2023年9月3日からスタートする新番組『仮面ライダーガッチャード』の制作発表記者会見が都内で行われ、主演を務める本島純政をはじめとする主要キャストが登壇。最新『仮面ライダー』シリーズとなる本作のアピールを行うと同時に、役柄にかける強い意気込みを語った。

  • 左より富園力也、安倍乙、藤林泰也、本島純政、松本麗世、熊木陸斗、南野陽子

令和仮面ライダーシリーズ5作目となる『仮面ライダーガッチャード』は、カードを多彩に操る「錬金術師」ライダーという特徴がある。本作『仮面ライダーガッチャード』では、錬金術の実験が人知れず成功した現代を舞台に、激しい戦いの物語が繰り広げられるという。

錬金術によって作られた101もの人工生命体「ケミー」。それらは「ライドケミーカード」に保管されていたが、ある時、カードからすべてのケミーが外へと解放されてしまった。平凡な高校生・一ノ瀬宝太郎はひょんなことから変身ベルト「ガッチャードライバー」を与えられ、世に放たれたケミーを回収する使命を与えられた。

ケミーは善なる心と響きあえば人間の仲間となり、逆に悪意と結合すると「怪人・マルガム」を生み出す、善と悪、表裏一体の性質を備えている。宝太郎は2枚のライドケミーカードをガッチャードライバーで「錬金」することにより、仮面ライダーガッチャードに変身。バッタのケミー「ホッパー1」と蒸気機関車(SL)のケミー「スチームライナー」、2つのライドケミーカードを用いた姿を「仮面ライダーガッチャード スチームホッパー」という。今後、組み合わせの妙によってどんな姿のガッチャードが登場するのか……その可能性は、無限大である。

仮面ライダーガッチャードに変身する一ノ瀬宝太郎(いちのせ・ほうたろう)を演じる本島純政(もとじま・じゅんせい)は、自身の役どころを「明るく素直で真面目、でもちょっとどこかヌケている高校生」と説明。そして「夢を探している途中の宝太郎が、ある大事件に巻き込まれて仮面ライダーとなり、人々を救うというストーリー……すごく面白いです! 役を演じている楽しさと、真剣に取り組む気持ちの両方を忘れずに、これから1年間がんばっていきたい」と意気込みを熱く語った。

宝太郎役をオーディションでつかんだ本島は「決まったと聞いたときは、飛びあがって喜びました。同時に、1年間もの作品をやりとおさなければならない責任も強く感じましたが、撮影が始まると、毎日が楽しくて仕方ありません。今は楽しい一択です!」と語り、役柄と同じく徹底的にポジティブで、何事も楽しんで行こうとする強い思いを示した。

宝太郎のクラスメイトで成績優秀な令嬢、実は錬金術師を育成する「錬金アカデミー」に通っている九堂りんね(くどう・りんね)を演じる松本麗世(まつもと・れいよ)は「一見ツンツンしてて、ルールをしっかり守る厳しい女の子なのですが、心には優しさがあり、悩みも抱えています。りんねの悩みは解決するのか、そして宝太郎とどう関わるのか、ぜひ楽しみにしてほしい」と、ヒロイン・りんねの役柄を説明。

2人の兄の影響で、幼いころから仮面ライダーが大好きだったという松本は「仮面ライダーキバや仮面ライダー電王の変身ベルトをつけて遊んでいました。お兄ちゃんたちとヒーローごっこをしていて、いつも負けていましたが、仮面ライダーのオーディションに合格したと報告したときは『今回は私の勝ちね!』と兄に自慢したんです(笑)」と、共に仮面ライダーを愛した兄たちを羨ましがらせると同時に、大いに励ましてもらったことを明るい笑顔を交えながら話した。

錬金アカデミーの卒業生であり、宝太郎と同じくケミー回収の使命を担う超A級錬金術師・黒鋼スパナ(くろがね・すぱな)/ヴァルバラドを演じる藤林泰也(ふじばやし・やすなり)は「黒鋼スパナは、自由な宝太郎と対極の位置にあり、自分なりのルールで行動する男。物語が進む中、黒鋼が宝太郎に出会ったことにより、どのような変化・成長を見せていくのかを楽しみにしてほしい」と、魅力的なライバルキャラとしての見どころをアピールした。

