ラーメン二郎・二郎系ラーメン屋に行ってみたいと思いつつ、頼み方が難しそうで躊躇していているという方は少なくないでしょう。

そこで本記事では、ラーメン二郎・二郎系ラーメンの注文方法や流れ、基本メニュー・独自ルールなどを元二郎系店員で現役ジロリアンの筆者が詳しく解説します。また、注意点やおすすめ店舗なども紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

ラーメン二郎・二郎系ラーメンの基礎用語

  • ラーメン二郎・二郎系ラーメンの基礎用語

    全マシマシだと1つの丼に乗り切らずヤサイが別丼で提供される店舗もあります

まずは、ラーメン二郎・二郎系ラーメンの頼み方を習得する上で把握しておきたい基礎用語を一覧で紹介します。

【注文時(券売機)】

用語 概要
通常ラーメン屋でいう1.5~2倍(大盛~特盛)
フードファイターが頼むレベル
ミニ・プチ 通常のラーメンと同等

【コール時(提供直前)】

用語 概要
「(注文メニュー名)のお客様、ニンニク入れますか?」 コールを客に問う店員のフレーズ
コール 客が二郎系特有の無料トッピングを説明すること
ニンニク 生ニンニク
ヤサイ もやしと、少量のキャベツ
アブラ 豚の背脂。醤油の味付けとそうでないものがある
カラメ ラーメンダレ。味が薄い場合は食事中に追加できる店もある
マシ 無料トッピングを増やすコール。トッピング名の後ろに付けても付けなくてもよい
マシマシ 無料トッピングを増やすコール。フードファイターが頼むレベル
少なめ(スコシ) 無料トッピングを通常時の半分以下にするコール

二郎系初心者の方によくある失敗は、いきなり「大」や「マシ」を頼むこと。「大」は麺量で言うと400g、肉の量で言うと500gです。例えば、牛丼の特盛で満腹になる程度の方であれば、おすすめできません。 

次に、コールにかかわる量の目安を経験則から以下にまとめました。

少なめ 普通・標準 マシ(1) マシマシ
ニンニク 大さじ 大さじ 大さじ 軽くひとつかみ
スプーン半分 スプーン1杯 スプーン1.5杯
ヤサイ もやしの袋 もやし もやし1袋 もやし2袋
半分 半袋以上
アブラ 大さじ 大さじ 大さじ 大さじ
スプーン1杯 スプーン1杯 スプーン1.5杯 スプーン4杯
カラメ 通常のラーメン 塩分 塩分 塩分
    濃い 結構濃い かなり濃い

「ヤサイ」と「ヤサイマシ」はざっくりいうと同じ意味です。店員によって多少増えることはあります。厳密な量は店舗によって異なるので、二郎系初心者の方は目安として参考にしてください。

ラーメン二郎・二郎系ラーメンの基本メニュー

  • ラーメン二郎・二郎系ラーメンの基本メニュー

    小ラーメンのニンニクヌキ、ヤサイマシです

二郎系ラーメン屋の基本メニューは以下の通りです。

■ラーメン小・大
■豚ラーメン小・大
■各種トッピング
■店舗・時期限定ラーメン

特に二郎初心者の方で、大・豚Wを頼むのはタブー視されているので、ご注意ください。

次にレベル別のおすすめを紹介します。

小ラーメン(初心者向け)

小ラーメンは麺量が200〜300gと、通常のラーメンで言うと大盛〜特盛のラーメンです。参考として、一風堂のラーメンに入っている麺量は1玉80g程度なので、実質3玉~4玉分に値します。

小でもかなりのボリュームではありますが、最近の二郎系ラーメン屋では女性や小食の方向けにミニ・プチラーメンを置いている店舗もあるので、自信のない方はこちらからチャレンジしてみるといいかもしれません。

小豚ラーメン(中級者向け)

大ぶりの豚肉チャーシューが追加で2枚程度入っている小ラーメン。

小豚ラーメンを中級者向けにした理由は、大食いに自信がある方でもチャーシューの脂身でギブアップする方が多くいるためです。

「豚」を注文しなくても通常のラーメンに入っているチャーシューの3倍以上はあるので、何度か経験してから挑戦しましょう。

上級者向けメニュー

二郎系ラーメンの食べ方は多岐にわたり、慣れてくると有料トッピングで独自の嗜み方を覚えたり、店舗・季節限定メニューを食べに遠征したりして楽しめます。

各種トッピングの場合、二郎系初心者の方でも真似しやすいものもあるので、一例を以下で紹介しましょう。

・汁なしラーメンにチーズを2枚トッピング
・麺に生卵を浸してすき焼き風つけ麺
・店舗限定のルイボスティーでさっぱり
・不定期開催の塩ラーメン

ラーメン二郎・二郎系ラーメンの注文方法

  • ラーメン二郎・二郎系ラーメンの注文方法

    いざ食券を購入するとなると券売機の情報量に驚く方も多いはず

いよいよ、ラーメン二郎・二郎系ラーメンの頼み方・手順を紹介しましょう。食事中・食後にもルールがあるので、こちらもあわせて紹介します。二郎系ラーメン屋の多くでは、ラーメンや他者へのリスペクトが強いため、マナーが悪いと店舗側・客同士のトラブルにもなりかねません。必要な情報を頭に入れておいてから来店しましょう。

