今回は、「天真爛漫」を悪く言うとどんな言葉があるのか、言い換え表現を紹介します。天真爛漫だと言われた場合、大抵の場合は褒め言葉として使用されますが、悪い意味で使用されることもちらほらあるんだとか。
本来の意味や使い方も解説するので、最後までチェックしてくださいね。
「天真爛漫」とは? 意味と由来
ここでは、「天真爛漫」の意味と由来を解説します。
「天真爛漫」の意味
2つの言葉「天真」と「爛漫」が組み合わさった四字熟語が「天真爛漫」です。
「天真」の意味は、「無邪気・飾り気がなく素直・自然なまま」です。ちなみに「天」には「生まれつき」という意味があります。
「爛漫」は「光り輝くさま・花が咲き乱れているさま」という意味です。
つまり「天真爛漫」とは、「生まれつきの純真な心を持ち自分の感情に素直で明るいさま」「無邪気に自分らしく生き生きとしているさま」を表します。
以下、『広辞苑 第七版』より引用です。
てんしん‐らんまん 【天真爛漫】
[広辞苑 第七版]
偽り飾らず、心に思うままが言動にあらわれること。無邪気なさま。
「天真爛漫」の由来
中国の元の時代に、学者の陶宗儀によって書かれた随筆集「南村輟耕録(なんそんてっこうろく)」が由来といわれています。全30巻からなり、元の時代における法制、その他諸々のできごとについて記されています。
由来とされている部分は「嘗自写一幅。長丈余、高可五寸許。天真爛漫、超出物表」という文章です。第20巻「狷潔」に登場するこの文章の意味は、「(かつて描いた自身の絵について)天真爛漫で、良い出来栄えだった」です。
ここでの「天真爛漫」は「自分のありのままの心を表現した絵を描けた」と自画自賛する言葉として用いられたと考えられています。
「天真爛漫」は褒め言葉? 嫌味?
「天真爛漫」は「明るく素直で無邪気」というポジティブな意味合いであるため、褒め言葉です。
ただ、その人のネガティブな面を言いたい場面で、隠語的に使われてしまう場合もあります。その場合の「天真爛漫」は「子どもっぽい・デリカシーがない・わがまま」というニュアンスです。
「天真爛漫」を悪く言うと? 悪い意味での言い換え表現
悪い意味で使われる「天真爛漫」は、相手の短所を遠回しな表現でやんわりと述べる際に使われます。
悪い意味で言い換えたい場合は、以下の表現が悪い意味での「天真爛漫」のニュアンスに近いです。
無神経
デリカシーがない
自分勝手
モラルがない
「天真爛漫」の使い方・例文
「天真爛漫」は、基本的には人の長所を述べる際に使われる言葉です。ただ、たまに人の短所を遠回しに述べる際に使われることもあるようです。
使う場面や言い方によっては、褒めているつもりが嫌味に解釈されてしまう場合もあるため、使用する状況に注意しましょう。
「天真爛漫」を良い意味で使う場合
自分の気持ちに素直で裏表がなく、明るく無邪気な人柄であることを褒める場合に使われます。
彼の性格は天真爛漫で私たちも元気をもらえる
彼女は天真爛漫で可愛い
天真爛漫な人に惹かれる
「天真爛漫」を悪い意味で使う場合
「天真爛漫」は、場面によっては「子どもっぽい」「わがまま」「好き嫌いが激しい」というニュアンスで使われることもあります。
相手の短所をオブラートに包んで伝えたい場合に、一般的には褒め言葉として知られている「天真爛漫」を使うことが多いでしょう。
以下は、悪い意味で使う際の例文です。
〇〇さんは世間知らずだし、天真爛漫すぎるよね
彼は天真爛漫で盛り上げ上手だけれど、今回の商談には向いていない
また、使い方によっては、純粋に褒めているにもかかわらず「子どもっぽい」「配慮に欠ける」といった悪い意味で捉えられてしまう可能性もあります。
以下は、誤解を招く恐れのある例文です。
お義母さんは好き嫌いがハッキリしていてとても天真爛漫な方ですね
天真爛漫な先生だから、生徒から人気があるのですね
「天真爛漫」の類語・言い換え表現
「天真爛漫」の本来の意味合いはポジティブなものです。そのため、類語の多くも、基本的には良い意味として使われる言葉が挙げられます。
代表的なものとしては、以下のものがあります。
天衣無縫……作為的なところがなく、ありのままの美しさであるさま
無邪気………悪気や偽りがなく、あどけないこと
純真無垢……純粋で清らかで汚れや邪心がないこと
明朗闊達……明るく大らかな様子
「天真爛漫」を悪い意味で言う場合もある
褒め言葉として使われることの多い「天真爛漫」は、悪い意味も表現できます。
状況や言い方によっては、褒めているにも関わらず嫌味に聞こえてしまう場合があるため、相手や状況に応じて表現方法に気をつけましょう。