オーディションでスパナ役が決まったときのことを振り返って「これまで何度もスーパー戦隊や仮面ライダーのオーディションを受けてきましたが、なかなかご縁がなく、今回スパナ役をいただいたことで、諦めなくてよかった!と思いました。自分を支え、助けてくれた親や友だちに、少しでも感謝の気持ちを返すことができれば」と、何度もチャレンジした末にようやくつかんだ『仮面ライダー』レギュラーの重さをかみしめながらコメントした。役が決まったと聞いた直後、すぐ母親に連絡した藤林は「よかったね、よかったねと、泣きながら電話をもらった。今でも電話するたび、泣いて喜ばれます」と、息子の苦労をよく知る母親からの温かい思いを思い出し、さわやかな笑顔を見せた。

錬金アカデミーに通う、宝太郎とりんねの先輩・銀杏蓮華(いちょう・れんげ)を演じる安倍乙(あべ・おと)は「蓮華は気さくで天真爛漫、関西弁で明るく話す、頼れるお姉さんキャラです。みなさんから愛していただけるよう頑張りたい」と、自身も大阪出身であるだけにナチュラルな大阪弁を交えつつ、役にかける意気込みをさわやかに語った。

役が決まったときの喜びについては「すぐ大阪にいる母へ伝えました。オーディションをやると決まってからずっと、ビデオ通話で台本のセリフ練習に付き合ってくれたり、頑張ってと励ましてもらいました。毎日電話するくらい母とは仲良しですし、合格したよと言ったときは、心から喜んでくれました!」と満面の笑顔で語り、優しい母親の思いが常に心の支えになっていることを伝えた。

蓮華と同じく錬金アカデミーに通う頭脳派錬金術師・鶴原錆丸(つるはら・さびまる)を演じる富園力也(とみぞの・りきや)は「錆丸は極端な人見知り、内向的な性格で、話すときも超・小声なんです。その代わり、いつも持っているタブレットのAIが、やけに強気でぶっきらぼうな口調で錆丸の思いを代弁してくれます(笑)」と、王子様のような麗しい外見に反して、クセの強そうなキャラクターだという錆丸の特徴について語った。

富園もまた、子どものころに仮面ライダーシリーズを熱中して観ていたひとり。オーディションに挑む際は「全身真っ黒の服を着て、あえて外見上の個性を消し、お芝居の力だけで勝負しようと決意しました」と、ただならぬ気合いを入れていたことを明かした。

宝太郎が通う高校の歴史教師・ミナトを演じる熊木陸斗(くまき・りくと)は「プロモーション映像のミナトは、今と違った衣装を着ていました。あえて詳しく申しませんので、なぜあの格好なのか、想像して楽しんでください。今は、ずっと憧れていた『仮面ライダー』の世界にやっと携わることができたという心境。長年にわたり仮面ライダーを愛してくださっているファンの方、そしてこれからテレビで応援してくださる子どもたち。多くの人たちに夢を与えたい」と意気込みを語りつつ、現在の「冴えない見た目の高校教師」とは大きくギャップのある「カッコいい錬金術師」の一面を備えていることを匂わせ、ミステリアスなミナトの魅力をアピールした。

熊木もまた、仮面ライダーシリーズへの出演は念願であったと語り、「オーディションを何度受けてもなかなか合格せず、僕が落ち込んでしまうため家族間で『ヒーロー』がNGワードになったこともありました。それだけに、今回受かったときは、本当だろうか、夢なんじゃないかとか、現実をすぐ受け入れられませんでした」と、ようやく仮面ライダーシリーズのレギュラーの座をつかんだ喜びをじっくりと噛みしめるかのように話した。そして「暴太郎戦隊ドンブラザーズの雉野つよし(キジブラザー)役・鈴木浩文さんが『30代でも、まだまだやれるんだということをボクが残しておくから、チャンスが来るまで待ってて!』と言ってくれていたのが心の支えでした。ヒロさんありがとう!」と、30代ヒーローとして強烈な存在感を放ち、1年間ドンブラザーズとして暴れ回った鈴木の励ましにも力づけられたことを打ち明けた。

