2023年9月14日発売予定の「ボンバーマン」シリーズ最新作『スーパーボンバーマン R 2』には、1人対最大15人の非対称バトル「キャッスル」モードが搭載されている。
「キャッスル」モードは、プレイヤーが防衛側(キャッスルサイド)と攻撃側(アタックサイド)に分かれて対戦するモードで、防衛側はステージに設置されている宝箱を最後まで守り抜くと勝利、攻撃側はカギを集めて宝箱をすべて開けると勝利だ。
今回、この「キャッスル」モードを先行プレイできるメディア対抗戦「みんなでボンッ!バトル!」が開催された。なにやら参加メディア同士で対戦するようだが、いったいどのような内容なのだろうか。イベントの様子をレポートする。
「キャッスル」モードは1人対多人数の非対称バトル!
「ボンバーマン」シリーズは、爆弾(ボム)を使って敵を倒していくアクションゲーム。ボムを設置すると、一定時間後に爆発し、爆風に触れた敵を倒せるほか、ソフトブロックと呼ばれる障害物を破壊することができる。ただし、爆発に巻き込まれると自分もやられてしまうので、ボムの扱いには注意が必要だ。
これまでのボンバーマンの対人戦は、バトルロイヤル形式の印象が強かったが、今作の新モード「キャッスル」は1人対多人数の非対称バトル。通常であれば、多人数のアタックサイドは協力し、キャッスルサイドの妨害を潜り抜け、ステージに設置された3つの宝箱の獲得を目指す。
だが、今回のメディア対抗戦「みんなでボンッ!バトル!」では、特殊なルールが採用されており、協力しようにもできないようになっていた。それは、「キャッスル」を全4試合行い、獲得した宝箱の数によってメディアに順位をつけるというルールだ。優勝チームには『スーパーボンバーマン R 2』のソフト10本、準優勝には5本、3位には3本と、豪華な賞品も用意されている。
先述の通り、チームバトルである以上、アタックサイドは連携してプレイするのがセオリーだろう。しかし、サポートに徹しているだけでは宝箱は手に入らない。そのため、今回のイベントに限り、味方同士の足の引っ張り合いや宝箱の奪い合いが発生することが予想される。
本番の試合の前に、まずは軽い練習タイム。ここでゲームの流れをつかんでおきたいところである。
CPUを相手に何度かアタックサイドでプレイして感じたのは、カギの位置と、宝箱までのルート把握が大事そうだということ。初めてプレイするステージでは特に、カギを探して右往左往していると大幅な時間のロスにつながる。そして、宝箱までのルート上にあるさまざまなギミックをどう突破するか分析しておくと、有利に試合を進められそうな気がした。
キャッスルサイドの動きも注目だ。キャッスルサイドプレイヤーは、ゲーム開始時に3種類のウェポンから1つ選んで装備可能であり、1人ながら、強力な必殺技を使ってくる。必殺技が当たると問答無用で倒されてしまうため、1対1の戦いでは絶対的にアタックサイドが不利になってしまう。相手の必殺技は把握しておきたい。
試合本番! ステージのギミックのいやらしさに悪戦苦闘
練習タイムが終わったら、いよいよ試合本番。参加メディア7人がアタックサイドで参戦し、キャッスルサイドはKONAMIさんの制作チームが操作する。
試合開始直後は、ソフトブロックを破壊して道を確保するのが定石だ。まずはボムを設置しよう……と思っていたら、どこからともなく襲い掛かってきた爆風で即ドカン。開始数秒で吹き飛ばされた。
通常、「ボンバーマン」シリーズのバトルでは、バラバラのスタート地点が設定されているが、「キャッスル」モードのアタックサイドは全員が同じ場所からスタートする。近くで同時多発的に発生する爆風を回避し続けるのは容易ではない。殺意がなくとも、7人が好き勝手爆弾を設置するのだから、生き残るだけでもひと苦労だ。チーム内で連携が取れなければ、甚大な被害が発生することは目に見えている。
いやいや、これは無理だよ。開幕直後こんな狭いところで爆弾爆発させたら、みんな吹き飛ぶよ……。でも、大丈夫。時間のロスになるものの、「キャッスル」モードでは、デスしても一定時間経過後に初期位置から復帰(リスポーン)する。
よし、それじゃあ気を取り直して、カギをゲット! ……したのもつかの間。今度はステージのギミックに翻弄され、なかなか前に進めない。そして、頭に血が上ってきたところで、爆風でドカンだ。
「キャッスル」のステージは実にいやらしい構造をしており、簡単に宝箱にはたどり着けないようになっていた。特に厄介なのが矢印マス。乗ると矢印方向に強制ジャンプさせられるギミックで、「ここを通りたい」と思う場所にピンポイントに設置されている。しかも、一度ギミックを起動させた直後に発生するクールタイム中でなければ通ることができない。
そして、強制ジャンプさせられた先にまた矢印マス。ぴょーんぴょんと、連続強制ジャンプの着地点に爆風ドカーン。思わず笑ってしまう“ピタゴラボンバーマン”が何度も起きていた。
それからは、カギを取っては吹き飛ばされ、カギを取っては吹き飛ばされを繰り返す。何度リスポーンしたかわからない。また、案の定というか、連携なんてものは一切なく、メディア陣は我先にとカギに群がっていた。
カギを手にしたアタックサイドのプレイヤーがデスすると、カギを失い、最初からやり直し。失われたカギは所定の場所に戻るので、誰かがやられたらカギの出現場所近くで待機するのも戦略の1つだろう。なお、カギは、前半は3つまでだが、後半になると5つまでステージ上に出現する。
