01Booster(ゼロワンブースター)は、7月31日より、液体サプリメントをミスト状にして飲むミストサプリメント「IN MIST(イン ミスト)」を公式ECサイトにて販売する。

クラウドファンディングのMakuakeにて2023年4月にプロジェクトを開始し、目標金額800%、販売本数は累計800本以上、販売総支援金額160万円を達成した注目を集めるプロダクトは、どのように開発されたのだろうか。

これまでにない「ミストでサプリメントを飲む」という形態の「IN MIST」は、栄養成分をミスト化することで、口内からすぐ吸収が始まりダイレクトに栄養を吸収できるプロダクトだ。水が不要でワンプッシュで使用できるため、デスクやベッドサイドなどどこでも手軽に栄養補給ができる。

  • 写真左より、01Booster 長田知也氏、電通コンサルティング 八木薫郎氏

今回「IN MIST」の開発を行った、01Booster 長田知也氏と電通コンサルティング 八木薫郎氏に話を伺った。

ミストでサプリを"飲む"メリットは?

  • 「IN MIST」(各2,980円)

――「IN MIST」の特長である「ミストで飲む」サプリメントはこれまでにない形態です。開発の背景は?

長田氏:開発のはじまりは5年ほど前、サントリーが行った社外コンペで「ミスト飲料」を提案したことです。現在は「IN MIST」事業化のため01Boosterに出向していますが、元々自分はサントリーの飲料事業で新規事業やR&Dの戦略立案に携わっており、八木さんが提案した「ミスト飲料」のメンターとして関わっていました。

  • 01Booster ビジネスディベロップメントマネージャー 長田知也氏

八木氏:普段は商品やサービスの事業をイチから考える仕事をしていますが、この仕事が好きなんですよね。会社の外でも提案できる場所がないかなと探しては、面白いアイデアを貯めて挑戦していました。「IN MIST」のアイデアは、深夜に「シャワーと飲み物の面白さをかけ合わせたらどうなるんだろう」と考えたことが大元です。

  • 電通コンサルティング シニアコンサルタント 八木薫郎氏

長田氏:最初は「ミストシャワー飲料」というアイデアでしたよね。ただその時点では事業化できなかったんです。いつか事業化したいな……と悶々としつつも、新しい事はハードルが高くて。昨年立ち上がったサントリーの社内ベンチャー制度に応募して事業プランが採択され、その制度をサポートする01Boosterでの事業化が実現しました。

八木氏:長田さんから事業化の話を聞いた時は「まじすか!?」と思いましたね(笑)。実は僕自身も諦めきれなくて、関係者にプロトタイプを使ってもらったり、見てもらったりしていたんです。嬉しかったし、やっぱりという気持ちもありました。

――お二人の諦めない思いが事業化につながったのですね。「IN MIST」のようにミストでサプリメントを摂取するメリットは?

長田氏:手軽に効率よく、おいしく栄養を摂取できることです。僕もサプリメントを飲んでいますが、飲む努力をしてもつい飲み忘れてしまうんですよね。また大学で食品化学や生物系の分野を専攻していたこともあり、「1日1回サプリメントを飲んだところで意味があるのか? 一度に摂取しても吸収しきれないのでは?」と疑問を感じていました。

一方で「ミスト飲料」をブラッシュアップしていくなかで、付加価値が弱いという課題もありました。そこでミスト飲料の付加価値として、「サプリメント」をかけ合わせられないかと着想したのが「IN MIST」です。

栄養成分をミスト化することで、口内からすぐに吸収が始まること、また水が不要かつワンプッシュで摂取できるので、習慣化しやすいサプリメントになりました。錠剤のように1日1回ではなく、複数回飲めるので効率的な栄養補給が可能です。

「ミストで飲む」斬新なアイデアならではの苦労も

――「IN MIST」開発にあたりこだわった点、苦労した点は?

