ガーミンのGPSスマートウォッチ「Instinct(インスティンクト)」シリーズ新モデルとして、5月12日に発売されたソーラー充電機能付きの「Instinct 2X Dual Power」は、1.1インチの大型ディスプレイでありながら、67gと軽量なので手首にストレスを感じません。アウトドアにふさわしいモデルということで、北アルプス(飛騨山脈)の南端に位置する乗鞍岳への登山で試してみました。
パワフルバッテリー+ソーラー充電、電池切れの心配ナシ
最近ではバッテリーの持ちが良いスマートウォッチが多く登場しています。その中でも「Instinct 2X Dual Power」(以下、2X)は最強と言えるかもしれません。
スマートウォッチモードで最大40日間のロングバッテリーに加え、ソーラー充電で無制限で使えるので(屋外50,000ルクスの条件下で1日3時間充電した場合)、「2X」を使い始めてから充電しなきゃという意識がなくなりました。
登山やハイキングなどで、GPSで位置情報を取ったり、心拍数を記録している時でも、最大60時間のバッテリー持ちで、ソーラー充電を使えばさらに85時間を追加することができます(屋外50,000ルクスの条件下で使用した場合)。
モノクロディスプレイでバッテリー消費も少ないので、2泊3日や3泊4日の登山予定でも安心して利用できそうです。
「2X」ではGPSの位置情報がより正確に取得できるようになりました。GNSSマルチバンドテクノロジーで、2周波数帯を受信可能(L1信号・L5信号)。山間部や都心部のビルの谷間などでも、高い精度で位置情報が取得できます。
今回、乗鞍岳の登山に利用したのですが、専用アプリの「Garmin Connect」に往復の経路が細かく記録できていました。運動中のスピードや心拍数、トレーニング効果、高度、心拍数ゾーンの時間などのデータもしっかり取れました。
実は今回の登山ですが、天候が悪かったので、山頂目前の肩ノ小屋まで行って戻ってきました。ここまでの道は比較的平坦なハイキングコースなのですが、心拍数のデータから少しハードであったことがわかりました。これしきのコースでハードさを感じるとは、体力が落ちているのかもしれません。
もちろんウォッチ自体でも高度や気圧、コンパスなど、登山時に便利な機能が利用できます。モノクロ表示も慣れると見やすく、ディスプレイが常時表示されるので、普通の時計のような感覚で使いやすかったです。
山小屋での消灯後、LEDフラッシュライトが活躍
「2X」が前モデルよりもさらに進化したところが、LEDフラッシュライトの搭載です。ライトは白と赤の2色を切り替えでき、左上(CTRL)のキーを2回押すだけで点灯できます。手首の角度で調整できるので、暗い場所を照らすのに便利でした。
赤色ライトは眩しさを感じにくいそうで、山小屋などで周囲に睡眠中の人がいる時に活用。山小屋では消灯すると真っ暗になってしまうこともあり、枕元にヘッドライトを置いて寝るのがお約束です。夜中にトイレに行きたくなった時などに、ヘッドライトを探すことなく、手元ですぐにライトが付けられるのはとても便利でした。
睡眠スコアとBody Batteryの数値で日々の健康管理
アウトドアに最適な「2X」ですが、日常の健康管理にもしっかり活用できます。睡眠、歩数、心拍数、呼吸数、消費カロリー、ストレスレベルに加え、独自の指標のBody Batteryなど、多彩なセンサーで日々の身体の状態を確認できます。
中でも睡眠スコアとBody Batteryの数値に注目していました。睡眠スコアは睡眠の質を0~100までの数値で示したもの。毎日の記録にはアドバイスも記載されていて、参考にしていたら睡眠スコアが上がってきました。この睡眠の質なども影響するのがBody Batteryです。身体のエネルギー状態を数値化してくれ、身体の疲れを視覚化できます。
理想は起床時にBody Batteryが80以上。この数値は当初、50くらいだったのですが、意識して睡眠をしっかり取ることで、最近では70くらいに上がってきました。
なお「2X」は操作キーが5つと多めなので、それぞれのキー操作でどのようなことができるのか、最初に覚えておくことをおすすめします。
通常のスマートウォッチのタッチ操作に慣れていると、最初はキー操作が少しわずらわしく感じてしまうかもしれません。筆者がそうだったのですが、慣れるとむしろ使いやすく感じました。
「2X」ではSuicaやクレジットカードを登録して、ウォッチをかざすだけで手軽に決済することもできます。それに起床時には「おはよう!」というメッセージと共に、今日の天気や気温を教えてくれるのも便利でした。アウトドアだけでなく日常でも便利に使える「2X」を相棒にすることで、日々、アクティブな刺激が得られるかもしれません。