ようやくMicrosoft Bing(以下、Bing)がダークモードに対応した。筆者がGoogleからBingに移行する際のネックだったのは配色だ。日常的に使う検索サイトが好まない彩りだと利用する意欲も衰える。2023年7月27日にBingエンジニアのツイートを見かけてから今か今かと待っていたが、28日早朝にダークモードへの操作メニューを確認した(除く安定版Windows 11)。筆者のようにダークモード好き、かつBing利用中のユーザーは試してみてほしい。
さて、Microsoftは2023年度第4四半期の決算を発表した。同社全体の実績は割愛して、ここではWindowsのみに注目してみたい。まずWindows OEMの収益は前会計年度比で12%減、Windowsおよびクラウドサービスは2%増、デバイスやXboxなどを含むMore Personal Computing部門全体で見ると9%減となった。企業としてはMicrosoft AzureやMicrosoft 365が好調で、Windowsの減収を吸収して余りあるのだが、Windowsの進歩というか進捗が停滞しているように感じるのもやむを得ないのだろう。
それでもWindows Insider ProgramのCanaryチャネルやDevチャネルで配布しているWindows 11 Insider Previewに触れていると、Microsoftが目指す方向性はわずかだが見受けられる。筆者のDevチャネル(ビルド23511)では未確認だが、WindowsスポットライトのUIを変更し、画像プレビューや詳細情報、Bingへのリンクを追加した。CanaryチャネルのWindows 11 Insider Preview(ビルド25915)は、エクスプローラーのナビゲーションウィンドウに「ホーム」を追加し、コンテンツを表示する仕組みを検証している。「ホーム」はDevチャネルでも実装済みだが、Canaryチャネルで確認できるダッシュボードレイアウトは用いていない。
「ホーム」はMicrosoftアカウントおよびMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)の情報を取得し、参照頻度が高いファイルや直近使用したファイルを列挙する仕組み。Microsoft 365やOneDriveの新しいポータルサイトをイメージすると分かりやすい。各製品やサービスの動きを見ていると、ユーザーフィードバックにも左右されると思うが、Windows 11にポータルページを盛り込んでくるのだろう。この機能に対しては読者諸氏も使用後に評価してほしいが、現時点で「ホーム」を無効にする設定項目は見当たらない。
Windowsの変化を長年楽しんできた筆者としては、Windows 11は変化に消極的なOSとして目に映る。ただ本来、OSが大胆に変化することは、日常的なUXやアプリの互換性を考えれば好ましくない一面もある。今回、動作検証用として安定版Windowsを使っていたノートPCをDevチャネルに参加させたのだが、安定性を欠くこともなく、部分的に新機能を試せるのは実に楽しい。皆さんも余っているPCがあれば前述した「ホーム」を体験してみてはいかがだろうか。