ソースネクストは8月22日、録音した音声を自動でテキスト化するAIボイスレコーダー「AutoMemo(オートメモ)」のエントリーモデルとなる「AutoMemo R」を発表しました。発売日は9月5日。
本体価格は13,800円と、上位モデルとなる既存の「AutoMemo S」(19,800円)より6,000円ほど低い価格設定です。発表会から実機のようすや、開発途中の「ChatGPTによる要約機能」などについてレポートします。
AutoMemoシリーズは、録音した音声ファイルを文字で確認できるAIボイスレコーダー。2020年12月の初代モデル発売以来、2023年8月末時点で登録累計アカウント数が90,000を超えたといいます。
2023年3月からは、より高精度の文字起こしを目指すべく音声認識エンジンの一部にOpenAI社の「Whisper」を採用。現在は専用デバイスAutoMemo Sに加え、スマートフォン用アプリ「AutoMemo App」とWebアプリ「AutoMemo Home」を提供しています。
AutoMemo R、上位機AutoMemo Sとの機能差は?
今回発表したAutoMemo Rは音声の「録音」に特化し、価格をおさえつつシンプルな操作性を実現したエントリーモデル。録音した音声は自動でクラウドにアップロードされたのち、AIにより文字起こしされます。クラウド上の音声データの文字起こし結果は、AutoMemo R本体から見られず、AutoMemo Appか、AutoMemo Homeからのみ確認可能です。
中でもAutoMemo Homeでは、文字起こしした結果の編集・共有(文字起こしデータのテキスト編集・データ共有できる共有URLの発行・音声とテキストデータの自動連携など)ができるため、議事録の作成などにはセットでの使用を想定しているといいます。
本体はサイズがW104×D48×H15mm、重さ約68gと一般的な名刺入れよりも小さく、シャツの胸ポケットにも十分おさまるコンパクトさが特徴です。AutoMemo Sより横幅が短くなり、縦の長さが増えました。
本体側面には、電源ボタンと録音ボタンを装備。録音ボタンを上にスライドすると、電源がオフの状態でもすぐに録音を開始できます。物理ボタンを使った、シンプルでわかりやすいデザインに仕上がっており、直感的に使える点が好印象でした。
AutoMemo Rの上部には2インチのディスプレイを搭載。AutoMemo Sはタッチパネルに対応するほか、テキスト化された文章から聞きたい箇所を選んで録音データを聞き返す、キーワード検索する、といった操作が本体からできますが、AutoMemo Rはこのような機能を省いています。
本体上端にはマイク、下端にはイヤホン・マイク端子、充電端子のUSB Type-Cを備えます。電源は容量1,400mAhの内蔵バッテリーで、録音待機時の電池持続時間は約360時間と、多機能なAutoMemo Sよりも大幅に延長しています(AutoMemo Sは約120時間)。
文字起こしに対応する言語数は日本語、英語、中国語などを含む計72言語。翻訳機能はなく、一度の録音でテキスト化できるのは1言語のみです。録音したデータはWi-Fiでクラウドにアップロードされるので、容量を心配する必要はありません。
音声認識エンジンは、音声認識精度が約92%(ソースネクスト調べ)と高いAutoMemo Sと同じものを採用。加えてマイクは、AutoMemo Sよりも遠くの音を拾いやすいシリコンマイクを用いました。担当者によると、「AutoMemo Sと比較してみると、ほとんど同じ精度で文字起こしします」とのこと。
ソースネクストでは、AutoMemoシリーズのために料金プランを用意。毎月1時間までの録音データをテキスト化できる「お試しプラン」は無料、毎月30時間までの録音データをテキスト化できる「月額プラン・年額プラン」は月額980円・年額12,800円となっています(翌月への繰り越しはできない)。また、1回のチャージで100時間の録音データをテキスト化できる「100時間チャージ」も1回14,000円で提供しています(余った時間は翌月に繰り越し可能)。
AutoMemo Rの発表を記念し、ソースネクストは、期間内に文字起こし料金プランの年額プランを登録後、応募フォームから応募したユーザー全員に年額プラン料金の50%をキャッシュバックするキャンペーンも開催しています。キャンペーン概要は以下の通り。
年額プラン50%キャッシュバックキャンペーン
- 申込期間:2023年8月22日~2023年9月30日
- 応募期間:2023年8月22日~2023年10月7日
- キャッシュバック時期:2023年10月末まで
開発中の「要約機能」をチョイ見せ!
発表会の後半では、開発途中の「ChatGPTを用いた要約機能」についても一部紹介されました。文字起こししたデータを元に、ChatGPTが自動編集を行いまとめなおす機能です。
現在、通常の要約に加え、話者ごとの要約、今後のタスクを整理する「to do要約」などを開発しており、2023年中にAutoMemoシリーズで提供予定だといいます。