Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」は、生活者の防災意識と人生100年時代における幸福度の関係性を明らかにする意識調査の結果を8月7日に発表した。調査は2023年6月に実施され、20~80代の男女728名を対象に行われた。

  • 防災に関することについて、「取り組めている・準備できている」こと

はじめに、 防災に関することについて、「取り組めている・準備できている」ことに当てはまるものを1つだけ選んでもらうと、最多は「地域のハザードマップを把握すること」で40.2%だった。次いで「避難場所や避難経路を確認すること」(39.5%)、「食料や飲料を備蓄すること」(37.8%)が続くなど、自分で身を守る「自助」の項目は割合が高い傾向にあることが判明。

一方で、「近隣住民といざというときに助け合えるように協力すること」が15.7%、「地域の防災訓練に参加すること」が15.4%となり、地域の助け合いを示す項目はどちらも1割台にとどまった。

  • 生活の中で近隣住民に助けられた、助けてあげたことはあるか

生活の中で近隣住民に助けられた、助けてあげたことはあるかと尋ねると、「助けられたことがある」人は18.4%、「助けてあげたことがある」人は22.0%だった。

  • 地元(今住んでいる場所)について、どう感じるか?「この街に住んでいて幸せだと思う」

地元(今住んでいる場所)について、「この街に住んでいて幸せだと思う(とても思う+どちらかといえば思う)」と回答した人の中で、近隣住民に「助けられた・助けたことがある」人は67.3%という結果に。助けられたことも助けたこともない人の47.6%と比べ、19.7ポイント高い結果となった。

  • 「身体の健康」「心の健康」「人や社会とのつながり」について満たされているか

また、 現在「身体の健康」「心の健康」「人や社会とのつながり」について、どれくらい満たされていると感じるか10点満点で満足度を尋ね、近隣住民に助けられた/助けた経験の有無別に比較したところ、経験がある人は「人や社会とのつながり」が6.37点となり、経験なしと比べて1点増という結果に。

「身体の健康」については6.24点で経験なしと比べて0.51点増、「心の健康」は6.52点で経験なしと比べて0.71点増となり、助けられた/助けた経験がある人は、心身の健康の満足度も高いことが明らかになった。

  • 人生100年時代において、100歳まで生きたいと思うか

人生100年時代において、100歳まで生きたいと思うかと聞くと、近隣住民に助けられた/助けた経験のある人は35.6%が「とてもそう思う」もしくは「ややそう思う」と回答。経験がない人と比べ、1.4倍(10ポイント)高くなり、人生100年時代を前向きに捉えていることがわかった。