並び

人気店舗での行列待ちは日常茶飯事です。これはラーメン二郎・二郎系ラーメン屋に限ったことではありませんが、並びで「1人が場所取りして割り込み」をしてしまうと、店舗の客層によってはひどく嫌われます。

そのため、全員揃ってから並ぶか、あらかじめ他の並んでいる人全員に一言確認しておきましょう。並びの最中、あるいは来店前にメニューを決めておくと、以後の流れをスムーズに進められるのでおすすめです。

食券購入時

食券を購入するタイミングは店舗によって異なりますが、基本は並びの最中か、並びがない場合は食前に券売機で購入します。

また、混雑を避けるため、「1人ずつ店内に入って券売機で購入する」というルールが設けられていることが多くあります。

なお、両替の依頼や券売機前でメニューを悩むことは、他の並んでいる人や店員に迷惑がかかるため、混雑時には避けるのが無難。なるべく事前準備を欠かさないようにしましょう。

着席時

並びが終わり着席する際には、以下を行いましょう。

・食券を店員に見えるような場所(カウンター上・テーブル通路側)に置く
・おしぼり、お箸、レンゲ、コップ(お水)を入れる

食器類は基本的にセルフ。狭い通路の場合、何往復もしないよう「代表者が取る」「食券購入時に位置を把握する」などの工夫を行うことをおすすします。

提供直前のコール(無料トッピング)

二郎系最大の特徴である「コール」は、店員に伝わるよう大きな声ではっきりと話しましょう。

会話例を以下で紹介します。

店員「右から二番目の小ラーメンご注文の方、ニンニクは入れますか? 」
客「ニンニクあり。ヤサイ・アブラでお願いします」
店員「はいよ! 」

またトッピングによって量を変えたい場合には、必ず「トッピング名」+「量」で一つひとつ言いましょう。

・悪い例:「ヤサイアブラマシマシ」(ヤサイとアブラ両方にマシマシがかかっているかが分かりづらい)

・良い例:「ヤサイマシマシアブラマシマシ」「ヤサイマシアブラマシマシ」

ラーメン二郎・二郎系ラーメンの食事中・食後の注意点

  • ラーメン二郎・二郎系ラーメンの食事中・食後の注意点

    ジロリアンの方はセルフで取る食器の置き方が独特です

以下に、食事中・食後に注意する点をまとめました。嫌な思いをしないためにも覚えておきましょう。

食事中の注意点

食事中に最低限守るべきことは以下の2点。

・黙々と食べる
・写真撮影の時間はほどほどにする

理由は、前述したロット(提供順の流れ)が乱れることを防ぐためです。必要以上に構えなくても良いですが、食べ終わったら連れの方を待たずに退店することも選択肢として持っておきましょう。

注文時は、だいたい10分前後で食べられるような量で選ぶのがおすすめです。また、早食いに慣れてくると、早すぎて逆にロットが乱れてしまう「逆ロット崩し」という奇跡が起こることもあります。

食後の注意点

ラーメンでお腹いっぱいになると忘れやすいですが、食後の注意点についても紹介します。

・テーブルを拭く
・丼をテーブル上にあげる
・おしぼりをかごに入れて退店する

特に、おしぼりに関しては忘れやすく、二郎系初心者の方は店員によく注意される項目なので気をつけましょう。加えて、退店時には「ごちそうさまでした!」と元気良く言うと、店舗内の雰囲気も良くなるので、余裕があればぜひ言ってみてください。

ラーメン二郎・二郎系ラーメンの独自ルールやポイント

  • ラーメン二郎・二郎系ラーメンの独自ルールやポイント

    二郎系のラーメン屋では「お残し厳禁」の張り紙があることも少なくありません

ここからは、二郎系初心者の方が押さえておきたいルール・ポイントを説明します。慣れないうちは、二郎系の経験者と一緒に食べに行くと細かい部分までフォローしてくれるのでおすすめです。

店舗によって食券購入・コールのタイミングが異なる

店舗によっては並びの最中でも「並んですぐ」「前の人が購入してから」「店員の指示があってから」というように、食券購入のタイミングが異なります。

またほとんどの場合は着席してラーメンができてからコールを言いますが、店舗によっては着席直後にコールを求められることもあります。

特に、食券の紙をそのままオーダー用紙にするような二郎系ラーメン屋では着席直後でのコールが求められるので、来店前にインターネットで調べておきましょう。

持ち込みがOK

店舗にもよりますが、ほとんどの場合「持ち込みトッピング」「ドリンクの持ち込み」が許容されています。

上級者の中にはマヨネーズや一味などの薬味だけでなく、白米を持参する猛者も。二郎系初心者におすすめな持ち込みアイテムは、店舗付近にある自販機のお茶です。特にアサヒ飲料の「食事の脂にこの一杯」は、二郎系店舗付近だと陳列されていることが比較的多くあります。

