箕面市と北大阪急行電鉄は29日、「箕面ラッピングトレイン」の愛称表彰式・お披露目会を実施した。9000形増備車を装飾した列車の愛称は「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」「箕面四季彩もみじ号」に決定。8月1日から順次、運行開始する。

  • 北大阪急行電鉄9000形増備車「箕面ラッピングトレイン」を報道公開。2種類のデザインが採用された

    北大阪急行電鉄9000形増備車「箕面ラッピングトレイン」を報道公開。2種類のデザインが採用された

9000形増備車は、北大阪急行電鉄南北線延伸線(千里中央駅から北へ約2.5km延伸し、箕面船場阪大前駅、箕面萱野駅を新設)の2023年度末開業に先立ち、3編成を新造。8月1日以降、北大阪急行電鉄南北線・大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)御堂筋線の千里中央~なかもず間で運行される。この増備車両を使用し、新たに北大阪急行電鉄の沿線となる箕面市の魅力を発信すべく、装飾列車「箕面ラッピングトレイン」として2種類のデザインを採用した。

3編成のうち1編成(9005×10両編成)は、箕面市PRキャラクター「滝ノ道ゆずる」「モミジーヌ」をラッピング。なかもず方の先頭2両(9905・9805号車)に「滝ノ道ゆずる」、千里中央方の先頭2両(9005・9105号車)に「モミジーヌ」をダイナミックにあしらい、インパクトのあるデザインとした。残り2編成(9006×10両編成、9007×10両編成)も、なかもず方の先頭2両、千里中央方の先頭2両をそれぞれラッピング。紅葉を基調に、明治の森箕面国定公園や日本の滝百選に選ばれた箕面大滝など、箕面の美しい四季の移ろいを鮮やかなグラデーションで表現している。

箕面市は今年6月、「箕面ラッピングトレイン」が利用者や沿線住民らに愛される列車となることをめざし、市内在住・在職・在学者を対象に愛称募集を実施。箕面市ラッピングトレイン愛称検討会の選考を経て、箕面市PRキャラクターのデザインは応募総数566件の中から「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」、箕面大滝や紅葉を基調としたデザインは応募総数579件の中から「箕面四季彩もみじ号」に決定した。北大阪急行電鉄の桃山台車庫で行われた愛称表彰式に命名者も招待され、箕面市長の上島一彦氏から表彰状と賞品が贈られた。

  • 桃山台車庫での愛称表彰式・お披露目会にて「箕面ラッピングトレイン」の愛称を発表。その後、愛称を記したヘッドマークが各編成に掲出された

  • 「箕面四季彩もみじ号」は箕面市在住の女性、「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」は箕面市に住む3歳の女の子が命名者に。上島市長から表彰状と賞品が贈られた

  • 「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」は、箕面市PRキャラクター「滝ノ道ゆずる」「モミジーヌ」を大胆にデザイン。「箕面四季彩もみじ号」は箕面大滝や紅葉を基調としたデザインに

お披露目会では、増備車3編成のうち「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」(9005×10両編成)と「箕面四季彩もみじ号」(9006×10両編成)の2編成を公開。それぞれの愛称を記したヘッドマークが掲出された後、車両の配置変更を行いつつ、ラッピングを施した車両を中心に外観を撮影できた。車体前面・側面のLED表示器に、9000形の愛称「POLESTAR II」のロゴマークも。続いて「ゆずるとモミジーヌ仲良しトレイン号」の車内が公開された。

既存の9000形と同様、9000形増備車も内装に木目調の化粧板やゴールデンオリーブ色のシートを使用し、落ち着きのある空間に。列車とホームの段差を縮小し、車内に車いすスペースを確保するなど、バリアフリー対応も充実させた。北大阪急行電鉄の車両で初という車内防犯カメラも搭載。各車両2台ずつ、1編成(10両編成)あたり計20台を設置し、車内の映像や音声を記録する。車内で緊急事態が発生した場合に使用する非常用設備等の位置や操作方法もわかりやすく表示するなど、安心して乗車できる車内環境を整備する。

  • 9000形増備車の車内。伝統ある内装デザインを踏襲しつつ、バリアフリー機能に加え、各車両に車内防犯カメラを設置するなど安全性向上も図った

  • 「箕面ラッピングトレイン」の車内広告は「行こお! みのお!」「住もお! みのお!」をコンセプトに掲げ、箕面市の観光スポットや大阪のベッドタウンとしての魅力をPRする

「箕面ラッピングトレイン」では、車内広告も統一したデザインに。1年を通じて楽しめる箕面市の観光スポットを紹介するほか、交通利便性が格段に向上する箕面市のベッドタウンとしての魅力、子育て・教育の取組み等を発信する。「観光」「定住」の2つをテーマに、「行こお! みのお!」「住もお! みのお!」をコンセプトに掲げ、乗客にPRしていくという。