい気持ちが強く、話の主導権を握っていないと落ち着きません。また、ほかの人が会話の中心となり注目を集めている場は、居心地の悪さや寂しさを感じてしまい、相手の話を遮ってでも話し始めてしまうのでしょう。
「食い気味」の正しい使い方・例文
ここでは、「食い美味」の使い方を例文で紹介します。
お父さんはいつも食い気味にしゃべってくるから、話す気をなくすんだよね
彼女は毎回食い気味に相槌を打ってくるんだけど、私の話はつまらないのかな
さっき食い気味にリアクションしてたけど、もしかしてイライラしてた?
「食い気味」の類語・言い換え表現
ここでは、「食い気味」の類語・言い換え表現を紹介します。
畳み掛ける
「畳み掛ける」とは「相手に隙を与えない勢いで攻める・ものごとを仕掛けるさま」のことです。「畳み掛けるように質問する」「畳み掛けるように話す」という表現もあります。
相手に「責められている」「怒られている」といったように受け取られるような話し方を表します。
被せ気味
「被せる」の意味は「上から覆う」「全体にかける」です。「被せ気味」な話し方とは、人の話に自分の話を被せるような話し方のことを指します。
相手の話が終わる前に自分の話をはじめるため、類語のなかではもっとも「食い気味」に似た言葉でしょう。
食いつく
興味を持たれているかどうかを言い表す言葉に、「食いつきがよい」「食いつきが悪い」があります。つまり「食いつく」とは「強い興味・関心を持つ」という意味です。
「興味・関心を持つ」と聞くとポジティブな印象ですが、「不満や文句をいう・難癖をつける」など悪い意味で使われる場合もあります。
相手から「食いつき」のよい返事や態度が見られたら、興味・関心を強く持っていることの表れといえるでしょう。
食い気味に話さず人の話をよく聞こう
相手の話に興味を示し積極的に会話へ参加することは、相手も自分も楽しい時間を過ごすために重要なことです。
また、話が面白いとついつい食い気味になってしまう場面もあるでしょう。ただ、人の話を遮ってまで自分の話をすることはおすすめできません。
その場にいる人すべてが楽しく過ごすために、人の話は最後まで聞いてから自分の話をするように心掛けましょう。