テクニカル分析専門サイト『テクニカルブック』は、初心者が始めやすい投資商品を調査する目的で、現在投資を行っている303名を対象にアンケート調査を行った。対象は「現在、投資に取り組んでいる」と回答した20歳以上の男女、2023年7月13日から7月14日にインターネットにて行われた。本調査の結果に基づいて、投資経験者がおすすめする投資商品とおすすめしない投資商品、その理由などを整理していく。

  • 投資商品ランキング

主な調査結果は以下の4つである。

1つ目、これから投資を始める初心者に最もおすすめする金融商品について質問してみたところ、1位は「国内株式」の32.7%、2位は「投資信託」の31.0%、3位は「特になし」の19.5%となった。4位の「外国株式」は6.95%と、4位以下は大きく割合が減っている形であった。国内株式/投資信託の2つだけで63.7%と大部分を占める一方で、その他の金融商品は合計しても16.8%にとどまっている。

  • 投資初心者におすすめする金融商品

2つ目、最も多いおすすめ理由は、国内株式が「配当金/分配金などにより定期的に収入が得られから」、投資信託は「リスクを抑えた投資ができるから」であった。

  • おすすめする理由

上のグラフは、最もおすすめする金融商品で上位だった国内株式と投資信託、外国株式を中心に、おすすめする理由をまとめた表である。

国内株式をおすすめする理由の1位は、「配当金/分配金などにより定期的に収入が得られるから」で46.5%だった。全体(全金融商品の合計)で3位だった「配当金/分配金などにより定期的に収入が得られるから」が1位になっており、投資経験者は、配当金や株主優待であれば、知識や経験が少ない初心者も利益を出しやすいと考えている人が多いといえる。

投資信託をおすすめする理由では、1位が「リスクを抑えた投資ができるから」で73.4%という非常に高い割合で、2位の「長期的な資産形成に向いているから」も64.9%と高い割合になっている。このことからは、投資信託のリスク分散/長期投資との相性の良さがうかがえる。

なお外国株式で特徴的なのが、他の金融商品では回答した人が少なかった「大きな利益を得られる可能性があるから」が、52.4%で2位となっている点である。外国株式については、長期投資との相性が良いと同時に高い収益性も期待できると考えている投資経験者が多いのかもしれない。

3つ目、初心者におすすめしない投資経験者の割合が高い金融商品を質問したところ、1位は「特になし」で25.1%、2位は「FX」で22.4%、3位は「暗号資産」で20.5%となった。 4位の「先物/オプション」は9.2%と、3位との差が大きく開いている。

  • 初心者におすすめしない金融商品

初心者におすすめしない金融商品は特にないと考えている人が最も多いが、投資デビューにおいて「FX/暗号資産」は避けた方がいいと考える投資経験者も多いようである。

4つ目、最も多いおすすめしない理由として、FX/暗号資産ともに「リスクが高いから」という声が多かった。

  • おすすめしない理由

上のグラフは、最もおすすめしない金融商品で上位のFX(外国為替取引)と暗号資産(ビットコインなど)、先物/オプションについて、その理由をまとめた表である。

いずれの金融商品についても、1位は「リスクが高いから」、2位は「相場変動が激しいから」、3位が「情報収集が難しいから」という結果になっている。特に1位の「リスクが高いから」はFXが83.8%、暗号資産が79.0%、先物/オプションで75.0%と、いずれも非常に高い割合となっているのが特徴である。

これは全体でも同様の結果となっている。多くの投資経験者が、初心者は大きな損失が出るリスクの少ない金融商品で投資デビューした方がいいと考えているといえそうだ。

ちなみに、おすすめしない理由として「利益率が低いから」を選択した人は、全体で11.5%と低い割合(「その他」を除くと下から2番目)にとどまっている。このことからも、初心者は大きなリターンを狙うよりも、リスクを抑えることを重視すべきと考えている投資経験者が多いと推測できる。|