累計発行部数160万部突破の人気コミックが映像化されるということで、話題を集めているフジテレビ系ドラマ『パリピ孔明』(9月27日スタート、毎週水曜22:00~)。この主演を務める諸葛孔明役の向井理らがこのほど、新宿・歌舞伎町のクラブ「WARP SHINJUKU」でクランクインを迎えた。

中国三国時代の名軍師の出で立ちは、現代の東京のど真ん中にあって違和感満載。ミア西表(菅原小春)によるライブパフォーマンスなど、今作ならではのシーンの撮影が順調に進んでいった。そんな初日の現場の模様を、向井とヒロイン役・上白石萌歌のコメントを交えながらレポートする。

  • 上白石萌歌(左)と向井理 (C)フジテレビ

    上白石萌歌(左)と向井理 (C)フジテレビ

■衣装の裾がシャンパングラスに当たりそうになると…

諸葛孔明が現代の渋谷に若かりし姿で転生し、歌手を目指す少女・月見英子(上白石)を軍師のごとく成功に導いていく今作。向井と上白石の最初の撮影は、ハイレベルなダンスパフォーマンスと歌唱で注目を集め、SNSフォロワー数10万人超えの人気シンガー・ミアの控室へ、孔明が急に訪問するシーンだ。

「諸葛孔明役、向井理さんでーす!」というスタッフの声とともに大きな拍手に迎えられた向井は、落ちそうになる大きな綸巾(かんきん=帽子)を手で押さえながら、ゆっくり一礼。まだ空間把握が完全でないためか、天井のスピーカーに綸巾が当たったり、独特な形状な靴で歩きにくいのか、一瞬よろける場面もあったが、衣装の裾がテーブルのシャンパングラスに当たりそうになると、スタッフがとっさの判断で避けるなど、周囲のフォローに支えられている。

その違和感バリバリの姿を、最初は興味深くまじまじと見つめていた上白石だったが、すぐに慣れたのか、気づけば何事もないように2人で談笑する姿が。上白石は「孔明を演じる向井さんは本当に神々しく、ついつい拝みたくなってしまいます。ひとつひとつの所作や声のトーン、すべてが孔明そのもので、一緒にお芝居をさせていただくたびに感動します」と印象を語る。

  • (C)フジテレビ

■重い衣装に日本舞踊の経験が生きる

はたから見るとシュールなミアとの対面シーンだが、向井は「孔明本人は至って真面目なんですよね。見た目から他の登場人物とは違うので、そこからさらに盛って何かしてしまうと破綻する気がしたので、狙いすぎないよう気をつけました」と意識。「真面目に任務を遂行する人という意味では、あまり奇をてらうことはしたくないと思いましたが、違和感は作らなきゃいけないので、そこは日々考えながら撮影しています。現代劇の中に1人だけ時代劇が紛れているイメージなのかな、と思っています」と、作品に臨む姿勢を明かす。

高さのある綸巾をかぶりながら、天井の低い場所で演技するのは苦労があると想像するが、「日本舞踊を学んだときの所作や体幹を生かして、かがむときも姿勢を斜めにするのではなくて、スクワットするときのイメージで、腰から落としてやれば大丈夫だなと思っていました。体幹をぶらさない、衣装を着崩さない歩き方をする、など気をつけています」と過去の経験が生きているようだ。

また、クランクインにあたって衣装が風通しの良い仕様にアップグレードされたそうで、「最初に衣装合わせをしたときよりも軽くなっている気がします。すごく着やすいです」と、ご満悦の様子を見せた。

一方の上白石は、ミアの対面シーンについて「段取りからとても緊張しました。向井さん演じる孔明も、菅原さん演じるミアも、みなさんとても魅力的で、私も英子としてこの作品にちゃんと存在したいと強く思いました」と気を引き締めたそうだ。

  • 菅原小春 (C)フジテレビ

この対面シーンの直前には、ミアが控室で、マネージャーの松田からSNS用の写真を撮られまくる場面を撮影。朝早くからの撮影にもかかわらず、「松田! 同じアングルで撮ってんじゃねーよ!」と全力で罵倒し、OKが出ると「フーッ!」と、ダンサーチームとともにテンションを上げていく。

台本では、ミアが撮影する松田に対して「動け動け!」と言うセリフだったが、菅原のアドリブで「ムーブ!」というセリフが飛び出し、より威圧感を見せる構図になっていた。