大ヒット『呪怨』シリーズをはじめ、近年では『犬鳴村』などの「恐怖の村シリーズ」を手がけた、Jホラーの巨匠・清水崇監督の最新映画『ミンナのウタ』が現在公開されている。予告編の段階から「怖すぎ」と映画館にクレームも入るなど話題を呼んでいた同作の主演を務めるのは、ダンス&ボーカルグループのGENERATIONS。カセットテープから流れる“とあるメロディー”を聴いた人々が次第に自らも口ずさむようになり、不可解な事件に巻き込まれていくサスペンスホラーで、同グループのメンバーは本人役で出演する。劇中ではライブを控えた彼らの活動の裏側や日常も描かれ、現実とフィクションが曖昧になった世界で”呪いのメロディー”の恐怖が襲いかかる。
今回は、主演を務めたGENERATIONSの白濱亜嵐、片寄涼太、小森隼、佐野玲於、関口メンディー、中務裕太にインタビュー。ホラー好きの白濱も太鼓判を押す同作の内容について、さらにはメンバーが実際に遭遇した恐怖体験についてなど話を聞き、撮影には謎の少女・さなの姿も……。
■予告の時点から「怖すぎる」と話題に
――今回ご本人役ということで、自分を演じることについてはいかがでしたか?
白濱:衣装やメンバー同士の呼び名についてのすり合わせが面白かったです。僕らは大丈夫なんですけど、スタッフさんが大変そうで、監督もいろいろとメモしてくださっていました。
片寄:メンディーさんとは、共演NGだったんじゃない?
白濱:あ、そうなんです。僕は今までメンディーくんと共演NGだったんですけど、今回は本人役だからOKということで……。
関口:本人役だからOKなんだ。じゃあ、本当に役を演じるとなったら?
白濱:NGで。
全員:(笑)
白濱:ちゃんと事務所通さないと。
関口:同じ事務所だわ!
小森:僕は監督とディスカッションさせてもらったのがかなり大きくて、話し口調や立ち位置について、現場でも気にかけてくださったのがありがたかったですね。
白濱:作品もラジオの場面から始まるけど、隼はいつもラジオパーソナリティをやってるから、ボタンの操作も慣れてたよね。
小森:あれだけは! 俳優さんの中でも、ナチュラルにできる方なんじゃないかな?(笑) わかんないとね、オンにしたままトークバックとかしちゃうからね。
佐野:何百回もやってる人だ(笑)
――予告の段階から「怖すぎる」と話題でしたが、ホラー好きの方へのアピールポイントはいかがでしょうか?
白濱:僕はすごくJホラーが好きでよく観ているんですが、『ミンナのウタ』には2000年ぐらいの名作ホラーの感じが戻ってきていると感じていて、自分がそんな作品に出られてうれしいです。ホラー界でも1回クリーチャーブームが来ていたと思うんですけど、やっぱりじめじめしていつ何が来るかわからない恐怖があるのが、日本のホラーの面白さだなと、今作を観て改めて思いました。今回出てくる謎の少女・さなも、貞子、伽椰子に次ぐニューヒロインになるんじゃないかな。
片寄:お話としても、すごく面白い。
白濱:俊雄も出てきますし、『呪怨』ファンにもポイントが高いんじゃないかな。
中務:俊雄、足も速かったしね。
白濱:俊雄という概念も広がったよね。清水シリーズのifの世界みたいな。だから、もうマーベルみたいなもんだよ。どこかでつながっている。
――特に怖かったシーンについてもぜひ教えてください。
片寄:裕太くんが、さなの家を訪問してお母さんと対峙するシーンは怖かった!
中務:僕自身はもちろん「こう来る」というのは知ってるんですけど、相手の方がすごくアドリブでやってくださるので、毎回新鮮にビビれるというか……。
全員:(笑)
中務:「さっきと全然違う芝居した!」みたいな。怖かったですけど、楽しかったですね。引き出しがいっぱいある方だったので「ここ、白目むいた方がいいですかね?」とか相談してくださって、すごかった。
関口:あの後の裕太くんのリカバリーのスピードも結構ホラーだよ。「もう持ち直してる!」と、思って。
中務:本当はもっと腰抜かしていいぐらいのできごとですから(笑)
佐野:学校のシーンも、ショッキングだった。さなの人間性がめちゃくちゃ怖い! 物語を紐解いていくと、さなの人生を辿ることになって、人間的な怖さも感じられる。
■GENERATIONSで1番怖がりなのは?