宝太郎を温かく見守る母親で、定食屋を経営する一ノ瀬珠美(いちのせ・たまみ)を演じるのは、『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』(1985年)『はいからさんが通る』(1987年)などで主演を務めたほか、アイドル歌手として数々のヒット曲をリリースし、現在も幅広いフィールドで活躍を続けている南野陽子(みなみの・ようこ)。南野は「私はかつて、鉄の仮面を被っていたことがありましたが(笑)、今回はそんなこともなく、フレッシュな若者たちをあたたかく見守るお母さん役。現場の雰囲気がよくて、いい作品が出来上がっていると思います。よろしくお願いします」と、『スケバン刑事II』での役柄「麻宮サキ=五代陽子」が幼少期に「鉄仮面を被せられて生活していた」という特殊な設定を引用しつつ、本作出演への意気込みを語った。

『スケバン刑事II』を『仮面ライダー』と同一線上に位置する「実写キャラクターアクション作品」と捉えている南野は、今回の『ガッチャード』出演の話が来たとき「まず初めに、人間の役? 悪役?と、そっち側のイメージがよぎったけど、お母さんの役でホッとしました(笑)。スケバン刑事IIの流れから、いつかは仮面ライダーに出ることがあるんじゃないかなとずっと思っていたので、今来たか!みたいな感じで、嬉しかったです」と、以前から仮面ライダーシリーズ出演の依頼が来ることをおぼろげに予感していたことを明かした。

かつての麻宮サキ(二代目)のようなカッコいいアクションをまたやってみたいかどうかについては「今はまだ始まったばかりで、まったくそんなシーンはありませんが、何しろ1年間続く作品ですから、やっていくうちにどんどん展開が変わっていくのは『スケバン刑事II』で経験していますし、この先どうなるかわからないですよね(笑)。アクションしてみたい気持ちはありますが、ヒザが……(苦笑)」と、さすがとしか言いようのないエンターテインメント精神にあふれたコメントを残した。

また、俳優の大先輩である南野は、若い本島たちに向かって「特撮ものは撮影に時間がかかるし、台本を一度読んだだけでは分かりづらいところもあるし、長くやっているうちにもしかしたら不安になる瞬間が来るかもしれません。そういうときはスタッフさんを信じて、みんなが味方、仲間、家族なんだと思っていれば、きっと自分が思っている以上のいい画が生まれます。みんなで励まし合って、1年間がんばってほしいです」と、頼もしいアドバイスを投げかけた。

本島は南野の優しさに満ちた言葉を受け「現段階では毎日の撮影が楽しいという気持ちしかありませんが、これからは楽しいだけでは乗り切れないこともあるんじゃないかと思います。いまいただいた言葉を肝に銘じて、備えあれば憂いなしの気持ちで取り組みます」と、感謝を込めて力強く返答した。そして「『仮面ライダーガッチャード』はストーリー全体も明るくて、子どもたちから大人まで、どんな世代の方にも観ていただきやすい作品だと思っています。新しい出会いにワクワクするとか、挑戦することを恐れないとか、『ガッチャード』という作品を通じて『誰かの背中を押す』ことができれば嬉しいです!」と、『仮面ライダーガッチャード』があらゆる人々を勇気づけ、励ませるような作品になってほしいと期待し、大きな瞳をキラキラ輝かせながらコメントした。

マスコミ向けフォトセッションでは、本島がガッチャードへの「変身プロセス」の一連と、決めの「ガッチャ!」ポーズを披露。

仮面ライダーガッチャード スチームホッパーの勇姿。ライトの反射を受け、キラキラと輝くブルーの装甲が目をひいた。ベルト「ガッチャードライバー」の左右に装填した2種類のライドケミーカードによって、さまざまな姿にチェンジして強敵と戦うガッチャードの活躍に期待したい。

新番組『仮面ライダーガッチャード』は2023年9月3日より、テレビ朝日系全国ネットで毎週日曜9:30~10:00放送。

キャスト
本島純政、松本麗世、藤林泰也、安倍乙、富園力也、熊木陸斗、沖田絃乃、宮原華音、坂巻有紗、加部亜門、南野陽子、石丸幹二 ほか
スタッフ
原作:石ノ森章太郎
脚本:長谷川圭一、内田裕基 ほか
監督:田崎竜太 ほか
アクション監督:福沢博文(レッド・エンタテインメント・デリヴァー)
特撮監督:佛田洋(特撮研究所)
音楽:高木洋
主題歌:BACK-ON(TEEDA、KENJI03)
ゼネラルプロデューサー:大川武宏(テレビ朝日)
プロデューサー:芝高啓介(テレビ朝日)、湊陽祐(東映)
制作:テレビ朝日・東映・ADKエモーションズ

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