岸本斉史氏による忍者バトルアクション漫画『NARUTO-ナルト-』(以後、NARUTOと表記)。1999年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が開始され、2014年に全700話で完結。海外でも人気を集めており、単行本の発行部数は全世界累計2億5,000万部を突破しています(2023年時点)。

本作は火の国・木ノ葉隠れの里で生きる忍者たちを中心とした物語であり、 忍の世界で生きる者たちの友情やライバルとの死闘、師弟関係などが描かれています。そして、主人公のナルトが暮らす木ノ葉隠れの里の長は、代々「火影」と呼ばれます。

本記事では、この歴代火影の強さの秘密や特徴、それぞれの死因を紹介していきます。

『NARUTO』の歴代火影

火影とは、火の国にある木ノ葉隠れの里の長の呼称です。初代火影・千手柱間が命名し、これまでに7人の火影が存在しています。

ここからは、歴代の火影の能力や死因などをそれぞれ紹介していきます。

初代火影:千手柱間

初代火影は千手柱間(せんじゅはしらま)です。柱間は忍宗の開祖である六道仙人(りくどうせんにん)の血を引いており、森の千手一族の長でもあります。木ノ葉隠れの里の創設者の一人で「忍の神」と呼ばれる柱間は、忍者たちを実力によってランク分けするシステムや、忍教育のアカデミーなども考案しています。

千手柱間の忍術・能力

限られた忍にしか扱えない血継限界・木遁忍術の使い手。膨大なチャクラを活用した再生忍術も習得しているほか、封印術や仙術、幻術、結界術などの使い手でもあります。さらに人知の範疇を超えた力を持つ魔獣・尾獣を操ることも可能です。

千手柱間の死因

柱間の死因は、作品の中で明言されていません。孫である綱手は「夢半ばに里のために犬死にした」と語っています。

二代目火影:千手扉間

二代目火影の千手扉間(せんじゅとびらま)は、初代・柱間の弟です。柱間とともに木ノ葉隠れの里を創設者した一人で、木ノ葉警務部隊やアカデミーを設立するなど、里の繁栄の基盤を作った人物でもあります。里のためには非情に徹することもできる、合理主義者として知られていました。

千手扉間の忍術・能力

火遁、水遁、土遁、雷遁、風遁をすべて使いわけ、陰陽遁もマスターし、忍の天才とも言われます。影分身の術、飛雷神の術などさまざまな高等忍術を考案・開発しており、死者をよみがえらせて操る禁術「穢土転生」の開発者です。

千手扉間の死因

雲隠れの里と和平協定を結ぼうとした際に、雲隠れの里でクーデターが起こり、木ノ葉隠れの里の忍たちを逃がすために、扉間がおとりになりました。最終的には里に戻ってきましたが、その時に負った傷が原因で命を落とすことになりました。

三代目火影:猿飛ヒルゼン

三代目火影の猿飛ヒルゼン(さるとびひるぜん)は「教授(プロフェッサー)」と呼ばれ、優しく穏健なため里の人々から信頼を得ています。一度、四代目に火影の座を譲りますが、四代目が殉職した後、再び火影の座につきました。柱間・扉間の弟子にあたる人物です。「伝説の三忍」と呼ばれる大蛇丸(おろちまる)・自来也(じらいや)・綱手(つなで)の師匠でもあります。

猿飛ヒルゼンの忍術・能力

木ノ葉の里にある全忍術を解き明かした天才。すべての属性の忍術を扱うことができ、素早い動きで体術にも優れています。秘伝や幻術のほか、「屍鬼封尽」などの禁術も使用できます。

猿飛ヒルゼンの死因

木ノ葉隠れの里へ侵攻してきた大蛇丸と対峙し、彼が「穢土転生」で蘇らせた初代・二代目火影と戦うことに。「屍鬼封尽(しきふうじん)」という自らの命を犠牲にする禁術を使って彼らを倒し、命を落としました。

四代目火影:波風ミナト

四代目火影の波風ミナト(なみかぜみなと)は、金髪碧眼の好青年で、22歳という若さで火影の座につきました。忍界最速という素早さから「木ノ葉の黄色い閃光」との異名を持っています。うずまきナルトの父親で、暴走した九尾を封印した里の英雄でもあります。

波風ミナトの忍術・能力

瞬間移動する時空間忍術の使い手で、「飛雷神の術」「瞬身の術」を得意としています。またチャクラを球状にして敵にぶつける「螺旋丸」という術を考案しました。この「螺旋丸」はのちにナルトの必殺技となりました。

波風ミナトの死因

暴走した九尾を封印するため、自らの命を犠牲にする禁術「屍鬼封尽」を使い命を落としました。この際、九尾の陽のチャクラはナルトに、陰のチャクラは自身に封印しています。

五代目火影:綱手

五代目火影となった女性忍者の綱手は、初代火影・千手柱間の孫にあたります。大酒飲みで、弱いにも関わらず大のばくち好きで「伝説のカモ」と呼ばれるほどです。自来也、大蛇丸とともに「伝説の三忍」とも称されています。外見は若々しく30代ほどに見えますが、実年齢は自来也たちと同年代の50代です。