――ホラー撮影に挑んだことで、プライベートでも怖さやどんよりした気持ちを引きずったりすることはありましたか?
関口:ちょうど完成した作品を観た日の夜に、家でAlexaが聞いたこともないぐらいリピートされて、ちょっと怖かったですね。めざましをセットしたら、「平日も同じように繰り返しますか?」を何回も繰り返して……。
小森:怖!
佐野:僕もAlexa使ってるんですけど、撮影中にクタクタで帰ってきて、蚊の鳴くような声で「Alexa、6時に目覚まし」と言ったら、Alexaが小声で返してくるんです。
全員:え〜!?
佐野:「わかりました。朝6時に目覚ましをかけました」と囁かれて、その機能を知らなかったから、「え〜! なんだお前、それ!!」
全員:(爆笑)
片寄:それ怖いわ!(笑) 知らなかったらヤバい。
佐野:この撮影中で、クッタクタだったので「なにそれ!?」と驚きました。「ちなみに旦那様がヒソヒソ声で話すと私もヒソヒソします」と言われて(笑)
片寄:タイミング悪いね!
――意外な恐怖エピソードが(笑) 皆さんの中で1番怖がりを決めるとしたらどなたでしょうか?
白濱:この中だと、玲於かな。
佐野:基本的に「バーン!」って音が苦手で、ライブの特効も苦手なんです。後輩のライブに行くときも特効の出るタイミングを事前に確認するくらい。ホラー映画って、霊が出てくる怖さもありますけど、迫りくる狂気みたいなところも怖いじゃないですか。今回の映画でも、メンさんが消えるシーンがめちゃくちゃ怖くて……。
小森:あれ、怖いよ。
佐野:試写なのにめちゃくちゃ声を出して、「うわあ!」とか言ってた。それくらい苦手です。 撮影中は大丈夫なんですけど、夜道とかやっぱ怖いですよね。もう本当に嫌になる。シーン自体も暗いし、そこにやっぱ霊がね。しっかりメイクしている。まあ怖い。
――逆に1番恐怖に強い人は?
白濱:僕は全然大丈夫です。最近だとホラー系のYouTubeもたくさん見てるんですけど、本当に恐いことって100回に1回くらいしか起こらないんです。めったに起こらないことだと思うからこそ、怖くないというか。
関口:心霊現場にも行けるのがすごい。僕はそういうの無理なんです。ホラーコンテンツは見れるんですけど、実際に自分が行くのはいやなんですよ
佐野:逆に、そういうの大丈夫かも(笑)。1回とあるロケで“出る”と噂のところに行ったんですけど、そういうのは大丈夫。しかもロケには最強の人がついていてくれて「いつでも祓うから」と言ってくださったので、余裕でした。
――中務さんは作中でも驚く姿があまりなかったですが…
中務:演じるというか、演じてないんですよ。僕、そのまんまなんですよ。
小森:何を大スターみたいに……。
全員:(爆笑)
小森:何百作も出た人が言っていいワードだよ!
中務:まあ、日本のイ・ビョンホンって言われてるんですけどね。
白濱:怖い怖い。
中務:ただ僕は本当に感じる時があります。心霊ロケに行った時も「いるな」と思って、「写真撮っていいですか?」と撮ってみたら、いた。一緒に行った方も「よくわかりましたね」と言ってくださって、昔から何か感じているところはあります。
白濱:だから、『ミンナのウタ』でも、最初の方のシーンから裕太くんはもう見えてるんですよね。
片寄:ちょっと繊細な役だったけど、僕らにとっても自然でした。
――今回特別出演だった数原龍友さんの怖がり度合いはいかがですか?
