ソリマチグループは8月2日、「フリーランス・小規模事業者のインボイス制度への対応実態調査」の結果を発表した。同調査は7月4~5日、フリーランスや小規模事業者300人を対象に、インターネットで実施した。
インボイス制度について知っているか尋ねたところ、82.3%が「よく知っている」「概要を知っている」と回答。インボイス制度への対応状況を聞くと、「すでに対応している」「2023年10月までに対応予定」と答えた人は、小規模事業者は76.0%であったが、フリーランスは、34.0%にとどまっている。
インボイス制度に対して「対応する予定がない」と回答した人は、小規模事業者は11.0%だったのに対しフリーランスでは約3倍の31.5%だった。
現時点でインボイス制度への対応をしていない人に、その理由を聞くと「免税事業者でいることを決定(または検討)しているから」(32.7%)が最も多く、次いで「現状の事業や売上に影響がなさそうだから」(26.1%)、「取引先の都合上、課税事業者になる必要がないから」(19.9%)、「手間がかかりそうだから」(18.5%)、「忙しいから」(12.8%)と続いた。
インボイス制度に対応済または10月の開始までに対応すると回答した人に、どのように対応するのかを尋ねたところ、「会計ソフトを利用」(35.4%)が最も多く、次いで「顧問に任せる」(31.3%)、「自身で対応」(29.2%)と続いた。
取引先からインボイス制度への対応状況・適格請求書発行事業者番号について、確認されたことはあるか尋ねると、45.3%が「ある」と回答した。確認されたことがあると回答した人のうち、61.0%が「対応状況の確認のみ」、37.5%が「対応依頼があり元々対応していた(予定)のでインボイス制度に対応した」、9.6%が「対応予定はなかったもののインボイス対応を依頼されたので対応した」と答えた。
インボイス制度への対応状況や適格請求書発行事業者番号を確認されたことがあると回答した人に、インボイス制度対応を行なった結果、困ったことがあったかを聞くと、小規模事業者や本業でフリーランスの人の8割以上が「特にない」と回答した。
一方、副業でフリーランスをしている人に限ると、77.4%が 「売上への影響が出た」「取引が中止になった」「予定外の出費が発生した」のいずれかを回答している。
インボイス制度への対応について、不安に思うか尋ねると、58.3%が「とても不安がある」「不安がある」と答えた。不安を感じると回答した人に理由を聞くと、フリーランスは、「収入が減る」(47.6%)が最も多く、次いで「経費が増加するかもしれない」(35.5%)、「請求業務への対応が増える」(34.7%)となった。
一方、小規模事業者では、「請求業務への対応が増える」(43.1%)が最も多く、次いで「経費が増加するかもしれない」(29.4%)、「対応方法がわからない」(21.6%)と続いている。
インボイス制度への対応に不安を感じると回答した人に、インボイス制度の相談先について聞くと、小規模事業者では80.4%が「税理士」と回答した。一方、フリーランスでは、「相談先は特にない」(35.5%)が最も多く、約3人に1人は困った時の相談先がないこともわかった。