ゲオホールディングスは8月22日、関西大学の宮本勝浩名誉教授の協力の下、家庭の机の引き出しなどに保管されて使われず眠っている携帯電話(埋蔵携帯)の価値を試算した結果、 2022年度の分析では総額6兆5,241億3,285万円になったと発表した。
年度別の価値と台数は、2015年が1兆6,489億172万円(2億1,705万台)、2017年が1兆7,013億7,156万円(2億3,004万台)、2019年は2兆1,239億7,643万円(2億1,286万台)、2020年が2兆9,931億258万円(2億6,480万台)、2022年が6兆5,241億3,285万円(3億555万台)であった。
埋蔵携帯の総額が増加している要因について宮本勝浩名誉教授は、「一人当たりの埋蔵される携帯電話の台数が増加した」「高価格の携帯電話が次々に販売され、中古市場の携帯電話の価格が年々上昇している」「金、銀、銅、パラジウムなどの市場価格が年々上昇しているため、中古携帯電話の買取・販売価格も上昇している」「埋蔵される携帯電話の数が増加すると同時にガラケーの比率が減少し、価格の高いスマホの比率が増加している」と考察している。
埋蔵携帯は、非鉄金属であるレアメタルの利用源としての価値もあることから、国内経済におけるリサイクルの進展が期待されるという。
たとえば、埋蔵携帯の中に含まれている金は1台当たり0.0295gで、埋蔵携帯全体に含まれる金は約901万gとなる。オリンピックの金メダルは1個につき金が 6g必要であるため、150万2,288個の金メダルを製作できる計算になるという。
ゲオホールディングスはこうした試算結果から、埋蔵携帯を新たに市場に流通・循環させることは非常に重要だとし、Blanccoと共同開発した買取査定アプリ「スマホ査定アプリ」を2023年7月にリリースした。同アプリは、ユーザーが買取を希望するスマホにインストールして操作することで、スマホの買取金額がわかるものだ。リユーススマホの強化・拡大を目指すゲオでは、サービスの拡充による顧客利便性の向上によりさらなる買取数拡大をめざすとしている。