綱手の忍術・能力

綱手は医療忍術のスペシャリストで「病払いの蛞蝓綱手姫」と呼ばれたこともあります。スリーマンセルの班に医療忍者を加えるというスタイルを考案したのも彼女です。額についた青いひし形の模様には「百豪の術」でチャクラをためており、そのチャクラを開放することで再生忍術の「創造再生」を発動し、けがなどを治癒させることが可能です。

綱手の現在

第四次忍界大戦にて、綱手はうちはマダラに体を真っ二つに切られたこともありますが、一命を取り留めました。その生命力はすさまじく、最終話時点でもまだ存命です。

六代目火影:はたけカカシ

六代目の火影となったのは、うずまきナルトの師であるはたけカカシです。5歳で下忍、6歳で中忍、12歳で上忍になった天才で、かつては暗部(暗殺戦術特殊部隊)に属していました。顔の下半分をマスクで、左目を額当てでつねに覆っています。仲間思いで人望もあり、師匠としても高い指導力を持つ人物です。ナルトからは「カカシ先生」と呼ばれています。

はたけカカシの忍術・能力

うちはオビトから血継限界の「写輪眼」を譲り受けており、他人の術をコピーできるため、1,000種以上の技を扱えます。雷を切ることができる「雷切」(正式名称「千鳥」)という自身が考案した高等忍術を得意技としています。

はたけカカシの現在

はたけカカシはペイン六道の天道との戦いで、放たれたミサイルを消失させるため「神威」を使用して死亡します。死の世界に行った彼は父親であるサクモと和解しました。その後、自来也の元弟子である長門の「外道・輪廻天生の術」により蘇生。最終話時点でもまだ存命です。

七代目火影:うずまきナルト

はたけカカシから火影を受け継いだ七代目火影は、主人公でもあるうずまきナルトです。かつてはアカデミーの落ちこぼれだったナルトですが、人間としても忍としても成長し、多くの人から認められる忍となりました。四代目火影・波風ミナトの血を引くナルトは、体内に九尾の妖狐を封印した人柱力で、生まれたばかりで両親と死別しています。

うずまきナルトの忍術・能力

九尾が封印されている人柱力で、生まれながらに膨大なチャクラを有しています。得意技は、父親である波風ミナトが開発した「螺旋丸」という忍術。豊富なチャクラを活かした「多重影分身の術」による陽動作戦や情報収集に長けるほか、人柱力であるため「尾獣玉」も使用できます。

うずまきナルトの現在

うずまきナルトは第四次忍界大戦終戦から10年後、連載の最終話に七代目火影となりました。日向ヒナタと結婚し、息子のボルトと娘のヒマワリを授かっています。ナルトは存命で、息子のうずまきボルトを主人公とするスピンオフコミックス『BORUTO-ボルト- -NARUTO NEXT GENERATIONS-』にも登場し、父親としての苦労を抱えながらも、火影の任務を果たしています。

歴代火影の強さランキング

マイナビニュース会員の男女403人に歴代火影の中で最強だと思うキャラクターを聞いてみたところ、ランキングはこのような結果になりました。マイナビニュース会員から寄せられたコメントもご紹介していきます。

1位:七代目火影/うずまきナルト(40.1%)
2位:初代火影/千手柱間(14.4%)
3位:六代目火影/はたけカカシ(9.3%)
4位:五代目火影/綱手(8.6%)
5位:三代目火影/猿飛ヒルゼン(7.4%)
5位:四代目火影/波風ミナト(7.4%)
7位:二代目火影/千手扉間(5.1%)

七代目火影/うずまきナルト

・「九尾が体の中にいるし、修行の末に仙人モードを使えるようになってさらなる進化を遂げるまさに最強キャラ」(51歳男性)
・「ウルトラマンでも仮面ライダーでも、後の世代になるほど強いので。実世界のスポーツ選手でも先代の経験を糧に技術や訓練法を進化させてゆくからだと思います」(60歳男性)
・「主人公だから最強だと思います」(42歳男性)
・「穏やかに見える容姿とは裏腹に成長した人間の大きさが感じられる」(50歳男性)
・「とてもカッコイい見た目で、中身も伴っているから」(54歳男性)
・「実際の戦いの中で最強だと思ったから」(65歳男性)
・「個人的に好きで強いと思ったから」(50歳女性)
・「術はもちろん、メンタルも最強だと思うからです」(49歳女性)
・「やっぱり主人公が一番強くないと」(58歳男性)
・「ナルトはジャンプ作品だから。主役は最後には最強になるから」(50歳男性)

初代火影/千手柱間

・「何と言っても初代の圧倒的な強さは群を抜いている」(61歳男性)
・「木遁など多数の忍術を使うことができ、転生者でもあり、人格もよいから」(45歳男性)
・「初代の力は生命の源だから。これにかなう火影はいないでしょう」(42歳男性)
・「どれも最強とは思うが、やはり初代だから印象深い」(43歳男性)
・「最初に見た印象がやはりすごすぎるかな。そのときの強烈な強さの印象が残っている」(68歳男性)
・「間違いなく初代火影の千手柱間だと思う。すべて忍の頂点にいる」(40歳男性)
・「細胞レベルで別物だから」(31歳男性)
・「初代でインパクトが大きいから」(43歳女性)
・「綱手の家系で一番強そうな感じだから」(59歳女性)
・「数々の能力を持っていて結界術や傷を治す能力がすごい」(50歳男性)

