NTTドコモは7月28日、都内の一部エリアでスマートフォン利用時の通信品質低下が指摘される中、特につながりづらい状況があった都内4エリア(新宿/渋谷/池袋/新橋)における通信品質の改善状況と今後の取り組みについて公表した。

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NTTドコモの通信品質の低下については、同社が4月26日に説明会を開催している。説明会では、原因として高速大容量の5Gネットワーク「瞬速5G」の整備に時間がかかり、通信トラフィックの増加に追い付いていないとの説明がされており、対策として、瞬速5G基地局のカバーエリア調整、使用する周波数帯を分散するように制御、基地局設備の増強/増設といった当面の対策を2023年夏までに実施するとしていた。

今回の発表はその進捗を報告するもので、各エリアで以下のような対策を施したとのことで、対策実施後の通信品質評価の結果を示している。

エリア 主な取り組み 通信品質評価(7月測定のスループット)
新宿 新宿駅東口周辺 カバーエリア調整
周波数分散制御
不便なく利用可能
 5G端末:20Mbps以上
 4G端末:10Mbps以上
渋谷 渋谷駅東口周辺 カバーエリア調整
周波数分散制御
不便なく利用可能
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:10Mbps以上
渋谷駅山手線・埼京線
ホーム中央付近
カバーエリア調整
周波数分散制御
時間帯によって利用しづらい場合あり
渋谷駅西口周辺 カバーエリア調整
周波数分散制御
不便なく利用可能
 5G端末:10Mbps以上(4G通信)
 4G端末:10Mbps以上
渋谷駅ハチ公口周辺 カバーエリア調整
周波数分散制御
基地局設備増設
不便なく利用可能
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:10Mbps以上
池袋 池袋東口周辺 カバーエリア調整
周波数分散制御
不便なく利用可能
 5G端末:40Mbps以上
 4G端末:30Mbps以上
新橋 新橋駅烏森口周辺 カバーエリア調整
周波数分散制御
不便なく利用可能
 5G端末:100Mbps以上
 4G端末:10Mbps以上

注:スループットは受信時の測定結果で、利用者の多い時間帯において、ドコモが測定したもの。時間帯・その他イベントなどの影響により実際の通信品質と異なる場合もある。

上記のエリアのうち、渋谷駅山手線・埼京線ホームについては利用しづらい状況になることがあるとのことだが、これは駅改良工事に伴って駅ホームに設置された屋内アンテナ(他の携帯電話事業者と共用)を取り外す必要が生じたためとのこと。取り外しが行われたのは2023年2月で、2023年9月までに屋内アンテナの再設置工事を実施する予定という。

NTTドコモでは引き続き通信品質向上に取り組み、全国横断のプロジェクト体制を構築して継続的に対策を推進していくとしている。