フォルティスの2023年新作を実機写真とともにご紹介する。今回はフォルティスの看板ともいえるコレクション、パイロットウオッチの「FLIEGER」(フリーガー)と、ダイバーズウオッチ「MARINEMASTER」(マリンマスター)に注目。各コレクションを代表するモデルと新鮮なカラーを組み合わせ、新たな価値を生み出した。
なお、記載した価格はすべて予価であり、世界情勢などの影響により変更される可能性がある。
FLIEGER「F-43 BICOMPAX」に新色
1987年、最初のモデルを発表したフォルティスのFLIEGER。プロフェッショナルユースを想定して開発された伝統的なパイロットウオッチだ。そして2020年、その要素を現代的なスタイルの中に再定義、新生FLIEGERとして生まれ変わった。今回、43mmのワイドなケースを持つクロノグラフモデル「F-43 BICOMPAX(バイコンパックス)」に、新色のダイヤルカラーが登場する。
新色はモノトーンの「ブラック」、グリーンとブルーの中間的なイメージの「ぺトロール」、クラシックな「リバティブルー」の3色。いずれも縦目のへアライン仕上げだ。それぞれ最大8mmを8段階で調整可能なSS(ステンレススチール)ブレスレット仕様のほか、各ダイヤル色に合わせたカウレザーストラップ(オリーブの葉でなめしたタンニンレザー)仕様のモデルもラインナップする。
ケース素材はリサイクルステンレススチール。フォルティスが考案したシンクロライン(0時位置のプラスマイナス5秒にまたがる線)と、ブリックストラック(ダイヤル外周の、スーパールミノバX1を塗布した立体インデックスを持つ円形トラック)を採用。操作性が高く傷が付きにくい24クリック付きのすり鉢状両方向回転ベゼルや、グローブを着用しても確実に押し込める大型ボタンなど、パイロットウオッチFLIEGERの(ガチな)実用性をしっかりと受け継いでいる。
ムーブメントはスイス製の自動巻きで、パワーリザーブは48時間。3時位置のインダイヤルは30分積算計、9時位置のインダイヤルはスモールセコンド。風防は両面無反射サファイアクリスタル、防水性能は20気圧。価格はブレスレット仕様が473,000円、レザーストラップ仕様が418,000円で、ともに2023年夏の発売予定。
FLIEGER「F-39」と「F-41」の「AUTOMATIC」にも新色
上で紹介したクロノグラフモデル「BICOMPAX」に加えて、「F-39」(39mm径ケース)と「F-41」(41mm径ケース)の3針モデル「AUTOMATIC」(オートマティック)にも、同様の新色「ブラック」「ぺトロール」「リバティブルー」(各色とも縦目のヘアライン仕上げ)が仲間入り。
ムーブメントはスイス製の自動巻き、パワーリザーブは38時間。風防は両面無反射サファイアクリスタル、防水性能は20気圧。
シンクロラインやブリックストラック、すり鉢状の回転ベゼル、リサイクルステンレススチール製ケースやストラップのラインナップなどは「BICOMPAX」と同じ。シリーズ共通の仕様となっている。
価格はケース径共通で、ブレスレット仕様が330,000円、レザーストラップ仕様が275,000円。ともに2023年夏の発売予定。
旅人のFLIEGER「F-43 TRIPLE GMT」
機能性と堅牢性、そして個性的なデザインが特長のFLIEGER「F-43 TRIPLE GMT」(フリーガー F-43 トリプルGMT)が登場。本作は世界中をフィールドに活躍するビジネスマンと旅行者を想定して開発されている。
サテン仕上げの43mmケースとブレスレットの素材は、軽量・堅牢なチタン。ダイヤルには24時間式のGMT表示、両方向回転ベゼルに12時間式の第三時間帯表示を備える。
ムーブメントはジュネーブを本拠地とする自動巻ムーブメント専門メーカー、ケニッシ社製。70時間のパワーリザーブを持つ、C.O.S.C.(Controle Offiiciel Suisse des Chronometres)認定クロノメーターということで精度も折り紙付き。長距離、長時間の移動も見据えている。
チタニウムカラーのダイヤルには、FLIEGERシリーズ共通のデザイン要素「シンクロライン」と「ブリックストラック」を採用。シンクロラインと秒針、GMT針のオレンジ色は蛍光仕上げ(ベルラック・フロアーオレンジ)。風防は両面無反射サファイアクリスタル、防水性能は20気圧。