佐野:めちゃくちゃ怖がりです! 数原くんは多分、そういう場所に行くのも嫌だし、ホラーを観るのも嫌だよね。
小森:そういうの全部苦手なタイプ。
白濱:CMで見るのすらいやだって言うし。
片寄:だからこそ、個室で『ミンナのウタ』を観る企画をやってみてほしいなと思ってます(笑)。基本的に、占いも信じないとおっしゃってますけど、怖がってるということは信じてるんじゃないかと思います。
■恐怖体験続々「怖すぎて逃げました」
――ちなみに皆さんは、おばけは信じますか?
白濱・小森:信じます。
片寄:説明できないことが起きることって多いし、先祖代々のお墓とかもあるわけじゃないですか。やっぱりなんかあるんだろうなあと思います。
中務:何もないなら、やらなくていいもんな。
白濱:僕は1回だけ、小4ぐらいの時にお化けを見たことがあるんです。夏に家の裏のお寺でわんぱく相撲があって、向かっている時に、僕の横にふくらはぎから下の足が歩いているのが見えたんです。しかも裸足で、一瞬ぱっと見て「足だ!」と思って。でも子どもだったから見間違いなのかなと思って、そのままわんぱく相撲に出て、準優勝しました。
全員:(笑)
小森:ホラーでしたね、決勝で負けて。
白濱:ついてくれてたのかな?
関口:ちょっと、僕も思い出した! 高校3年生の時!
佐野:こないだじゃん!
関口:体育大学を受験するので、そのために体作りしてたんですよ。夜に公園で走ってたら遠くに小さい人影があったんです。それがめちゃめちゃゆっくり、トコトコトコトコってこう歩いてきた。僕はそのままストレッチをしてたら、本当にゼロ距離レベルまで来たんですよ。そしたら……おばあちゃんだったんですね。
全員:(爆笑)
関口:いや、待って! 小ささがやばいんですよ! で、「なんで私はこんなに、小さいの?」って言われて、怖すぎて逃げました。
小森:それは怖い!
中務:しゃべりかけてきたんや。
小森:ただ、おばけかどうかはわかんないですね。
関口:おばけじゃないのかな? 本当に怖かった。だって、深夜よ?
小森:でもやっぱり、「本当かどうかわからない」みたいなところが1番怖いですね。人だったかもしれないし、おばけだったかもしれない。
――今回テープっていうのがキーになっていますが、GENERATIONSさんの楽曲をテープに落として聴かれたことはありますか?
白濱:1回だけやったことあるけど、テープに移し替えて聴くGENERATIONSの楽曲はすごく良かったです。カセットテープもたくさん持ってて集めるのが好きですし。いい具合に丸くなるというか、カドがとれてすごくまろやかなコーンポタージュみたいな感じで……。
片寄:逆再生とかしてみたい。どうなってるんだろう?
白濱:それこそ、今回の主題歌「ミンナノウタ」は逆再生したらとあることがわかるような仕組みになってるので、ぜひ逆再生してみてください。
■GENERATIONS
白濱亜嵐、片寄涼太、数原龍友、小森隼、佐野玲於、関口メンディー、中務裕太からなる7人組ダンス&ボーカルグループ。2012年に「BRAVE IT OUT」でCDデビューし、2018年には初のドームツアー、 2019年には初のNHK紅白歌合戦出場も果たす。現在AbemaTVの冠番組『GENERATIONS高校TV』が毎週配信されている。
ヘアメイク:寺本剛(JYUNESU)、スタイリスト:吉田佳輔
小森(シャツ¥30,800:ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿、その他スタイリスト私物)、白濱(ジャケット¥61,600、パンツ¥31,900:ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿、その他スタイリスト私物)、中務(ジャケット¥48,400:アーネイ/ジョワイユ、その他スタイリスト私物)、片寄(ジャケット¥79,200、パンツ¥30,800:ラッド ミュージシャン/ラッド ミュージシャン 原宿、その他スタイリスト私物、佐野(ジャケット¥88,000、パンツ¥49,560:アーネイ/ジョワイユ、その他スタイリスト私物)、関口(シャツ¥59,400:アーネイ/ジョワイユ、その他スタイリスト私物)