長田氏:「ユーザーがお金を払って求めてくれるものを作れるか」は考え抜きました。栄養を入れながらもおいしいサプリメントになるよう、栄養成分を少量の液体に凝縮する技術を独自開発したりと、サントリーやサントリーウエルネスのノウハウも活用してつくっています。

八木氏:「サプリメントをミストで摂取する」ことは、誰もやったことが無い新しい行動です。そのため見た目が逸脱したものではなく、ワンプッシュで摂取できる、生活にうまく溶け込んだプロダクトづくりにこだわりました。

長田氏:スプレー缶自体も、香り立ちと味わいがよくサプリメントの品質も保てるエアゾール缶を採用しています。口あたりの良いミスト感になるよう、ミスト噴出機構も独自に設計しました。

  • 飲み口の形状も工夫して、ノズルは100個近く試したそう

八木氏:ただエアゾール缶に食品を詰める前例がなく、製造できる企業を探すことに苦労しましたね。熊本の工場に協力してもらい、そこからは速いスピードで製品化できました。

長田氏:「IN MIST」は栄養成分がパウチに入っており、ガスに触れない構造になっています。またボトル内で成分を光や空気から保護することで劣化を抑制し、衛生面・品質面も良好に保てる設計です。技術開発にはパッケージメーカー、バルブメーカー、様々な企業さんに協力してもらいました。

サプリの飲用シーンを変える「IN MIST」

――「IN MIST」には3つのラインナップがあります。

  • 左から、7種のビタミンを凝縮したエナジードリンクフレーバー「Vitamin Maintenance」、ビタミンCとヒアルロン酸を配合した「ClearWhite Lemon」、L-テアニンを配合したジャスミンティーフレーバー「Goodnight HerbTea」(各2,980円)

長田氏:サプリメントといえばマルチビタミン、ということと、マルチビタミンのサプリはおいしくつくれそうだな、と着想してエナジードリンクフレーバーの「Vitamin Maintenance」をつくりました。「ClearWhite Lemon」はビタミンCと低分子ヒアルロン酸を配合した爽快なフレーバーです。ビタミンCは美容ニーズがありますし、酸味が強めの味わいはくせになるすっぱさです。

八木氏:ビタミンは体から流れやすく、こまめに少しずつ摂取したほうが効率が良いので「IN MIST」とも相性が良いと考えています。また水なしで飲めるから、外出先でも気軽に摂取できる。朝起きた時にシュッとすると、すっぱさで目が覚めるという声もありました。

長田氏:「水なしで飲める」ことで、サプリメントを飲むシーンが変わりましたね。キッチンや洗面所など水のある場所ではなく、オフィスや寝室など場所を問わず栄養成分が補給できます。

――ビタミンのフレーバーが揃うなか、「Goodnight HerbTea」は少し異なる印象です。

長田氏:L-テアニンを配合した「Goodnight HerbTea」はほか2つとは違う路線で思い付いたフレーバーです。寝ていて口が渇いた時、ベッドサイドに置いておけば横になったままでも水がわりに口を潤せますし、就寝前にL-テアニンをすぐ吸収できるメリットもあります。また、ジャスミンティーの香りでリラックスしてほしいですね。

――4月に開始したMakuakeのプロジェクトでは、目標金額800%、累計800本以上を販売しました。社内外の反響はいかがですか?

長田氏:社内からの反響は非常に好評です。サントリーの社員がこんなに面白い製品をつくって実績を挙げた、と盛り上がりました。購入者からは、「おいしい」「新しい体験」といったコメントが寄せられており、良い結果だったと受けて止めています。また高齢の方も購入してくださっていて、錠剤を飲めない方のニーズもあるかもしれません。

――最後に、「IN MIST」の購入を検討されている方へのメッセージをお願いします。

長田氏:「ClearWhite Lemon」はいつでもどこでも飲めるので、まさにビタミンC・ヒアルロン酸をこまめに摂取したい方にオススメですね。マルチビタミンの「Vitamin Maintenance」は、サプリメントを習慣化できなかったけれど飲みたい方に、「Goodnight HerbTea」は寝ている時に口が渇いたり寝つきが悪い方、またアロマが好きな方のベッドサイドに置いてほしいです。

八木氏:「IN MIST」は、自分の体に良い栄養成分を簡単に摂れる製品です。また、口の中においしいミストがパッと広がっていく摂取体験は新しいもの。新しい体験をしたい、健康になりたい人にはぜひ手に取ってほしいです。健康に関連するアイテムは多いですが、様々な悩みを抱えている人がどうすれば解けるのかということを考えています。今後もラインナップを増やしていって、色々な方の意見を聞いていきたいですね。


Makuakeで成功を収めた「IN MIST」は、7月31日より公式ECサイトでの販売を開始している。また、未来の日用品店「New Stand Tokyo」の店舗・ECでも期間限定で取り扱う。