「全国高校野球選手権」で107年ぶりの優勝を果たした慶応高校野球部OBの日本テレビ・梅澤廉アナウンサーが、喜びのコメントを寄せた。
梅澤アナは、当時のチームメイトと甲子園球場で観戦。「両チームの選手の笑顔は心に焼き付くものでした」と興奮を振り返った。
■梅澤廉アナ コメント
慶應義塾高校野球部の皆様、本当におめでとうございます!1人の高校野球ファンとしてこの様な素敵な瞬間に立ち会えたことを誇りに思います。
普段練習をする日吉台球場のライトフェンスには「KEIO日本一」という横断幕が常に掲げられていますが、107年ぶりにその言葉を現実のものにしたこと、その過程と結果に心から最大限の拍手を送らせていただきたいです!
全国3486チームの内、最後に残った2チームが戦う決勝戦。選手の一挙手一投足にスタンドがざわめき、歓声が跳ね上がり、拍手の渦が巻き起こる独特なものでした。
1塁側は躍り迫るような仙台育英アルプス。3塁側はスクラムの様に肩を組む慶應アルプス。互いの応援ボルテージは初回から最高潮に達し、甲子園で5年売り子のアルバイトを続ける女性の方は「プロ野球を含めてこんなに声が通らないのは初めて。攻撃中は飲み物を売るのを諦めています(笑)」と、いつもよりゆっくりと前の男性の方にビールを注いでいました。
その中でこの夏、最も長く野球ができる両チームの選手の笑顔は心に焼き付くものでした。定期的に練習試合もする仙台育英と慶應。例えばベース上で言葉を交わす時、例えば打った打球が相手のベンチの方にいってしまった時、両チームともに目でコミュニケーションを取りながら笑顔で会話をしている様に見えました。印象的だったのは7回表の慶應の攻撃です。八木選手のセンター前に落ちそうな当たりを、橋本選手がファインプレーでアウトにした時。両チームのベンチだけでなく、打った八木選手も手を叩いて賛辞を送っていました。
仙台育英・須江監督も「切磋琢磨してきたチーム」と話していましたが、お互いがお互いのチームをリスペクトしている姿は、非常に素敵な光景で、高校野球ファンの私としてはこれだけでも涙腺に込み上げるものを抑えて観戦していました…。
私は先月23日、仙台育英の野球が見たく、宮城大会の決勝を見に行っています。色々な野球のパターンがあり、見ていてワクワクするからです。超がつくほど鉄壁な投手陣に加え、攻撃のバリエーションが非常に豊富な打線は、今日もいつ爆発するか最後まで本当に分かりませんでした。
優勝監督インタビューで慶應高・森林さんが「仙台育英さんのお陰で実力以上のものが出ました」と話したのは、選抜で敗れた仙台育英という素晴らしいチームを目標にできたからこそ、その目標のチームと甲子園の決勝で対戦できることに、選手の皆さんは喜びを感じていたのだと思います。
慶應義塾が掲げる「EnjoyBaseball」は、決して楽して勝とうということではありません。楽しんで勝とう。そして楽しむ為には日頃から苦しい事も突き詰めて、妥協なく試合に備えよう。そうしたら、プレーをしていても、それを見てくれる人も、野球を心の底から楽しめるよ。ということだと自覚しています。
第105回大会の甲子園で選手の皆さんが見せてくれたプレーは、間違いなく「野球って楽しい!面白いんだ!」多くの方にそう思ってもらえるものだったと確信しています。
1人の高校野球ファンとして、素晴らしい試合を見せていただいたことに心より感謝申し上げます。