六代目火影/はたけカカシ

・「写輪眼の威力がすごいと思うので」(54歳男性)
・「精神力が強く、努力家だから」(55歳男性)
・「虚勢を張っていない感じ」(55歳男性)
・「やることなすことすべてがかっこいい」(70歳男性)
・「一番頼りになるし、ナルトの先生だったから」(42歳女性)
・「一番思い出に残ってるなぁと思ったので。また読み直そうかな」(31歳女性)
・「クールでカッコいいから好き」(39歳男性)

五代目火影/綱手

・「紅一点。女の火影の迫力と華があり、色気もよい」(55歳女性)
・「ギャンブル好きで立派な医療忍」(32歳女性)
・「個人的には綱手が最強だと思う」(53歳男性)
・「強い女性像があって印象的」(30歳女性)
・「戦いを経て5代目に就任した後、本来の優しい姿に戻っていき、好きになりました」(49歳男性)
・「包容力があって、攻撃だけじゃなく癒やし手としても一流だから」(43歳女性)
・「医療系で、体の治療が可能なので」(48歳男性)

三代目火影/猿飛ヒルゼン

・「やはりヒルゼンの強さは秀でている」(43歳男性)
・「忍術を自在に操ることができるから」(54歳男性)
・「かっこよくて風情があるから」(51歳女性)
・「常に皆のことを考えている慈悲深い人」(49歳男性)
・「戦い方がすごくて素早い」(71歳男性)

四代目火影/波風ミナト

・「ナルトの父親でナルトに九尾を封印したから」(42歳男性)
・「ナルトの父親だからというのと、見た目に主人公感がある」(46歳男性)
・「強さだけではなくて、仲間思いなので!」(42歳男性)
・「主人公ナルトの父親で、やっぱり息子として尊敬しているだろうから」(67歳男性)
・「血筋が関係していないのが天才だと思う」(31歳男性)
・「一番人気のキャラクターですから」(46歳女性)

二代目火影/千手扉間

・「冷静に物事を判断できるので」(37歳女性)
・「二代目が一番知力が満ちており、国や仲間を思う気持ちが強いと感じています。多くの忍術を使い分けることができるところも強みの一つだと感じます」(61歳男性)
・「技が強くて一番強いと思う」(48歳男性)

『NARUTO』の火影とは

火影とは、『NARUTO-ナルト-』で主人公たちが暮らす火の国・木ノ葉隠れの里の長の呼び名です。代々、高い実力を持つ忍たちが名を連ね、そのリーダーシップで木ノ葉隠れの里を導いてきました。

この「火の国」の隠れ里である木ノ葉隠れの里が考案した火影というシステムは、他国からも高く評価されています。木ノ葉隠れの里を参考にして忍五大国にも同様のシステムができ、「水影」「風影」などのようにそれぞれの長が「●影」という称号で呼ばれるようになったことで、「五影」が誕生しました。

火影を復活させる穢土転生(えどてんせい)とは

二代目火影の千手扉間が開発した禁術「穢土転生」は、口寄せの術の一種で、死者の体などの一部を使用し、生贄の人間の肉体に死者の魂を入れて蘇らせる術です。蘇生した死者は生前の能力や体質などを保持したままで、攻撃されても死ぬことはありません。死者の頭に札を埋め込めば、その死者を術者の命令に従わせることができます。

作中では大蛇丸が木の葉の里に攻め入る際に初めて術を披露。初代火影の千手柱間と二代目火影・千手扉間の蘇生に成功しています。第四次忍界大戦では、大蛇丸の細胞を取り込んだ薬師カブトが歴代五影らを生き返らせました。

穢土転生の特徴

穢土転生は、術をかけた本人が解除しない限り止められません。解除前に術者が死亡してしまうと、死者たちは現生に残ったままとなってしまいます。また、死者が解除の印を知っていた場合や、死者が術者より強い能力を持っている場合などには、死者が暴走する可能性もあるといったリスクのある技です。

歴代火影の特徴や死因、強さランキングを紹介しました

『NARUTO』に登場する歴代火影について、それぞれの特徴や死因などを紹介しました。

『NARUTO』には優れた忍術や卓越した能力、高い指導力を持つキャラクターたちが多数登場します。それらをすべて併せ持つ傑出した存在が、木ノ葉隠れの里を率いてきた歴代火影と言えるでしょう。

連載終了から月日がたっても、いまだ国内外で高い人気を誇る『NARUTO』。火影たちは、この『NARUTO』人気を牽引してきた人気キャラクターとも言えます。この機会に、もう一度『NARUTO』を読み返してみてはいかがでしょうか?

調査時期: 2023年7月20日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計403人(男性: 311人、女性: 92人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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