ふだん思い出すことすらないものの、ネットワーク関連機能を利用すると意識せざるをえないのが「iPhoneの名前」です。初期設定のまま使い続けることのリスク、用途や特性を考えて適切な命名を行った場合のメリットは、知っておいて損はありません。
iPhoneの名前は、「設定」→「一般」→「情報」→「名前」画面で設定でき、いつでも/何度でも変更できます。初期設定では、Apple IDに使用している自分の名前をもとに「(自分の名前)のiPhone」とされていますが、そのまま使い続けるには多少のリスクがあります。
なぜなら、iPhoneの名前はSSID、すなわち「Wi-Fiのアクセスポイント名」として利用されるから。iPhoneでインターネット共有機能(テザリング)を有効にしていると、Wi-Fi通信圏内にそのSSIDがブロードキャストされるため、見ず知らずの人に自分の名前が見られる可能性があります。iPhoneの名前は、Bluetoothペアリングのときにも用いられるため、個人を特定できないようなものに変更したほうがいいでしょう。
iPhoneの名前は、アルファベットや数字だけでなく、かな/カナや漢字を含めて自由に設定できますが、SSIDとして利用されることを考慮すると、その命名ルールに従うほうが賢明です。
SSIDは、半角英数字換算で32文字まで使用できます。しかし、アルファベットは大文字/小文字が区別され、使用できる記号は「-(ハイフン)」と「_(アンダーバー)」に限られます。SSIDは、Wi-Fiアクセスポイントが一覧表示されたとき先頭に表示されると扱いやすく、空港のようなWi-Fiが飛び交う場所でも探すのに苦労しません。
どの順序で表示されるかは、子機側の機能によっても異なりますが、記号→数字→アルファベットの順で表示順位が決まることが一般的です。ということは、「_0」や「00」から始まる個人を特定されない名前にすることが、合理的かつ安全なiPhoneの命名ルールといえそうです。