日立グローバルライフソリューションズ(以下、日立)は、8月上旬にコードレススティック掃除機を発売予定です(2モデル)。注目は、標準の重さが970gという「すごかるスティック PV-BS1L」。コードレス掃除機は年々軽量化していますが、回転ブラシヘッドタイプで1kg未満は驚きの数字です。
もう一製品は、日立のコードレス掃除機でもっともパワフルな「パワーブーストサイクロン PV-BH900SL」(以下、PV-BH900SL)。こちらは昨年(2022年)モデルと同等の吸引力ながら本体が軽くなり、付属品がより便利に。2製品を体験できたので、使用感などをレポートします。
掃除力も十分の超軽量コードレス「すごかるスティック」
「すごかるスティック PV-BS1L」(以下、すごかるスティック)のもっとも大きな特徴はその軽さ。本体にヘッドや延長パイプを装着した状態で970gというのは、モーターヘッドタイプの軽量コードレス掃除機のなかでも際立って軽い製品です。本体上部にはストラップが付いており、軽さを生かしてホウキのように壁掛け収納もできるようになっています。
軽量タイプで気になるのは、コンパクトにすることで掃除力が犠牲になっていないかです。今回の体験会では、吸引力を確認できるデモンストレーションがいくつか用意されていました。
ゴミを掃除する体験コーナーもあり、深さ5mmの溝に落ちた粉ゴミも一往復でしっかり吸ってくれます。カーペットにこすりつけた綿ゴミも、ワンストロークで掃除できていました。
軽量クリーナーのなかには「フローリング専用機?」と思うほど吸引力が弱い製品もありますが、すごかるスティックはカーペットやラグの掃除にも力を発揮してくれそうです。ただし、日立いわく「毛足の長いカーペットの、目に見えない奥のほうまでゴミをしっかり除去したい場合は、最上位モデルのパワーブーストサイクロンがオススメ」とのこと。
吸引力に関しては申し分ない印象ですが、使い勝手には気になる点も。軽量化のためにヘッドがかなり軽く、掃除中にヘッドをラフに前後させるとヘッドが浮くことがあります。ていねいにヘッドを動かせば問題ないのですが、家じゅうの掃除を一気にしたいときなどは、少しストレスになるかもしれません。
ヘッド幅も約23cmとコンパクトなので、メイン掃除機というよりは、気になる汚れを見つけたときにサッと掃除するセカンド掃除機に向いています。日立も、2台目の買い増しニーズもそれなりに見込んでいます。
セカンド掃除機向きと説明しましたが、使い勝手はさすが日立。長い髪も絡まりにくいブラシ、カップを装着したままゴミを捨てられる機構など、毎日使う上で便利な機能はしっかり搭載しています。吸引力もしっかりあるため、単身世帯の小さな住居ならメインの掃除機としても活躍してくれるでしょう。
実際に使ってみると、「軽い」ことは掃除機にとって大きなアドバンテージと実感しました。掃除機としてはもちろん、高い場所のホコリを掃除する「ホコリが舞い上がらないハタキ」感覚でも使えます。エアコン室内機の掃除も、すごかるスティックならラクにできそうですね。
日立のコードレス掃除機でもっともパワフルなパワーブーストサイクロン
「パワーブーストサイクロン」シリーズの新モデル、PV-BH900SLも試用しました。パワーブーストサイクロンは、日立のコードレス掃除機でも掃除力を重視した最上位シリーズ。新モデルのPV-BH900SLは、2022年のフラッグシップモデル「PV-BH900K」と同等の強力な吸引力を備えつつ、標準の重さ1.6kgに抑えました(従来比で約100gの減)。
軽くなっただけなく、新モデルでは布掃除用のアタッチメントが「布用ブラッシングヘッド」へと進化。前モデルまでのミニブラシ「ミニパワーヘッド」は、ブラシ中央にモーターで回転する植毛ブラシが一本あるだけでした。
新型の布用ブラッシングヘッドは、中央にホコリを吸着するリントブラシ、リントブラシの上下に布を叩いてホコリを浮かす回転ビーターを配置しています。
基本性能はほとんど従来モデルと同じですが、もともと高い掃除力で人気の製品だっただけに、パワーは十分。従来モデルより軽くなったことで、より取り回しやすくなりました。
また、本体やスタンド素材の一部に再生プラスチックを用いた「環境配慮型」になったこともポイント。2022年モデルのPV-BH900Kも環境配慮素材を採用したモデルを一部用意していましたが、再生プラスチックの供給量に限りがあったため、生産量はそこまで多くありませんでした。
そこで新モデルのPV-BH900SLは、素材の見直しなどによって量産化を達成。筆者がこの環境配慮型モデルで気に入っているのは、リサイクルの妨げになる塗装や印刷を極力排除しているところ。高級コードレススティッククリーナーというと、パール塗装のホワイトやシャンパンゴールド、レッドといった派手な製品も多いのですが、樹脂の質感を生かしたシンプルで落ち着いたマットな質感のボディは、かなりのツボでした。