Linuxの開発者であるLinus Torvalds氏は7月31日(現地時間)、メーリングリストに「Let's just disable the stupid fTPM hwrnd thing(バカなfTPMを無効化しよう)」と題したメッセージを送信した。AMD Ryzenプロセッサが内蔵するfTPMのバグがLinuxカーネルに問題を起こしており、fTPMを使う機能を無効化すべきだという。
Ryzenプロセッサにはセキュリティ機能としてfTPM(IntelではIntel PTTを内蔵)が内蔵されており、Windows 11のインストールにおいては要件としても掲出されている。このAMD fTPMのハードウェア乱数生成器にバグが存在していたことが発端となっており、一部の環境でシステムがスタッタリングが発生。BIOSアップデート等で対処が試みられたが、一部の環境では依然として症状が残っているという。
これを受けてリーナス・トーバルズ氏は、「バカなfTPMを無効化しよう。ブート時に異なるソースからエントロピーを収集するために使うことはあるかもしれないが、実行中に使うべきではないのは明らかだ。この問題が修正されたとされる(実際はされていないが…)マシンにはCPUのrdrand命令もあるはずなのに、なぜfTPMを使う必要があるのか?rdrand命令が信用できないなら、なんでそれよりも多くの問題を引き起こしているfTPMを信用できるのか?だから、fTPMは動いていないとすることにデメリットはない」とメーリングリスト内で発言。これに加える形でrdrand命令の遅さを擁護しつつ、fTPMのスタッタリングほどではないと言及している。