米カリフォルニア大学アーバイン校の研究チームが、香りと認知能力に関する研究結果を公開し、これがネットで話題になっている。研究によると、睡眠中に心地よい香りを嗅ぎ続けていると、認知能力の改善につながる可能性があるのだという。学術雑誌「Frontiers in Neuroscience」に、7月24日付けで掲載された。ネットでは「興味深い研究」「あの手の香りが好きでなくてもいいの?」などと話題だ。

  • 睡眠中「良い匂い」を嗅ぐと、認知機能が改善するらしい - 米大学が研究成果

    アロマを嗅ぐ、嗅がないだと、226%もの差が出るという結果に

本研究では、60歳から85歳の認知機能が正常な男女43人を対象に、参加者をランダムで嗅覚強化群(20名)と、コントロール群(23名)に分けて実験を行った。嗅覚強化群では、1週間に7種類の天然オイルのアロマを毎晩2時間、異なる香りをディフューザーで焚いて眠りについてもらった。コントロール群では、微香料で同様の体験をしてもらった。研究開始時と6カ月後に、それぞれ認知能力などについての評価を行った。

結果、記憶力テストにおいて、嗅覚強化群の人々は、コントロール群の人々と比べて、認知能力が226%も向上したことが判明した。また、脳の画像検査を行うと、嗅覚強化群は、記憶と意思決定を行う領域をつなぐ脳の経路の状態も改善されていることがわかったそう。

今回の結果は、嗅覚と脳の記憶回路の間に直接的な関連があることを裏付け、アロマセラピーが記憶力向上のための有望な手法であることを示唆するもの。同研究チームは今後、この技術が認知機能が低下している人々にどのような影響を及ぼすかを研究して行きたいとしている。

ネット上では「自分はうちの猫ちゃんの香りかキャットフードの匂いがいい」「あの手の香りがあまり好きでなくてもいいのだろうか?」「微香料では駄目ということは、強烈な匂いが必要ってことなの?部屋がずっと匂うの苦手なんだがいい方法ないかなあ」「非常に興味深い研究だ。もっとサンプル数を増やして再現してほしい」などの声が寄せられている。