ストラップは2種をラインナップ。オリーブの葉でなめしたタンニンレザー(カウレザー)仕様と、スライド機構を搭載して最大8mmを1mmずつ8段階で調整できるチタン製ブレスレット仕様が選べる。価格はレザーストラップ仕様が473,000円、チタンブレスレット仕様が605,000円で、ともに2023年夏の発売予定。
スイス空軍とフォルティスのパートナーシップの証し。FLIEGER「F-43 TRIPLE GMT PC-7 TEAM RDITION」
FLIEGER「F-43 TRIPLE GMT」に、スイス空軍アクロバット飛行部隊「PC-7チーム」との新たなコラボレーションモデルが登場。本作は、1998年にPC-7チームとフォルティスが初めてコラボレーションした「FLIEGER PROFESSIONAL」以来、2014年のチーム創立25周年モデル、2019年の同じく30周年モデルに続く4作目のコラボモデルとなる。双方のコラボレーション25周年を記念したものだ。
上で紹介したFLIEGER「F-43 TRIPLE GMT」をベースとして、実際のパイロットから協力を得て開発。たとえばDLC(Diamonds Like Carbon)処理のチタン製ケースは、硬度4,500HV(ビッカース)を実現。通常のチタンと比べて25倍という超高硬度を誇る。また、シースルーバックのスモークサファイアガラスには、PC-7チームのロゴマークが印刷されている。
回転ベゼルの12時位置に飛行機、4時位置にはカクテルグラスを刻印。このカクテルグラスは次のフライト前に最後の一杯を飲むという伝統を象徴しており、酔い覚ましに必要な時間を把握するための「ウィットに富んだ実用的機能」なのだとか。
つまり、ベゼルを回して飛行機マークを次のフライト時刻に合わせておけば、最後の一杯にする(飲むのをやめる)べき時刻がわかるというわけ。もっとも……、アルコール分解能力には個人差があるし、飲酒量やアルコール度数にも影響されるから、そのまま信用するのもどうかと思うけどね……。などと時計を見せつつ、お洒落なバーで女性相手にウンチクを語るなら、なるほど確かに実用的な機能かも。
ストラップは、PC-7チームのパイロットが着用するオーバーオールと同じスタイルで作られたタクティカル・グリーンのハイブリッドストラップ。時計に付け替えて使えるPC-7チームのフックストラップも付属する。価格は693,000円。世界限定100本で発売中。
「This is not a diving watch.」のMARINE MASTERに新色登場
フォルティスは、1940年から続くMARINE MASTERを2021年に刷新。以来「ダイバーズウオッチにとどまらないアウトドアツール」と位置付けた。新生MARINE MASTERには40mmのケースで30気圧防水の「M-40」と44mmのケースに50気圧防水の「M-44」の2つのラインがあるが、ここでは後者「M-44」の新色を紹介する。
今回追加されるのは「ブラック・レジン」「ウッドペッカー・グリーン」「オーシャンブルー」の3色。カラー部分はベゼル内側のインナーリングとラバーストラップ(ラバーストラップ仕様のみ)。ダイヤルはすべてブラックとなっている。中でも「ウッドペッカー・グリーン」と「オーシャンブルー」は、今までにない個性的なカラーだ。
「MARINEMASTER M-44」のケースはリサイクルステンレススチール製。確実な操作性と耐久性の高さをビジュアルで物語るローレット加工のベゼルとりゅうず、10時位置のロックネジなど、実用性も高い。
FORTISロゴの「O」をかたどったエンボス加工のダイヤルも特徴のひとつ。これはラバーストラップと共通の意匠となっている。
ムーブメントは自動巻き。70時間のパワーリザーブを持つケニッシ社製のC.O.S.C.認定クロノメーターだ。風防は両面無反射サファイアクリスタルで50気圧防水。
ラバーストラップ仕様のほか、最大8mmを1mmずつ8段階で調整可能なスライディングクラスプを備えたSSブレスレット仕様も選べる。価格はラバーストラップ仕様が550,000円、SSブレスレット仕様が605,000円で、2023年夏の発売予定。