サイバーセキュリティ企業NordVPNの新たな調査で、日本人がサイバーセキュリティとインターネットプライバシーの知識において、世界でワースト2位という結果が示されたという。オンライン上のさまざまなリスクとその回避方法に関する認識においては、最も高い結果(61%)だったが、オンライン上で安全に過ごすための習慣やツールに関する質問での結果は最低(51%)だった。
毎年行われるナショナル・プライバシー・テスト(NPT)は、サイバーセキュリティやオンラインプライバシーに対する人々の意識を評価し、デジタル時代におけるサイバー脅威やデータと情報セキュリティの重要性を啓蒙することを目的とした世界的な調査で、今年は175か国から26,174件の回答が集まった。
日本人は強力なパスワードを作るが、デジタルプライバシー保護ツールを活用できていない
調査によると、日本人は強固なパスワードを作るのが得意で(95%)、SNS上で共有すべきでない機密データを理解している(93%)。複数のアカウントで同じようなパスワードを使用するリスク(86%)や、デバイスがマルウェアに感染する仕組み(83%)についても認識し、大多数はクレジットカード情報をブラウザに保存することのリスクも知っている(82%)。
また、利用規約を読むことの重要性や、デジタルプライバシーのためにどのようなツールを使うべきかを理解しており、これはトップのシンガポールに次いで2位だった。
しかし、インターネットサービスプロバイダーがメタデータの一部としてどのようなデータを収集しているかについて知っている日本人はわずか5%。デジタルプライバシーを保護するオンラインツール(6%)や、自宅のWi-Fiを保護する方法(7%)については、何も知らない人がほとんどで、フィッシングサイトの見分け方を知っている人は17%。また プライバシー意識について、日本の回答者は25か国中最も低く、イタリアと同点だった。
インターネットのプライバシーとサイバーセキュリティに対する意識が最も高い国は、1位がポーランド、シンガポール(100点中64点)、2位がドイツ、アメリカ(100点中63点)、3位がイギリス、オーストリア、ポルトガル(100点中62点)という結果に。
アジアでは、韓国は分析対象25か国の中で最低スコアで、NPTスコアは日本が55%なのに対し、韓国は46%。韓国ではフィッシングウェブサイトの見分け方を知っている人は12%で、2022年には12,820人がフィッシング詐欺や詐欺行為の被害に遭っていたという。