マイナビは7月28日、全国の企業、個人それぞれを対象に実施した、「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(2023年5-6月)」の結果を発表した。
企業の求人ニーズ(2023年5-6月に非正規雇用者の採用活動を行った企業の割合)は26.8%(23年3-4月比:+2.6pt、22年5-6月比:+4.6pt)で、調査開始以来過去最高となった。
個人の求職ニーズ(2023年5-6月に非正規雇用の求職活動を行った個人の割合)も17.4%(23年3-4月比:+0.1pt、22年5-6月比:+1.2pt)となり、非正規雇用の採用活動・求職活動ともに増加した。特に企業の採用ニーズは高まっている様子がうかがえる。
アルバイトとして新しく働き始めた人で、現在の職場で服装や身だしなみに決まりが設けられている割合は61.9%だった。
一方で、職場の服装や身だしなみの自由化に対する賛否を聞いたところ、「どちらかというと賛成」が50.5%と最も高く、次いで「賛成」が33.7%となり、賛成派が8割を超えた。
年代別では、10代で「賛成」が54.5%と最も高く、次いで20代で43.6%となり、若年層を中心に賛成派が多いことがわかった。
服装・身だしなみ自由化に賛成の理由を聞いたところ、「自分らしく働けるため」が58.0%で最も高く、次いで「前向きな気持ちで仕事ができるため」が37.2%となった。
また、服装・身だしなみの自由化により仕事探しや働く意識に影響があるかを聞くと、「仕事探し時に、応募意欲が上がると思う」は55.7%「長く働きたいと思う」は57.5%となった。
直近5年間でアルバイトの職場での服装や身だしなみの規定について緩和状況を聞いたところ、「直近5年間で緩和済み」は36.7%となった。
また、緩和済み企業にメリットを聞いたところ、「従業員のモチベーション維持に繋がる」が33.7%と最も高く、次いで「応募者が増える」が30.2%、「個性を活かして働いてもらえる」が29.8%となった。
一方で、緩和をしていない企業に懸念点を聞いたところ、「お客さんに不快感を与えてしまう・印象が悪い」が54.0%と最も高く、次いで「清潔感や衛生面」が45.5%となった。
働き手の服装・身だしなみの自由を認めることは、働き手が個性を活かして生き生きと働ける環境づくりに繋がるだけでなく、働き手の活躍や人材の確保・定着に期待する企業が多い。しかし、業態によっては、顧客への配慮や衛生面の観点から規定緩和が難しい企業があることがわかった。
今回の調査結果を受けて、調査担当者であるキャリアリサーチラボ 研究員 三輪希実氏からは、以下のコメントが寄せられている。
一方で4割の企業が直近5年間で服装や身だしなみの規定を緩和しており、時代の変化により、ジェンダーフリーや多様性の受容が重要視されるようになったことが影響していることが考えられます。
企業の成長や人材の確保には、働き手が働きやすい環境を整備することが求められます。衛生面や安全面などに配慮しつつも、改革の施策のひとつとして、服装や身だしなみの規定を見直す企業はこれからも増えていく可能性が考えられます。
【調査概要】
「非正規雇用市場における採用・求職動向レポート(23年5-6月)」
○調査期間/企業:2023年7月1日~7月3日 個人:2023年7月1日~7月4日
○調査方法/WEB上のアンケートフォームより入力
○調査対象/
<企業>
スクリーニング調査:従業員数10名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、自社の採用方針を把握している人
本調査対象:上記のうち、自社の非正規雇用労働者の採用方針について把握しており、直近2カ月以内に採用活動を行った又は新規採用を行った人
<個人>
スクリーニング調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)
本調査:全国の15-69歳の男女(中学生を除く)のうち、直近2カ月以内に非正規雇用の仕事探しをした人
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/
企業…スクリーニング調査:17,000名 本調査:1,038名
個人…スクリーニング調査:16,472名 本調査:1,609名