ソフトバンクは8月10日、HAPS(成層圏通信プラットフォーム)の実現に向けた取り組みとして、次世代無人航空機のサブスケールモデルの飛行試験に成功したことを発表した。

  • サブスケールモデルを用いた飛行試験の様子

    サブスケールモデルを用いた飛行試験の様子。縮小模型と言ってもかなり大きな物であることがわかる。HAPSの無人航空機は性質上、旅客や貨物を運ぶ一般的な航空機とは見た目が大きく異なり、巨大な翼だけが飛んでいるような姿が印象的

飛行試験は3月14日に米アリゾナ州ウィルコックス・プラヤで行われた。ソフトバンク子会社のHAPSモバイルと米AeroVironment社が開発した無人航空機「サングライダー」のサブスケールモデルを用いて、低高度で安定飛行を確認した。サブスケールモデルとは、形状や特性が実物と同じ条件となるように工夫された縮小モデルのこと。

なお、現行型のサングライダーは2020年9月に成層圏飛行に成功しており、今回サブスケールモデルを用いた飛行試験が行われたのは、その実績を基に開発中の次世代機である。

HAPSモバイルは、成層圏を数カ月に渡って飛行し続ける大型無人機に携帯電話基地局を搭載し、広範囲をカバーできることや地形・災害の影響を受けにくいといった、地上基地局を主体とする従来型のモバイルネットワークとは異なるメリットのある無線ネットワークの構築を目指している。なお、同社は2023年10月1日付けでソフトバンクに吸収合併される予定だが、その後もサービス実現に向けた研究・開発は続く。