そうして、ほぼ全員が「カギを取ってはデス」を繰り返しているなか、残り時間30秒近くのギリギリのタイミングでなんとかギミックを突破! 第1試合は運よく宝箱をゲットできた。
何度もリスポーンし、「もうダメだ」と思っていたにもかかわらず、1試合目は2番手で宝箱をゲット。どうやらアタックサイドが予想以上にステージギミックに翻弄されていたようだ。落ち着いて動けば勝機はあるかもしれない。
しかし、続く2試合目のステージでは、新たなギミック「ベルトコンベア」が立ちはだかる。また、アタックサイドプレイヤーも徐々に敵意を隠さないようになってきた。カギを取りに行こうとしても、ベルトコンベアの上流からボムが流れてくる。
キャッスルサイドもやられっぱなしではいられない。今回は宝箱を守ろうとちょっと本気を出したのか、そう思わずともアタックサイドが自爆していったのか、2つの宝箱は開封されたものの、最後の1つを空けられずにタイムアップを迎えた。
大会も佳境へ。宝箱の奪い合いも過熱する
第3試合のステージには再びベルトコンベアが登場。宝箱付近には、触れると勝手に運ばれるレールのギミックが設置されている。今回はこのギミックに翻弄されてしまった。ここを突破するには、レール上を移動するブロックに触れないように抜けるか、狙った方向に進んでいるときにブロックに乗る必要があるため、タイミングが悪いと“待ち”が発生する。その間にほかのアタックサイドプレイヤーに追いつかれることが何度もあった。さらに、キャッスルサイドが直線状に貫通するビームを駆使して宝箱の入手を阻む。
だが、キャッスルサイドがほかのアタックサイドを攻撃している間にこっそりレールを抜けることに成功。残りタイムが迫るなか、なんとか宝箱をつかみ取った。真っ向勝負に出るよりも、気配を消して隙を狙うほうがうまくいくのかもしれない。
これで2ポイント。2試合目はポイント獲得者がいなかったので、同じく2ポイントを獲得していた「黒ボン」のファミ通さんとともに暫定1位である。残すは最後の4試合目のみ。これで、優勝は筆者もしくはファミ通さんのどちらかに絞られたわけだ。
そして頂点をかけた第4試合が幕を開けた。今回はツルツルと滑る床が特徴の雪のステージだ。「思った以上にツルツル滑るなあ」なんて考えていたら、あっという間に2メディアが宝箱を獲得していた。残り1つをほかのメディアが奪い合う。
しかし、ツルツル床に苦戦して、思うように黄ボンが動いてくれない。「ほかのメディアに宝箱を取られてしまう」という焦りがさらなるミスを引き起こす。そうしているうちに、ほかのメディアが宝箱を獲得。アタックサイドが勝利したものの、今回は宝箱まで到達できず、ポイントをゲットできなかった。
4試合目は、ファミ通さんも宝箱をゲットできなかったようで、3メディアが2ポイントずつで同率1位に。「ピンクボン」の電撃オンラインさんが怒涛の追い上げを見せる。しかし、3メディアみんな優勝とはならないのが勝負の世界。賞品がかかっている以上、順位を決めなければならない。
上位3メディアで通常のボンバーマンバトルでもやるのかと思いきや、始まったのは全員での「キャッスル」5試合目。これまでの成績に関係なく、ここで宝箱を獲得した順に順位が決まるという内容だ。なんてこった。だが、こんなアクシデントもイベントならではだろう。
そうして、泣いても笑っても最後の1戦が始まった。もはや協力なんて誰もしない。正々堂々と邪魔し、足を引っ張り、カギを奪い合う。キャッスルサイドの動き以上に、アタックサイドにカギを取らせないようなムーブを心がける。
しかし、一瞬目を離したすきに、「緑ボン」のアキバ総研さんが宝箱に到達。この瞬間、優勝者が決まってしまった。が、これで終わりではない。全員の意識がアキバ総研さんの優勝に向いている瞬間を逃さなかった。素早くカギを手に入れ、スススっと宝箱まで距離を詰める。
極力ブロックを壊さずに進める道を探し、そのまま誰の妨害にもあわずに、無事ゴール! 優勝は逃したものの、2位の座を手に入れることに成功した。そして、3位は同率1位だったファミ通さんが獲得。アタックサイドが勝利を収めるとともに、これで波乱に満ちたメディア対抗戦「みんなでボンッ!バトル!」は終わりを告げた。
「キャッスル」を5戦プレイして感じたのは、ボンバーマンが苦手な人やプレイしたことがない人でも楽しめそうなモードだということ。アタックサイドはカギを持って宝箱に到達すればいいのでキルを取る必要がないし、キャッスルサイドは強力なウェポンを発動できる。実際、今回のイベントでは1度もキャッスルサイドを攻撃しないまま、宝箱のゲットに成功したし、むしろ、極力ボムを使わずにゴールするほうがうまくいくシーンもあるだろう。
あとは何といってもハチャメチャ感。アタックサイドのボンバーマンたちがあちこちでボムを設置してドカンドカン爆発するのを見ると、思わず笑ってしまう。当然自分もドカンドカン吹き飛ばされるのだが、不思議と怒りや悔しさといった感情はなかった。カオスな状況すら楽しいのだ。うっかり爆風に吹き飛ばされてもリスポーンするため、気軽に宝箱へアタックできる点も魅力に感じた。今回はルールがルールなだけに、味方同士での連携はできなかったが、アタックサイドが役割を決めて協力するのも楽しそうだ。
また、『スーパーボンバーマン R 2』には、「キャッスル」のステージを自分で作る機能も搭載されている。これまでと違う、新しい「ボンバーマン」の楽しみに出会えること間違いなしだ。
©Konami Digital Entertainment
画面は開発中のものです。