CanaryチャネルのWindows 11 Insider Previewを目にすると、Windows 11自身の改良は進んでいるが、Microsoftはアプリの新規開発や更新も注力している。先ごろ登場した「Microsoft Teams Play Together」は、Microsoftアカウントでサインインしている友人・知人のゲームプレイ視聴や、同時プレイを可能にするXbox Game Barのコンパニオンアプリだ。

  • Microsoft Teams Play Together

アプリ名には「Microsoft Teams」の冠をかぶせている。あくまでも推測だが、バックグラウンドで指定したディスプレイ、もしくはゲーム(アプリ)のウィンドウをXbox Gamesで録画してライブ配信するには、Xbox Games自身のソーシャル機能は物足りない。よって、多人数の音声通話やビデオ通話はMicrosoft Teamsを用いているのだろう。

  • プレイ中のゲームウィンドウや最大化したディスプレイを選択する

海外のITサイトでは、「Discordの買収失敗から、Microsoft Teams Play Togetherが登場した」と冷やかす記事も散見される。買収話は未公表なので深掘りしないが、消費者向けMicrosoft Teamsが奮わない状況を考えると良いアイデアだ。Xboxソーシャルを楽しんでいるユーザーはサポートページが参考になる。

次はSkype Insider for Windows。先ごろ登場したバージョン8.102.76.210は、個々にダウンロードする必要があったチャット相手から送られてきたファイルを自動ダウンロードする機能を追加している。ただし、この機能は安定版Skypeでも有効らしく、Microsoft Store経由でインストールしたバージョン8.101.0.212でも、「ファイルを自動ダウンロード」の項目は確認できた。

  • Skype Insider for Windowsの設定ページ

ファイルは「開く」をクリックすれば関連付けたアプリで開ける。ファイル自身はダウンロードフォルダーに自動格納されるが、日常的なダウンロード操作を区別するために、別フォルダーも指定可能だ。

  • 「ファイルを自動ダウンロード」が有効な状態

今さら気付いたのだが、SkypeはWindows 10・Windows 11の標準アプリではないようだ。仮想マシンのWindows 11で動作検証したところ、やはり未インストールだった。2023年2月の公式ブログによれば、Skypeは169カ国3,600万人が利用しているそうだ。Microsoft TeamsよりもシンプルなSkypeは愛好者が多いのもうなずける。

だが、筆者の周りはすっかり下火。本稿の担当者と別チャネルの編集者とメッセージを交わす程度で、ほかはFacebookメッセンジャーやSlackで仕事の連絡を行っている。2000年7月にはMicrosoftを筆頭に、当時のIM(インスタントメッセージングサービス)プラットフォームで精力的な9社が、IMアプリへの非依存を目指す標準化団体「IMUnified」を設立したものの、20年以上が経過しても目立った変化はない。Bing Chat機能を追加するなどSkypeアプリ自体は停滞していないが、コミュニケーション基盤としては一抹の不安を覚える。

最後に、アプリではないがMicrosoftによるSurfaceアピールも紹介したい。現地時間2023年8月14日に公開した公式ブログにて、Microsoftは「ビジネスに適したSurfaceが備える多くの理由」「情報システム部門でもSurfaceは俊敏性と効率性をもたらす」などSurfaceの利便性を強調している。

筆者も大筋は同意するし、Surface RT登場以降、PCはSurfaceシリーズしか購入していない。加えて上記の公式ブログが対象にしているのは法人の購買・調達部門で一般ユーザーではない。例年、Surfaceは晩秋に新モデルを発表・発売しているが、Microsoft Storeや大型量販店による法人・教育機関向けキャンペーンを踏まえると、現行のSurfaceに余剰在庫が発生している可能性がある。筆者も2019年10月に登場したSurface Pro 7の代わりを欲しているものの、ひとまず秋まで待つ予定だ。そのころにはWindows 11 バージョン23H2をプリインストールしたSurface Proが登場するのではないかと思っている。