ダブルクォーテーションとは文章やプログラムコードを書く上で重要な記号であり、正しく使いこなすことで、文章の読みやすさ、分かりやすさを向上させられます。
本記事ではダブルクォーテーションの詳しい意味や日本語/英語別の使い方と注意点、入力方法、シングルクォーテーションとの違いも説明します。
ダブルクォーテーションの意味や打ち方とは
ダブルクォーテーションとは「“」「”」と記載し、文章やプログラムコードを書く上で重要な記号です。「クォーテーション(quotation)」とは、引用文や引用を意味する英単語です。
ダブルクォーテーションは、欧米で用いられる引用符の一つであり、日本語にも使用されています。
意味合いとしては日本語のかぎかっこ(「」)や二重かぎかっこ(『』)に近く、文章中で引用や作品名などを記載する際に使用されます。ただし詳しくは後述しますが、日本語と英語だと少し使い方が異なるため注意が必要です。
またプログラミングや、エクセルの計算式などにおいてもよく用いられています。
日本語での名称は「二重引用符」など
英語では「double quotation marks」と言われることが多いですが、日本語ではこれをそのままカタカナ語にして「ダブルクォーテーション(マーク)」と言うのが一般的です。
「ダブルコーテーション」や、日本語に訳した「二重引用符」と呼ばれることもあります。
その他、「“」を「開始」で「”」を「終了」、「“」を「起こし」で「”」を「閉じ」などと呼んだりすることもあります。
パソコンのキーボードでの入力方法
ダブルクォーテーションをパソコンで打ち込みたい際は、「Shift」キーを押しながら「2」キーを押すと入力できます。ひらがなモードで入力した場合は「“」「”」、半角英数字モードで入力した場合は「"」と表示されます。
ダブルクォーテーションを日本語で用いる際の使い方や、よくある間違い
ダブルクォーテーションは、文章を読みやすく、分かりやすくするために重要な記号です。まずは日本語の場合にどう使うのかを見ていきましょう。
文中で、引用箇所や会話部分、作品名などを表すときに使う
まず、引用や会話、作品名や曲名などを示す際に、ダブルクォーテーションを使う場合があります。
例えば以下のような具合です。
- 筆者は作中で、これを“ほんとうのさいわい”と表現した
- 作中で主人公は“けれどもほんとうのさいわいは一体何だろう”と発していた
文中で、目立たせたい箇所を強調するときに使う
日本語の場合、強調の意味としてダブルクォーテーションを使うこともあります。
例えば以下のような具合です。
- 私共は、“おもてなしの精神”を何よりも大切にしております
同じ意味で使われる二重かぎかっこ(『』)などとの意味の混在を避ける
上記を見て気が付いた人もいるかもしれませんが、ダブルクォーテーションの役割は、かぎかっこ(「」)や二重かぎかっこ(『』)と重複する部分があります。
それぞれの細かな使い方、使い分けは、その会社や部署などごとに定められている場合があるので、不安な場合は周囲の人に確認してみましょう。
例えば、
- 固有名詞、引用、会話にはかぎかっこ(「」)を使用
- 強調にはダブルクォーテーションを使用
- 作品名、かぎかっこ内にさらにかぎかっこを入れたい場合には二重かぎかっこ(『』)を使用
などのように、独自のルールが決められている場合があります。
そのような決まりが無ければ、最低限、自分の作成しているその文書の中で、ダブルクォーテーションやかぎかっこ、二重かぎかっこの使い方が混在しないようにしましょう。
自分なりにルール付けして、使い方を統一することがおすすめです。あるいは混乱しないよう、使用するかっこの種類を絞るというのも一つの方法です。
開始記号(“)と終了記号(”)の向きが逆にならないように注意
ダブルクォーテーションによくある間違いの一つは、開始記号と終了記号の向きが逆になること、またどちらか一方を2回使ってしまうことです。
ダブルクォーテーションは「“」と「”」の2つで構成されており、開始記号は「“」、終了記号は「”」です。
それぞれの記号の形が似ているため、不注意や打ち間違いによって間違えやすいです。使用する際は気を付けましょう。