お残しは厳禁

頼む際は、食べ残さない量で注文しましょう。「映え」を意識して食べきれない量を注文することは厳禁です。残すと怒られることもあります。

ちなみに、筆者が初めて二郎系ラーメン屋に行った際は、別の方が注文した「全マシマシ」に面食らい「ヤサイヌキ」のコールをしました。同じように、他の人が注文したものを見ておくといいかもしれません。

初心者のマシマシは止めておく

二郎系初心者の方がマシマシのコールをするのはおすすめできません。前述したように、「マシマシ」はフードファイターレベルです。そもそもコールで「ヤサイマシ」「ヤサイマシマシ」と言わなくても、もやし半袋分程で、相当な量が入っています。

初回は特に、コールの際「ニンニク入れますか?」と聞かれたら、「はい!普通で!(そのままで)」とするのがおすすめです。

女性・小食の方は麺少なめにしておく

女性の方や小食の方は、注文時には「麺少なめ」で、コール時には「〇〇(アブラ・カラメなど)ヌキ」がおすすめです。

ミニラーメンが券売機にあれば購入できますし、仮にミニラーメンが券売機になくても店員に事前に申し出れば、少なめに作ってもらえるでしょう。

二郎系ラーメン屋を利用する客層の大半が沢山食べる若い男性なので基本でも量が多くなっていますが、多様な客層に利用してもらいたいという思いから小食の方にも門戸を開いているので、それを活用しましょう。

おすすめのラーメン二郎・二郎系ラーメン店を紹介

  • おすすめのラーメン二郎・二郎系ラーメン店を紹介

    ラーメン二郎関内店の小ラーメン汁なしは比較的少ない麺量で食べやすい一杯です

ここからは、筆者が選ぶ首都圏でおすすめのラーメン二郎・二郎系の店舗を紹介します。

ラーメン二郎 三田本店

「聖地」とも言える三田本店のラーメン二郎。元祖店舗という名前に負けないベーシックな味わいは、ジロリアンのみならず、首都圏に住んでいる方全員に一度は訪問してもらいたいお店です。

創業者である山田総帥氏が現役の間に行くことをおすすめします。

ラーメン二郎 ひばりヶ丘駅前店

「ヤサイのタワー」といえば、通称「ヒバジ」と呼ばれる、ひばりヶ丘駅前店。直系の店舗の中でも、ぜひ一度は訪れておきたい超人気店です。

整理券で並ぶ場合もあるので、事前に公式Twitterをチェックしておきましょう。

ラーメン二郎 横浜関内店

「関内二郎」は小ラーメンの麺量が比較的少なめ(250g・通常のラーメンでいう大盛)で、二郎系初心者の方にもおすすめ。特に名物といえる「汁なし」は唯一無二の逸品です。

並びの際に麺量を聞かれるので、小食の方は「麺少なめ(150g・通常のラーメンと同じ程度の麺量)」と伝えましょう。

ラーメン二郎 八王子野猿街道店2

「野猿二郎」も人気店の一つで、つるつるな喉越しの麺が特長。女性の方限定で「プチ二郎」(200g・通常のラーメンでいう大盛)を券売機で注文し、「プチ少なめ」「ポッチ」と伝えると、通常のラーメンと同じ麺量(150g)で注文することができます。

また、店の回転スピード(ロット)が他の店舗に比べると速く、10分程度になることが多くあります。長蛇の列がすぐに無くなる反面、食事スピードはやや速めになる点に注意が必要です。

ラーメン富士丸 神谷本店

ラーメン富士丸 神谷本店は、旧ラーメン二郎 赤羽店が屋号を変更したお店です。二郎系インスパイアの原点とも言える店舗の一つで、味付き脂(ブタカスあぶら)と波打った麺が魅力。

注意点として、普通でも400gの麺量になり、「少な目」にしても200gと通常のラーメンでいう大盛にあたるので、メニューは慎重に選びましょう。

俺の生きる道 白山店 夢のラーメン

ラーメン富士丸 西新井大師店出身で、関西で有名なラーメン荘グループの創業者である店主が新たに展開する「Yume Wo Katare」の系列から独立、という独特の系譜があるお店。

筆者は独立前の「Yume Wo Katare Tokyo」がオープンした際に食べましたが、しっかりとルーツを感じられる一杯でした。お取り寄せラーメンも販売しているため、店舗に直接行けなくても楽しむことができます。

ラーメン二郎・二郎系の頼み方やルールを覚えて楽しもう!

  • ラーメン二郎・二郎系の頼み方やルールを覚えて楽しもう!

今回は、ラーメン二郎・二郎系ラーメンの注文方法やルール、注意点などについて詳しく解説しました。

紹介した通り二郎系ラーメンは相当ボリューミーですが、「朝からお腹を空かせて行こう」「今日は全マシに挑戦しよう」と独自の楽しみ方ができるのも二郎系の魅力といえます。

最初は慣れた方と行き、少なめを意識すれば問題ありませんし、店員さんへ事前に相談すれば優しく対応してくれることも多くあります。

今回紹介した内容を参考に、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。