「あくまでも」には主に3つの意味があります。
本記事では「あくまでも」の詳しい意味や、それぞれの例文と使い方を紹介。漢字表記や由来、「あくまで」との違いに、言い換え、英語表現もまとめました。
「あくまでも」の意味3つや語源とは
「あくまでも」という言葉には、主に3つの意味があります。
最もよく使われる意味は「物事の範囲を限定する」です。
例えば「これはあくまでも私の意見です」という文章で使われる場合、「私」の属する組織や属性の意見ではなく、「一個人である私の意見」というように、限定した範囲を示します。
2つ目の意味としては、「どこまでも変わらず、徹底的にやり続ける様子」があります。
例えば「私は屈せずに、あくまでも戦うことにした」などの形で使用する場合、途中で諦めることなく、最後まで戦うことを選んだということを表しています。
また「あくまでも勉強を続けます」という文章では、「何があっても、最後まで勉強を続ける」という様子を表しているのです。
3つ目の意味としては、使用する機会は少ないですが「とどまることを知らず、どこまでも限りなく」です。
例えば「あくまでも青い海」などの形で使用する場合は、どこまでも限りなく青い海が広がっていることを意味しています。
「あくまでも」と「あくまで」の違い
「あくまでも」と「あくまで」は両方とも、前述した範囲の限定や、最後まで一定の状態を貫く様子などを表します。
しかし「あくまでも」は「あくまで」をより強調したもので、さらに強い意志を伝えることができます。
例えば、「これはあくまで私の意見です」と「これはあくまでも私の意見です」では、後者の方が「私の意見にすぎない、本当に正解とは限らない」といった意味を強調します。
「あくまでも」の漢字表記・語源
「あくまでも」は漢字では「飽く迄も」と表記します。
「飽きるまで」「長く続いて嫌になるまで~する」といった意味が元々の意味だとされています。
そこに助詞の「も」がついたことで、より程度の強さを表すようになりました。
「あくまでも」の正しい使い方・例文
「あくまでも」の使い方は「範囲を限定する」という意味として使う場合と、「徹底的に」という意味で使う場合とで、使用法が異なります。
日常的には「範囲を限定する」の意味として、自分の主張や物事が完全に正確とは言えないときに、クッション言葉として使われる機会が多いでしょう。
限定、仮定の意味での使用例
現代において「あくまでも」という言葉は「範囲を限定する」という意味合いで使われる場合が多く、以下のような例文が挙げられます。
- これは会社としてではなく、あくまでも一個人としての意見ですが…。
- この資料はあくまでも参考です。
- これはあくまでも目安です。
- あくまでも歴史上の話です。
特に、内容が変更される可能性が高い場合に使われます。
どこまでも、徹底的にという意味での使用例
「あくまでも」という言葉を「徹底的に」という意味で使う場合、以下のような例文が挙げられます。
- 約束はあくまでも守らなければならない。
- 私はあくまでも仕事を続けるつもりだ。
上記2つの例文は、いずれも「どこまでも徹底的に続ける様子」を表します。
1つ目の例文は「約束は最後まで徹底的に守らなければならない」という意味を表しています。また2つ目の例文は「何があったとしても、仕事をいつまでも続ける」という固い意志を伝えています。
「あくまでも」の類語・言い換え表現
この章では「あくまでも」の類語を例文と併せて紹介します。
とことん
「とことん」は徹底的にやりぬく様子を表す、ややくだけた雰囲気の表現です。
例文は以下の通りです。
- 自分のやりたいことをとことん突き詰めるべきだ。
- 彼には、物事をとことんまでやりぬく根気がない。
絶対に
「絶対」は、異なる可能性や対立するものがない状態や、何がどうあっても、決して、などの意味を持ちます。最後までやり通すという意味合いが、「あくまでも」と同じニュアンスです。
例文は以下の通りです
- 今日は絶対にとんかつ定食を食べる。
- 彼は、絶対に宝くじに当選すると確信している。
なにがなんでも
「なにがなんでも」は、物事に対する執着を表す表現です。
「たとえどのようなことがあっても」という未来を想定した上で、それでも必ずやり抜くというニュアンスを含みます。
例文は以下の通りです
- なにがなんでもこの大会で優勝する。
- 私はなにがなんでも仕事を続けるつもりだ。
どのような手段を使っても
「どのような手段を使っても」と「あくまでも」は、いずれも「必ず達成する」という強い意志を表すときに使われます。
ただし「どのような手段を使っても」という表現には、「それがたとえ悪い手段だったとしても」「リスクが大きい手段でも」などのように、ネガティブなニュアンスを含むことがあります。
求めている物事に対しての執着が、非常に強いことを表す表現でしょう。
例文は以下の通りです
- どのような手段を使っても目的を達成する。
- どのような手段を使っても手に入れたいものがある。
どこまでも
「どこまでも」は、果てしなく続いている様子を表し、徹底して、という意味の言葉です。
例文は以下の通りです
- あの人はどこまでも真面目な人だ。
- この道はどこまでも続いている。
徹頭徹尾
「徹頭徹尾(てっとうてつび)」は、物事の最初から最後までを表す言葉です。最初に決めたことを最後まで貫くニュアンスが「あくまでも」と共通しています。
例文は以下の通りです
- 彼は徹頭徹尾、君の味方だ。
- 目標を達成するまでは徹頭徹尾、気を抜かない。
「あくまでも」の英語表現
「あくまでも」を英語で表現したいときには、限定の意味や、継続の意味の単語に置き換えるといいでしょう。
限定の意味では、「just」や「only」を用いるのが一般的です。
継続の意味では、粘り強いという意味を表す「persistently」や、しつこくという意味を表す「insistently」などが使われます。
That is just a plan.
(それはあくまでも計画です)This is only a hint, not an answer.
(これはあくまでもヒントであって、答えではない)He persistently claimed that.
(彼はあくまでもそれを主張した)he didn't accept the offer insistently.
(彼はその申し出にはあくまでも応じなかった)
「あくまでも」という言葉の意味や使い方を覚えておこう
「あくまでも」は、日常的に使われる言葉です。しかし、正しい意味や適切な使い方を把握できていない人もいるでしょう。
「あくまでも」と言われたときは、「限定」の意味で使われているのか、「徹底的に」の意味で使われているのか、「とどまることを知らない」という意味で使われているのかを読み取ることが大切です。
正しい意味や使い方を覚えて、表現の幅を広げていきましょう。