ネスレ日本は8月3日、「ネスカフェ」の新コンセプト"Make your world"の日本での展開にあたり、2023年秋より「ネスカフェ」の新しいブランドコミュニケーションを開始することを発表しました。

■新コンセプトは"Make your world"

新たに掲げるコンセプト"Make your world"は、グローバルブランドであるネスカフェを通じ、サステナビリティに取り組むことを同社が表明するものだといいます。

  • 新コンセプト"Make your world"

発表会に登壇した、同社 マーケティング & コミュニケーションズ本部 コーポレートアフェアーズ統括部 山口恵佑氏は「コーヒー栽培を取り巻く課題」として、

【1】気温上昇の影響により2050年までにコーヒー生産地に適した地域が最大で50%減少すること
【2】約1億2,500万人がその生計をコーヒーに依存していること
【3】コーヒー生産世帯の80%が貧困ライン以下で生活をしていると推定されること

の3点を提示しました。

  • 同社 マーケティング & コミュニケーションズ本部 コーポレートアフェアーズ統括部 山口恵佑氏

これらの課題に立ち向かうべく、ネスカフェは「ネスカフェ プラン2030」と題したプロジェクトを、昨年10月より推進しています。2030年までの目標として、再生農業を通じたコーヒー豆を50%調達すること、温室効果ガス排出量を50%削減することを掲げ、2030年までに10億スイスフランの投資を計画していることを明かしました。

  • ネスカフェ プラン2030

山口氏は同プロジェクトの現在の進捗状況を報告すると共に、「目標に対し順調に推移している」とし、「ネスレは、皆さまがおいしいコーヒーを飲み続けられるために『ネスカフェプラン』を加速させ、コーヒーのサスティナブルな未来を目指していきます」と力を込めました。

■ネスカフェを"自分のブランド"と感じてもらいたい

続いて登壇した、同社飲料事業本部 ソリュブルコーヒー & システム・ギフトボックスビジネス部 中西弘明氏は、ネスカフェブランドの今後の戦略について説明しました。

  • 同社 飲料事業本部 ソリュブルコーヒー & システム・ギフトボックスビジネス部 中西弘明氏

「ネスカフェの根底の部分に『サスティナビリティ』があることを発信することで、コーヒーに情緒的な価値を結び付けていきたい」と中西氏は話します。

「なんとなく毎朝飲んでいるから」「目を覚ますために飲む」といった機能的側面だけではなく、「自分のライフスタイルに欠かせないから」「ブランドの姿勢に共感するから」など、もう一歩消費者の暮らしに踏み込んだ存在として選ばれるブランドを目指すべく、自社のメッセージやサスティナブルへの取り組みを発信していく方向を示しました。

■2023年秋に主要商品のパッケージも刷新

消費者にとってのブランド価値を高めていくにあたり、主要製品のパッケージデザインの刷新も行うといいます。中西氏は、「生活になじみ、商品が置いてあるだけで部屋が明るくなると感じてもらえるよう、シンプルかつ親しみやすいデザインにこだわって開発をしました」と新パッケージへの思いを語りました。

  • 主要商品のパッケージを刷新

新パッケージは8月から9月にかけて、スーパーなどの販売店に並ぶそうです。

  • 主要商品のパッケージを刷新

パッケージの裏面には、責任ある調達基準を満たしたコーヒー豆を使用している旨を記載し、サスティナビリティへの取り組みを訴求しているといいます。記載のQRコードからは、詳細情報を確認することができるそう。

  • パッケージの裏面には、サスティナビリティへの取り組みに関する記載が

「一杯のコーヒーを通し、人々の生活や地球にポジティブなインパクトを与えたい」という理念のもと様々な課題解決に挑み続ける「ネスカフェ」から、今後も目が離せません。