ケイティケイは8月4日、「SDGsに関する用語の認知度」の調査結果を発表した。調査は7月5日~6日、全国の男女500人(女性319人/男性174人/その他7人)を対象にインターネットで行われた。
今回、認知度を調査したSDGs関連の用語は全部で10語。
エシカル
人権や地球環境に配慮した倫理的で正しい行動のこと。自分の利益だけを追求するのではなく、他者・地域社会・自然環境などに思いやりをもつということ。
サステナブル
持続可能という意味。地球環境の持続可能性という大きな視点だけでなく、生産・経営などの分野でもサステナブルかどうかは重要な要素に。
カーボンニュートラル
二酸化炭素など温室効果ガスの排出量から、森林による二酸化炭素の吸収量を差し引いて、排出量を実質的にゼロにすること。
再生可能エネルギー
最近の電気料金の高騰は生活に直結する身近な問題となっているが、石炭・天然ガス・石油などの化石燃料の価格が世界情勢の影響で上昇していることが一因に。化石燃料への依存を見直す流れから、再生可能エネルギーを扱う企業が注目されている。
フェアトレード
製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い生産者・労働者の人権を守る貿易のしくみのこと。
海洋プラスチック
海の生きものがプラスチックを餌と間違えて食べてしまい、命を落としてしまうことが環境問題に。また、食卓にのぼる魚もプラスチックの影響を受けているという点で日本人の食に関わる問題ともいえる。
シェアリングエコノミー
場所・物・技能などをインターネットを介して個人間で貸し借り・売買することで資産をシェアしていく経済の動きを指す。カーシェア・民泊・レンタルスペースなど。
SDGsウォッシュ
SDGsの目的や本質を理解しないまま、表面的にはSDGsに取り組んでいるふりをする、うわべだけのSDGs活動を指す。
ESG
環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)の頭文字で、これら3つの視点において配慮している企業は、社会的な価値があり長期的に安定した経営が期待できると認識されることから、投資家にも注目される観点となっている。
ESD
「持続可能な開発のための教育」のこと。グローバルな課題を自分の問題として捉え身の周りから取り組むことで、持続可能な社会を実現していくことを目指した学習・教育活動を意味する。
SDGsに関連する10個のキーワードについて、それぞれどの程度知っているかを聞いたところ、「内容や意味を知っている、人に説明できる」「知っているがだいたいの内容しかわからない」「内容はわからないが言葉は聞いたことがある」の回答を合わせた認知度が高い順に、1位「再生可能エネルギー」(99%)、2位「カーボンニュートラル」(96%)、3位「サステナブル」(95%)、4位「海洋プラスチック」(92%)となり、いずれも9割を超える結果に。
ただし、内訳をみると、“内容や意味を知っている、人に説明できる”人の割合は、最も高い「海洋プラスチック」でも28%と3割未満。同様に「再生可能エネルギー」では27%、「サステナブル」では23%にとどまり、「カーボンニュートラル」に関しては15%と、さらに低い割合に。5位は「フェアトレード」で、“内容や意味を知っている、人に説明できる”人の割合は23%と「カーボンニュートラル」よりは高いものの、認知度としては83%と9割には届かなかった。
6位以降は、認知度がグッと下がり、6位の「シェアリングエコノミー」で64%。「内容はわからないが言葉は聞いたことがある」(29%)、「聞いたことがない」(36%)を合わせた“わからない”人の割合は半数を超えた。
7位は「エシカル」(59%)となったが、“内容や意味を知っている、人に説明できる”という人の割合は、最も少ない5%。さらに認知度は大きく減少し、8位の「SDGsウォッシュ」(36%)に関して“聞いたことがない”人の割合は64%という結果に。
同様に、9位の「ESG」を“聞いたことがない”人の割合は69%。10位の「ESD」(75%)では7割を超え、認知度は最も低い25%だった。
最後に、SDGs関連の用語の意味が広まらない理由について、自由記述で回答してもらったところ、カタカナやアルファベットが多用されており「イメージが湧きにくい」といった意見が多かったほか、「日々の生活に直結する印象がない」「メディアでの取り扱いが少ない」という声も目立つ結果に。
また、地球や環境問題に関する用語の中で、最近気になっている言葉を教えてもらったところ、「気候変動」に関するワードが最も多く、そのほか、「二酸化炭素・CO2」「新エネルギー」「プラスチック」「廃棄物」に関するワードが多くあがった。