米Appleが8月3日(現地時間)に発表した同社2023年度第3四半期(2023年4〜6月)決算は売上高1%減(前年同期比)、純利益2%増(同)の減収増益だった。iPhoneが減速した一方、サービス収入が予想を上回る伸びで四半期の過去最高を更新し、売上高・利益ともアナリストの予想平均を上回った。
4〜6月期の売上高は817億9700万ドル(前年同期比1%減)、純利益は198億8100万ドル(同2%増)だった。希薄化後の1株あたり利益は1.26ドル。売上総利益率は44.5%。市場予想の平均は、売上高816億9000万ドル、1株利益1.19ドル、売上総利益率44.3%だった。
4〜6月期にAppleは、5月にiPad版の「Final Cut Pro」と「Logic Pro」をリリース。6月に開発者カンファレンス「WWDC23」を開催し、15インチのM2搭載「MacBook Air」、M2 Max/M2 Ultra搭載「Mac Studio」、M2 Ultra搭載「Mac Pro」などを発売した。以下は製品カテゴリー別の売上高(増減は前年同期比)。
- iPhone:売上高396億6900万ドル(2%減)
- Mac:売上高68億4000万ドル(7%減)
- iPad:売上高57億9100万ドル(20%減)
- ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高82億8400万ドル(2%増)
- サービス:売上高212億1300万ドル(8%増)
iPhoneは市場予想(399億1000万ドル)を下回った。Macは7%減と前年同期比減少率がiPhoneより大きいが、市場予想(66億2000万ドル)を上回った。インフレや景気悪化からスマートフォン販売の苦戦が続く一方で、PCは市場の縮小が緩和し始めている。iPadは昨年の4〜6月期にM1搭載「iPad Air」が好調だったのに対し、今年前半は「Final Cut Pro」と「Logic Pro」のリリースのみであり、売上高の減少から実際のiPadの需要を判断するのは難しい。
サービスは、4〜6月期にサブスクリプションサービスの有料会員が10億人の大台を突破。コンテンツ配信、AppleCare、クラウド、決済サービスなど多くのカテゴリーで売上高の記録を更新し、広告、App Store、Apple Musicが6月期の最高だった。
地域別では、アメリカスが売上高353億8300万ドル(前年同期比6%減)と減少したが、中国が157億5800万ドル(同8%増)と加速した。日本は48億2100万ドル、同11%減だった。