開始記号(“)と終了記号(”)を必ずペアで使用する
ダブルクォーテーションによくある間違いとして、開始記号(“)と終了記号(”)のどちらか一方が抜けてしまうことが挙げられます。
特に文字の追加・訂正を繰り返した結果、一方を間違えて削除してしまうケースがあります。
ダブルクォーテーションを使用する際は、開始記号と終了記号がそろっていることを確認しましょう。
ダブルクォーテーションを英語で用いる際の使い方
ここでは、アメリカ英語におけるダブルクォーテーションの使い方を説明します。
引用文や会話の内容、作品名などに使う
英語の文章を引用する場合、ダブルクォーテーションマークで引用文を囲みます。文章に限らず、会話の内容を文章で書く際や、書籍や曲名などを記載する際にも使われます。
例えば、「He said, "I'm going home."」という文章では、「I'm going home.」の部分が会話の内容を表します。
皮肉の意味を表現する
英語では、皮肉な雰囲気を表現するためにダブルクォーテーションで囲むことがあります。あえて強調した表現をすることで、皮肉の意味に変わります。
例えば
- she is a "good friend" for me.
は、直訳すれば「彼女は私の『良い友達』だ」となります。
しかし英語でこう記している場合は、本当に「良い友達」だと思っているわけではなく、何か意地悪をされた、見掛けだけの友達で実際にはピンチのときに助けてくれなかった、などということを表していると考えられます。
日本語の場合は単に強調の意味としてダブルクォーテーションを使用しますが、英語の場合は皮肉として伝わってしまうことがあるため注意しましょう。
アメリカ英語とイギリス英語ではピリオドの位置が違う
ピリオドは、文の終わりを示す記号です。ダブルクォーテーションを使用する際、アメリカ英語では
- He said, “This is a pen.”
のように、ダブルクォーテーションの内側にピリオドを置くことが多いです。
一方でイギリス英語では
- He said, “This is a pen”.
のように、ダブルクォーテーションの外側にピリオドを置くことが多いです。
ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションの違い
ダブルクォーテーションは「“」「”」ですが、シングルクォーテーションは「‘」「’」と表記します。
ダブルクォーテーションとシングルクォーテーションは、どちらも文章中における引用などに使用されますが、明確な違いが定められているわけではありません。一つの文書の中で、両者の役割が混在しないようにするといいでしょう。
なお英語の場合、アメリカ英語ではダブルクォーテーションがより好まれ、イギリス英語ではシングルクォーテーションがより好まれているようです。
またダブルクォーテーションとシングルクォーテーションを入れ子構造で使う場合には、アメリカ英語ではダブルクォーテーションの中にシングルクォーテーションを、イギリス英語ではシングルクォーテーションの中にダブルクォーテーションを使うことが多いそうです。
エクセルやプログラミングでは文字列を表すことも
ダブルクォーテーションをエクセルの関数と共に使用したり、プログラミングで使用したりする場合は、文字列を囲む役割を持つこともあります。
例えばエクセルでは、セルに「=IF(A1>=5,"○","×")」と記載した場合、A1に記載された数字が5以上ならば「◯」という文字列が、5未満なら「×」という文字列が表示されます。
プログラミングでは、用語によってシングルクォーテーションを使用できる場合などもあります。
「ダブルクォーテーション」の使い方を覚えておこう
ダブルクォーテーションは、文章中での引用やセリフ、作品名などを、他の文と区別するために使える記号です。またIT分野においては、多くのプログラミング言語で文字列のくくり記号の用途で使われます。
ダブルクォーテーションの使い方を覚えておけば、文章を書いたりプログラミングをしたりする際、より正確で読みやすいものになります。この記事を参考に、正しい使い方を覚えておきましょう。